今でも多くのファッションブランドやショップがクラブでアフターパーティーやアニバーサリーパーティーを開催するなど、ファッションとも密接な関係を持つナイトクラブ。今回は、クラブ好きのFASHIONSNAP編集部Uが独断と偏見を交えながらファッション好きにおすすめの11店舗をピックアップ。ラグジュアリーな雰囲気の箱から音好きが集まる箱まで、幅広く紹介します。

※特定遊興エリア内のクラブに絞って紹介しています。

　キャパシティは、そのクラブがどれくらい大きいかをFASHIONSNAP独自の判断で3段階に分けて評価したもの。

★☆☆：比較的小箱。アーティストやスタッフがより身近。
★★☆：中規模くらい。フロアが複数あることが多い。大きすぎず小さすぎないので楽しみやすい。
★★★：大箱。ヘッドライナーにビックネームを呼べる規模。2フロア以上あるので色々な音楽を楽しめる。

WOMB（渋谷）

Image by WOMB

キャパシティ：★★★
音楽のジャンル：主にハウス、テクノ、ドラムンベース

　「ウーム（WOMB）」は、2000年に円山町にオープン。以来、エレクトロニック・ミュージック・カルチャーを東京の音楽ファンたちに紹介してきました。2010年には、世界各国へ東京のリアルなシーンを発信する「WOMB TOKYO」プロジェクトを始動。その一環としてスペイン・イビザ島の 「Space Ibiza」やロンドンの 「fabric」で「WOMB TOKYO NIGHT」を開催しました。イギリスのダンスミュージック系著名誌「Mixmag」が毎年行う世界のクラブランキングで、2005年には世界第2位に、2008年には5位、2009年には4位にランクインした経歴を持ちます。過去にはリッチー・ホゥティン（Richie Hawtin）やニーナ・クラヴィッツ（NINA KRAVIZ）、ペギー・グー（Peggy Gou）などのビックネームアーティストが来日公演を行ったことも。

　フロアは1階から4階までとなっており、2階にメインフロア、1階と4階にサブフロアがあります。3階は屋内テラスにテーブルとシートを完備した「PREMIUM LOUNGE」となっており、メインフロアを一望することが可能。レーザーを使用したライティング、天井とDJブース背後に設置された大型LEDスクリーンの演出は迫力があり、音楽と一体となってフロアを包み込みます。

MIDNIGHT EAST（渋谷）

Image by MIDNIGHT EAST

キャパシティ：★★★
音楽のジャンル：ハウス、テクノ、ヒップホップなど

　「MIDNIGHT EAST」は、ライブハウスの「Spotify O-EAST（オーイースト）」とミュージックバーの「東間屋」が一体となって深夜のパーティーを開催する時の名称。オーイーストをメインフロアに、東間屋をサブフロアにして両施設を開放しています。オーイーストは、キャパシティ1300人のライブスペースとしてデイタイムには音楽ライブなどが行われています。店内には、618inchのステージ背面LEDヴィジョンを常設し、様々な演出で会場を盛り上げています。

　これまでには、全眼カラーコンタクトを使用した「エイリアン」のようなメイクと謎めいた奇抜なファッションで注目を集め、「リック・オウエンス（Rick Owens）」のショーミュージックを担当するクリエイティブデュオ フィーカルー・マター（Fecal Matter）の初来日公演、野村訓市が主催する「Mild Bunch」の大忘年会などが開催されています。

clubasia （渋谷）

Image by clubasia

キャパシティ：★★★
音楽のジャンル：ハウス、テクノ、サイケデリックトランス、パンク、ハードトラップなどアンダーグラウンドミュージックがメイン

　「clubasia」は、クラブカルチャーの先駆けとして1996年にオープンして以来、渋谷を牽引する老舗クラブです。パンクからヒップホップやサイケデリックミュージック、ハードトラップ、ハウス、テクノまで様々なジャンルの音楽イベントが開催されています。

　これまでに、OKAMOTO'Sドラマーのオカモトレイジが主宰する「YAGI」とアーティストのJUN INAGAWAがキュレーションする「MAD MAGIC ORCHESTRA」のダブルネームを掲げたパーティーや、東京のZ世代を中心としたダンスフリークスの間で大きな話題を集めている「電気菩薩」などのほか、渋谷を拠点に展開しているヘアサロン「レコ（LECO）」の7周年アニバーサリーパーティーを開催。レコのイベントには、ヒップホップクルー「クリエイティブドラッグストア（CreativeDrugStore）」のJUBEEや、ラッパーのZEN-LA-ROCKなどが出演しました。

