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イサム・ノグチ展から懐中電灯で観る展覧会まで、次の休日に観に行きたい都内注目の展覧会7選

 次のお休み、どのように過ごすかはもう決まっていますか?今、東京都内の美術館では注目の企画展が目白押し。今回はFASHIONSNAP 編集部員Fが気になる会期中の展示をまとめてご紹介します。

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イサム・ノグチの大規模回顧展、「彫刻とは何か」がテーマ

第1章「彫刻の宇宙」の展示風景、「あかり」のインスタレーション

 日本人の父とアメリカ人の母の元に生まれ自身のアイデンティティに葛藤しながらも独自の彫刻哲学を打ち立てた20世紀彫刻の巨人、イサム・ノグチ。和紙を用いた光の彫刻「あかり」など、没後33年たった今でもイサム・ノグチが手掛けたプロダクトは愛され続け、現在も多くのアーティストから支持を集めています。

 そんなイサム・ノグチに迫る大規模回顧展「イサム・ノグチ 発見の道」が、2021年4月24日から東京都美術館で開催中。同展は3章で構成され、「あかり」を150灯使用したインスタレーション「AKARI CLOUD」をはじめ、国内外の多数の大型作品を含む約90点の作品が展示されています。丹下健三や三宅一生、磯崎新など、多くのアーティストからリスペクトされているノグチが追求した「彫刻とは何か」をぜひ自分の目で確かめてみては?

第3章「石の庭」の展示風景、イサム・ノグチ「ねじれた柱」(1982-84年) イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵(公益財団法人イサム・ノグチ日本財団に永久貸与) (C) 2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E3713

■イサム・ノグチ 発見の道
会期:2021年4月24日(土)~8月29日(日)
※6月1日(火)より営業再開。チケットの予約/購入は、展覧会公式ウェブサイトから。
住所:東京都台東区上野公園8-36
公式サイト

森美術館リニューアル後の初展覧会は、70代から105歳までの女性アーティストに焦点

三島喜美代 「作品 19-C5」 2019年

 六本木に位置する森美術館が、約3ヶ月間の改修工事期間を経て4月22日にリニューアルオープンしました。リニューアル後初となる展覧会は「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力 ― 世界の女性アーティスト16人」。世界14ヶ国から集結した、50年以上のキャリアを持つ71歳から105歳までの現役女性アーティストの作品で構成された少し変わった企画展です。

 同展は、ジェンダーや人種、民族、アイデンティティの尊重など、ダイバーシティを重視する動きが世界各地に拡大し、現代アート界においても長年活動を続けている女性アーティストに注目が集まっていることを受けて企画されたそう。各アーティストの活動やこれまで歩んできた人生の軌跡、異なる背景を持つアーティストたちの作品に見られる共通点などもあわせて紹介されています。休日に、作品を通してフェミニズムや移民の歴史、美術史の解釈などを考えてみるのはどうでしょうか?

■アナザーエナジー展:挑戦しつづける力 ― 世界の女性アーティスト16人
会期:2021年4月22日(木)〜2021年9月26日(日)
※緊急事態宣言の発令により4月25日から当面の間臨時休館
住所:東京都港区六本木6丁目10−1 六本木ヒルズ森タワー53階
開館時間:4月22日から5月11日までの間は、10:00〜20:00
※最終入館は閉館の30分前まで ※火曜日のみ17:00まで ※会期中無休
入館料:【平日】一般 2000円(1800円)、高校・大学生 1300円(1200円)、4歳~中学生 700円(600円)、65歳以上 1700円(1500円)
【土・日・祝日】一般 2200円(2000円)、高校・大学生 1400円(1300円)、4歳~中学生 800円(700円)、65歳以上 1900円(1700円) ※専用オンラインサイトでチケットを購入すると( )の料金が適用
問い合わせ:03-5777-8600
公式サイト

25歳で早逝した画家、中園孔二の個展がANB Tokyoで開催

「無題」 2014年

Image by: ©️ Koji Nakazono, courtesy of Tomio Koyama Gallery

 昨年の10月に六本木に新たに登場したアートコンプレックス「ANB Tokyo」で、ペインターの中園孔二の3年ぶり5度⽬の個展「すべての⾯がこっちを向いている」が開催中です。

