ポールダンサーの小源寺亮太
Image by: FASHIONSNAP
ファッションという魔法を操って
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ポールダンスの選曲も振り付けも衣装も、基本的には全て自分で手掛けているという。この日まとっていたビジュー付きのショーツも、本人のお手製だ。「ファッションって『魔法』みたいですよね。僕は衣装で自分のキャラ設定ができるというか、『今度はこういうイメージで踊ってみたいな』と想像することも表現につながります。今日の撮影みたいに『誰かにかけてもらう魔法』もいいですね。新たな自分を発見できるし、色々な自分に変身できて楽しいです」。
そのファッションセンスは子供の頃から抜きん出ていた。「小学校に厚底のスニーカーを履いていって、休み時間にファッション雑誌を見たり、眉毛のお手入れをしてみたりとか(笑)雑誌で見るようなものは田舎ではなかなか手に入らないので、自分で作ったりリメイクしたりもしていました。周りの子たちからは変わった目で見られたりしていましたけど、ファッションへの強い憧れがあったんですよね」。
天と繋がり、自己を解放する瞬間
重力を感じさせない浮遊感と、ダイナミックな大技。筋力なくては成し得ないパフォーマンスにもかかわらず、小源寺のパフォーマンスはどこまでも軽やかだ。「僕にとってポールダンスは瞑想のようなもの。ポールという軸をコントロールすることで、自分自身にフォーカスできるように感じます。踊っているときや空中にいるときは、本当に天と繋がっているような感覚があるんです。無心になれるというか、心地良いんですよね」。
「逆に、空中に上りたいと思えない時はポールを触らないようにしています。身体の素直な反応を大事にしたいので、そういう時は身体をケアしたり整えたりしますね。やっぱり自分が苦しいと思っている時の演技って、見ている側も苦しいと感じるんです。だからまず自分が解放できていないと」
誰もが可能性を持っていると信じて
自身の身体を「魂の入った器」と小源寺は表現する。「僕は普段、ストレッチや身体のケアをする柔軟のクラスを受け持っているんですが、いつも言っているのは『まずは器を整えましょうね』ということです。水の通りが悪いと植物も育たなかったりするじゃないですか。身体と魂(心)って直結しているので、身体が循環していくと思考や選択そのものが変わってくるんです」。
その変化を、実際に生徒からも感じたこともあるという。「ずっと自分自身をブロックをしていた方がいたんです。『こんな服を私は着るべきじゃない』とか言っていたり。でも身体の変化と共に思考そのものが変わっていって、最近ミセス・コンテストにエントリーしたそうです。それを聞いた時は嬉しかったですね。『誰もが可能性を持っているから自分自身を信じてほしい』と、僕はいつもみんなに伝えています。どんなふうにもなれるし、そう信じた瞬間から変わっていけるので、その手前で塞ぎ込まないでほしいな」。
美しい伝統文化を引き継ぎたい
今後の目標を尋ねると「日本の伝統文化を、自分のフィルターを通して伝えていきたい」という意外な答えが返ってきた。「例えば、僕が習っている生け花との融合とか。伝統をちゃんと引き継いで、それを守りつつも自分のエッセンスを加えてやっていけたらいいな、と思います。アートも生け花もそうですが間(ま)が美しいんですよね、特に日本はそういうものを大切にしているので」。茶道や寺社仏閣巡りも好きだという小源寺。誰も見たことのない新たな表現とファンタジーが、また彼の身体から生まれていきそうだ。
小源寺亮太(Ryota Kogenji)
福岡県生まれ。高校中退後、17歳で上京。芸能界に憧れ、歌やダンスのレッスンに通っていた頃にポールダンスと出会う。2014年と2015年にPOLE KING JAPAN 男子の部を二連覇。Polethater Japan 2018、2019 国際大会 優勝 & 総合優勝、2020年 MR.POLE DANCE 2020 世界大会優勝など、多くのタイトルを獲得。TBS「情熱大陸」で注目を浴び、椎名林檎 宇多田ヒカル「浪漫と算盤」や浜崎あゆみ「WARNING」など、ミュージックビデオへの出演も多数。近年ではコンテストの審査員、インストラクターとしても活動する。
<今後の公演スケジュール>
6月3日(土) 1day リトリートイベント OPTIMIST
場所:POWER SPOT AOYAMA TOKYO
6月28日(水)ジュンコ コシノ プロデュースイベント
場所:長野県浜松市
7月24日(月)スタジオ発表会 & 2nd anniversary party
場所:POWER SPOT AOYAMA TOKYO
8月20日(日)ディナーショー GALA
場所:南青山 マンダラ
小源寺亮太:公式インスタグラム
<スチール>ラッフルボレロ 参考商品、チョーカー 参考商品(共にLyumme)
<ムービー>ラウンドボディ 3万5200円(SOUER tokyo)、スカート(スタイリスト私物)、イヤリング(右)1万7600円、(左)2万900円(YUEQI QI)
Lyumme 03-3792-2703
SOEUR tokyo https://www.soeurtokyo.com
MATT. (YUEQI QI)INFO@THE-MATT.COM
performer: Ryota Kogenji
stylist: Hiromi Nakamoto
hair & make-up: Takae Kamikawa(mod's hair)
photographer: Hiroyuki Ozawa (FASHIONSNAP)
videographer: Ota Uzuka(FASHIONSNAP)
composition & text: Fuyuko Tsuji (FASHIONSNAP)
撮影協力:POWER SPOT AOYAMA TOKYO
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