BAIA（渋谷）

Image by BAIA

キャパシティ：★★☆
音楽のジャンル：テックハウス、ヒップホップ、EDMなどオールジャンルミックス

　「バイア（BAIA）」は、2022年9月に設立。ニューヨークを拠点に活動しているアーティスト ロイ・ナチャム（Roy Nachum）が手掛けた内装デザインは石を基調に、ラグジュアリー感のある空間を演出しています。客層は、外国人客が8割を占めており、海外に来たような感覚でナイトアウトを楽しむことができます。

　過去には、EDMシーンを代表するDJ／プロデューサーのスクリレックス（Skrillex）が緊急公演を行い話題に。列に並んでも、入ることができなかった人がいるほどの大盛況になったそうです。このほかにも「ディオール（DIOR）」や「イザベル マラン（ISABEL MARANT）」などのファッションブランドのパーティーや撮影も行われています。エントランス料金は男性と女性で金額が異なることが多いので、確認が必要です。

ZEROTOKYO（新宿）

Image by ZEROTOKYO

キャパシティ：★★★
音楽のジャンル：ハウス、テクノ、ヒップホップ、J-POP、サイケデリックトランスなど

　「ZEROTOKYO」は、2023年4月14日にオープン。新宿歌舞伎町にある「東急歌舞伎町タワー」の地下1階から地下4階までの4フロアに入居しています。360度LEDヴィジョンを備えた地下4階のメインフロア「Z HALL」はヴィジュアル効果を特色とし、出演するアーティストの雰囲気によって違った映像演出を楽しむことが可能。また、世界中の数々の一流アーティストのステージをサポートするスピーカーブランド「アダムソン システム エンジニアリング（Adamson Systems Engineering、以下アダムソン）」のスピーカーを各フロアに100以上設置し、日本独自の音楽体験を提供する施設となっています。メインフロアの他に、「RING」「R BAR」「BOX」といったエリアがあり、それぞれのDJブースで違った音楽を体感できます。会場内での支払いは、コインロッカー以外全てキャッシュレスとなっています。

　過去には、石野卓球やKen Ishii、大沢伸一など日本のビックネームのほか、宇多田ヒカルのアルバム「BADモード」にプロデューサーとして参加して話題を集め、今年のフジロックにも出演したフローティング・ポインツ（Floating Points）や、ホログラム技術を駆使した自身のショー「HOLO」で有名なエリック・プリッツ（Eric Prydz）、ドイツ・ベルリンにあるクラブ「ベルグハイン（Berghain）」のレジデントを務めるベン・クロック（Ben Klock）など海外の著名アーティストが公演を実施。このようなダンスミュージックのパーティーのほかにも、きゃりーぱみゅぱみゅやラッパーのAwichが出演するパーティーも開催されています。

1 OAK Tokyo（六本木）

Image by 1 OAK Tokyo

キャパシティ：★★☆
音楽のジャンル：ヒップホップ、テクノ

　「ワンオーク 東京（1 OAK Tokyo）は、都営地下鉄大江戸線の麻布十番駅から程近い場所に位置。発祥はニューヨークで、世界中で大人気のDJやラッパーなどによるサプライズパフォーマンスをはじめ、斬新な内装と最高級のサービスで世界中のパーティー好きを虜にしてきました。そんなワンオークが2017年8月にアジア初上陸で東京・六本木にグランドオープン。当初入居していたけやき坂ビルの賃貸契約満了のタイミングで2020年3月28日に一時閉店しましたが、同年7月に現在の場所に移転オープンしました。

　音楽のメインジャンルはヒップホップ。アメリカのラッパー リル・パンプ（Lil Pump）や同じくアメリカ出身のラッパー クエイヴォ（Quavo）、千葉雄喜など、国内外の有名ヒップホップアーティストをヘッドライナーに招いています。このほかにもブルーノ・マーズ（Bruno Mars）が来日公演のアフターパーティーを開催し、ブルーノ本人がライブを行ったり、エイサップ・ロッキー（ASAP Rocky）とリアーナ（Rihanna）が来日した際にお忍びで訪れるなど、海外セレブが来店することで有名です。時々、テクノのDJがヘッドライナーとして出演するテクノパーティーが開催されることもあります。エントランス料金は男性と女性で金額が異なるので、要確認です。

RAISE（銀座）

Image by RAISE

キャパシティ：★★☆
音楽のジャンル：ヒップホップやポップスなどオールジャンルミックス

　「レイズ（RAISE）」は、2021年に銀座東急プラザの6階にオープン。「最上級のナイトライフを創造する」というコンセプトのもと、天井高約27mの開放的なダンスフロアやコンセプトの異なる3つのバー、22テーブルのVIP／VVIPシートを揃え、ドレスアップして音楽と豊富なドリンクを楽しむ都会的なラグジュアリー・ナイトライフを提案しています。