 中園孔二は1989年、神奈川県生まれ。東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業し、鮮やかな色彩や緻密な構図、一貫した独自の世界観などで新進気鋭の若手作家として注目を集めていた矢先、2015年に25歳の若さで逝去しました。

 中園は急逝するまでに絵画作品を中心に彫刻やインスタレーション作品など、700点以上にもわたる作品を制作。「すべての⾯がこっちを向いている」では未発表作品約50点が展示され、そのほか中園の友⼈で、アーティストの中村⼟光の映像作品「誰かの CV 2014」より、中園のインタビュー抜粋した特別映像が上映されています。

中園孔⼆ 個展「すべての⾯がこっちを向いている」
会期:2021年4⽉24⽇〜5⽉23⽇
住所:東京都港区六本⽊5-2-4
開館時間:12:00〜18:00 (⾦⼟〜20:00) 
休館日:⽉・⽕ 
料金:一般 1000円 / 中・⾼校⽣無料 ※オンライン事前予約制。
公式サイト

作品を懐中電灯で照らしながら見る展覧会、ライアン・ガンダーがキュレーター

 イギリスを代表するアーティスト ライアン・ガンダー(Ryan Gander)がキュレーションを手掛ける異例の企画、東京オペラシティ アートギャラリーで開催中です。「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」は、新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンにより、本来開催される予定であった個展形式での展覧会延期を受けて「この状況で僕にできることはないだろうか」というガンダー自身の申し出により実現。古今東西の美術作品や、日常生活で気に留めることのない物事をモチーフにするコンセプチュアルアートの新騎手として国際的に評価のされているガンダーが、東京オペラシティアートギャラリーの約4000点の収蔵品を用いてキュレーションする機会は、ある意味もう二度と見ることができない展示かもしれません。

Image by: 中川周

 同展は3階と4階の2フロアでそれぞれテーマを分けて展示。4階で展示されている「色を想像する」では、同館収蔵品が、東京オペラシティ街区の地権者 寺田小太郎のプライベート・アイ・コレクション(個人の視点で集められたもの)であるという成り立ちを踏まえた展示空間。寺田の収集テーマであった「ブラック&ホワイト」に呼応し、展示空間は黒と白の作品のみ!

Image by: 中川周

 3階の展示空間は「ストーリーはいつも不完全......」と銘打たれ、うす明かりの展示室内を懐中電灯で照らしながら作品を鑑賞する少し変わったスタイル。来場者の「見たい」という気持ちを再確認するこの仕掛けは、照明で照らされた展示では見逃してしまうような物事への注目や、全体をもっとよく見たいという好奇心など、各々が作品と一対一で向き合える一助を担うのではないでしょうか。

 「見る」「想像する」ことを意識させる同展。困難な状況でも冷静に考え、発想の転換でよりよいものにしようとするガンダーの姿勢は、私たちの作品鑑賞だけではなく日常生活に新しい視点をもたらしてくれるはずです。

■ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展
会期:2021年4月17日(土)〜6月20日(火)
※緊急事態宣言の発令により4月25日から当面の間臨時休館
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー
開館時間:11:00〜19:00
休館日:月 ※5月3日は開館
料金:一般 1000円、大学・高校生 600円
公式サイト

村上春樹作品の装丁を手掛けたイラストレーター安西水丸の回顧展

Image by: illustrated by Mizumaru Anzai © Masumi Kishida

 村上春樹作品の装丁を手掛けたことでも知られている、イラストレーターの安西水丸に焦点を当てた回顧展が世田谷文学館で開催。

 安西水丸は1942年、東京生まれ。日本大学芸術学部美術学科造形コースを卒業後、電通や平凡社などでアートディレクターを務め、その後フリーのイラストレーターに転身。村上春樹作品をはじめ、和田誠や嵐山光三郎とタッグを組み、絵本や装丁など幅広く活動しました。

 同展は全4部構成。村上春樹共著「ランゲルハンス島の午後」の装丁原画など、初披露作品を含む関連資料約500点以上が披露されています。会場で販売されているオリジナルTシャツやポストカード、クリアファイル、マグカップなどのグッズもぜひゲットしたいところです。

■イラストレーター 安西水丸展
会場:世田谷文学館 2階展示室
会期:2021年4月24日(土)~8月31日(火)
※緊急事態宣言の発令により4月25日〜5月31日は臨時休館
住所:東京都世田谷区南烏山1-10-10
開館時間:10:00~18:00 ※展覧会入場、ミュージアムショップの営業は17:30まで
休館日:毎週月曜日 ※5月3日、8月9日は開館、5月6日、8月10日は休館
観覧料:一般 900(720)円/65 歳以上・大学・高校生 600(480)円/中学生以下 300(240)円/障害者手帳をお持ちの方 400(320)円 
※大学生以下は無料 ※( )内は20名以上の団体割引料金及び「せたがやアーツカード」割引料金
公式サイト

国内初個展が開催、マーク・マンダースとは何者?

マーク・マンダース「乾いた土の頭部」2015-2016年

Image by: Tomoki Imai

 触れると崩れそうな彫像。いつどこで作られたのか判然としないオブジェ。人の立ち去った気配が残るスタジオ。暗く長い廊下……。静寂と不穏が混合する不思議な世界を作り上げるアーティスト マーク・マンダース(Mark Manders)の国内初となる個展「マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在」が、東京都現代美術館で開催中です。

 マーク・マンダースは1968年、オランダ生まれ。自身が架空の芸術家として名付けた「マーク・マンダース」という人物のポートレートを「建築」の枠組みを用いて構築する「建物としての自画像」という独自のコンセプトを元に、架空の新聞や、部屋に置かれる彫刻やオブジェをなどのインスタレーション作品を発表しています。

 展示されている彫刻作品は、美術史や私的な記憶に基づくイメージ、言葉、家具など様々なオブジェが組み合わせられており、鑑賞者は複雑な感情や、不思議な時間感覚を覚えるはず。同展は、展示全体を1つの作品に見立てた「想像の建物のインスタレーション」として構成されており、虚構的な枠組みをベースにした独創的な世界に彫刻の概念を掘り上げる彫刻作品が設置されています。

 時間が止まっているかのように感じる、作家であるマンダース本人と架空の芸術家マンダースの「自画像」が混交する虚実の作品世界は要チェックです。

マーク・マンダース「マインド・スタディ」2010-11年 

Image by: Tomoki Imai

■マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在
会期:2021年3月20日(土)〜2021年6月22日(火)
※6月1日(火)より完全予約制で営業を再開。チケットの予約/購入は、展覧会公式ウェブサイトから。
住所:東京都江東区三好4丁目1番1号
開館時間:10:00〜18:00 ※展示室入場は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
観覧料:一般 1500円、大学生・専門学校生・65 歳以上 1000 円、中高生 600 円、小学生以下無料
公式サイト

歴代のレアコラボが集結、ルイ・ヴィトンの大規模展覧会

 3月19日から原宿駅前の「ジング(jing)」で開催中のエキシビション「ルイ・ヴィトン &(LOUIS VUITTON &)」はもう観ましたか?5月19日までと、会期終了が迫ってきました。

 同展では、これまでに発表されてきた「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」とのコラボレーションが一堂に会し、それぞれの作品やブランドのサヴォアフェール(匠の技)、ブランドと日本の結びつきにフィーチャーしています。展示会場は10の没入型スペースから構成され、今となっては実物を見ることが難しいファン垂涎のレアなコレクションの数々が披露されています。

Image by: 新旧「バッグ ウィズ ホールズ」

■ 「LOUIS VUITTON &」
会期:2021年3月19日(金)〜 5月16日(日)
開館時間:10:00〜 19:00(最終入場 18:00)無休
住所:東京都渋谷区神宮前 6-35-6 jing
電話番号:0120-00-1854
入場無料
ルイ ・ ヴィトン 公式サイトより要予約

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