　これまでには、女優でモデルの水原希子がプロデュースしたイベント「WET」を開催したほか、次世代UKハウスDJとして注目されているジェームズ・ハイプ（James Hype）の来日公演や、EXILE／GENERATIONS from EXILE TRIBEなどで活動する白濱亜嵐がDJセットを披露するなど著名なアーティストが出演しています。エントランス料金は、男性と女性で異なります。

CIRCUS TOKYO（渋谷）

Image by circus

キャパシティ：★★☆
音楽のジャンル：ハウス、テクノなどダンスミュージックがメイン

　「サーカス トーキョー（CIRCUS TOKYO）」は、大阪のアメ村付近に位置する「サーカス オオサカ（CIRCUS OSAKA）」の姉妹店として2015年にオープン。アクセスはJR渋谷駅の新南口から徒歩約2〜3分と好立地。1階と地下1階の2フロア構成で、地下1階がメインフロアとなっています。

　ハウスやテクノを主軸にベースミュージックやアンダーグラウンドミュージックのパーティーを開催。大阪のサーカスを拠点に生まれた人気パーティー「FULLHOUSE」や、ヨーロッパのレイヴカルチャーやクィアカルチャーからインスパイアされた「ENSITE」など若者に人気のパーティーを開いているほか、海外の新進気鋭DJアーティストを数多くブッキングしています。

ENTER（神宮前）

キャパシティ：★☆☆
音楽のジャンル：ハウス、テクノ、ヒップホップ

Image by ENTER

　2022年12月にオープンした「エンター（ENTER）」は、渋谷・神宮前のミヤシタパーク（MIYASHITA PARK）の向かいに位置。グローバル・ハーツが、「SOUND MUSEUM VISION」と「Contact」の閉店後に新たにオープンしたクラブです。ワンフロア構成で、フロアの真ん中にDJブースが設置されているため、360度どの方向からもプレイしているアーティストを見ることができます。毎週金曜日と土曜日は、朝9時までのアフターアワーズ営業をしており、営業終わりの他のクラブ関係者やスタッフ、ナイトタイムだけでは踊り足りないオーディエンスなどで朝まで賑わっています。

　20代から30代の比較的若い世代のDJを多くブッキングしており、新鮮な雰囲気のパーティーが多い印象です。また入居しているビルの上の階では、ミュージックバー「不眠遊戯 ライオン」が営業しているため、回遊して遊ぶお客さんが多いそう。「LIVING ROOM」や「松果体」、「EDGE HOUSE」 などかつてContactやVISIONで開催していたパーティーも引き継いで開催しています。

翠月 -MITSUKI-（渋谷）

Image by 翠月

キャパシティ：★☆☆
音楽のジャンル：ニューディスコ、テクノ、ハウス

　「翠月 -MITSUKI-」は、2019年7月にオープン。京王井の頭線の神泉駅が近く、道玄坂の上の方に店舗を構えます。地下に続く階段を下ってフロアへ入るとオレンジ色の照明に照らされ、DJブースの両脇には一年に一度一晩しか咲かない花と言われている月下美人が飾られています。同店は、ラッパーのリュウゾウ（RYUZO）がプロデュースし、アートディレクションと内装デザインは、自身もDJとして活動するアーティストYOSHIROTTENが手掛けました。

　ファッションに敏感な若者たちが訪れ、DJブースの目の前で爆踊りしているストイックなオーディエンスが多い印象。国内外のディープなアーティストを多数ブッキングし、ダンスミュージックラバーたちを虜にするパーティーを多く開催しています。これまでには、ジュエリーブランド「リーフェ ジュエリー（RIEFE JEWELLERY）」の主催パーティーや、原宿にある古着屋「ダミット（DAMMIT）」のアニバーサリーパーティーなどを行っています。

SALOON（代官山）

Image by saloon

キャパシティ：★☆☆
音楽のジャンル：ハウス、テクノがメイン

　「サルーン（SALOON）」は、音楽複合施設「代官山UNIT」の地下3階に位置。フロアの天井は高く、大きくクラシックなシャンデリアが吊るされておりファッショナブルなフロアを演出します。フロアとバーカウンターが分かれており、フロアのライティングは暗めにされているので音楽に集中して楽しむことができます。また、バーカウンターの前にはソファやテーブルが用意されているため、座ってドリンクや会話を楽しめる自由な空間はサルーンならでは。

　パーティーを開催する年代も音楽のジャンルも幅広く、日によって違った雰囲気を味わうことができます。上階にあるUNITと連携してファッションブランドのパーティーが開催されたり、著名なDJやアーティストが出演することも。これまでには、世界で活躍しているDJ NobuとHarukaがオーガナイザーを務めるパーティー「FUTURE TERROR」を開催。この「FUTURE TERROR」には、筆者も参戦しましたが大盛況を見せており、朝方にも関わらずサルーンのメインフロアに入れなかったことを覚えています。

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