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ミュシャはどうしてこんなに日本で人気?ミュシャのひ孫に聞く

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ミュシャはどうしてこんなに日本で人気?ミュシャのひ孫に聞く

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 マッシュスタイルラボから、ミュシャ財団初の公認ブランド「ミュシャ(MUCHA)」がデビュー。9月7日に国内1号店となるルミネ有楽町店ルミネ1店を、10月17日には2号店を京都高島屋S.C. T8にオープンする。同ブランドの立ち上がりを記念して、芸術家アルフォンス・ミュシャのひ孫で、ミュシャ財団のエグゼクティブディレクターのマーカス・ミュシャ氏が来日。なぜこれほどまでに日本でミュシャの作品は愛され続けているのかを探った。

 新ブランド「ミュシャ(MUCHA)」は、コロナ禍の2021年に本格的な企画がスタート。同社が運営する「ジェラート ピケ(gelato pique)」が、2019年に発売したコラボコレクションの好評を受け、独立したブランドとしての立ち上げに踏み切った。2022年にはミュシャ財団にプレゼンテーションを行い、パートナーシップ契約を締結。世界初の財団公認ブランドが誕生した。マーカス・ミュシャ氏は、同社からのプレゼンテーションを「ミュシャの作品だけではなく、ミュシャ自身のことを深く理解してくれていると感じた」と評価し「ジェラート ピケとのコラボコレクション成功も相まって、ブランド立ち上げの承認にそれほど時間は掛からなかった」と回想した。

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 同ブランドでは、ミュシャ作品から着想を得た香水(3960円〜1万5950円)やディフューザー(8800円)、ヘアミスト(5940円)、ハンドソープ(3740円)などのフレグランスアイテムを中心に、トートバッグ(3520円〜5390円)、マグカップ(6050円)、刺繍名入れサービスも提供しているハンカチーフ(3520円、刺繍サービスは550円)、フェイスタオル(4950円)、ポストカード(385円)などの雑貨を含めた全105型を展開。全て、マッシュスタイルラボのデザイナーが手掛けたオリジナルアイテムだ。同社の企画本部 新規事業準備室デザイナーの小浜萌氏は「既に多くのお客様から、特定のミュシャ作品をイメージした香水や雑貨の展開リクエストもいただく」と明かし、店頭での顧客要望を積極的に取り入れていく姿勢を示した。

数量限定のオブジェキャンドル

 「ミュシャ」プロデューサーの巻島氏は、同ブランドがフレグランス中心のアイテム展開に舵を切った理由について「コロナ禍におけるフレグランスブームに乗じたわけではない」とした上で、「1896年に世界初のスプレー型香水を発売したフレグランスショップ『ロド』のヴィジュアルを手掛けていたこと、作品コンセプトに情景を掲げていることから、時間や移ろう季節など、香りと親和性の高いアーティストと解釈した。ミュシャを軸にしたブランドを立ち上げるのであれば香水というプロダクトは必要不可欠だと考えた」とその経緯について説明した。

ロド、リリーの香りが人気。

 実際に「蘇る情景を身に纏う。」をコンセプトに、ミュシャの作品から着想を得たフレグランスについて、マーカス・ミュシャ氏は「どれも非常にクオリティが高い」とコメント。特に「ローズ」に着目し「ミュシャが実際にアトリエを構えていたパリのヴァル・ド・グラースの庭に咲いていた薔薇の香りに似ている」と話した。売り上げも好調で、連作「四つの花」から生まれたオードトワレ4種のミニスプレーが入ったミュージアム ボックス(9790円)は、在庫を潤沢に用意していたが3日で完売。急遽、再生産をかけたという。

 フレグランス以外の雑貨アイテムも好調だ。ジャポニズムの影響を強く受けているミュシャ作品をインスピレーション源に、日本伝統技術「米沢織」を用いたジャカードバッグ(2万4200円〜3万5200円)が好評で、先行発売をしたオンラインサイトでは1時間で完売した。人気の理由について巻島氏は「ミュシャの作品を使用しながらも、アートを日常に取り入れやすいデザインにすることで『通勤に使用できる』と購入に繋がっており、有楽町という街との相性も良い」と分析した。

 実店舗オープンから約1ヶ月あまりながら、順調に売り上げを伸ばしている背景には、根強い日本でのミュシャ作品人気がある。マーカス・ミュシャ氏は、「世界規模でみても日本でのミュシャの人気は目を見張るものがある」とし、その理由について「ミュシャ自身が自然の多い場所で生まれ育ち、そこで幼少期を過ごしたことが関係しているのでは」と独自の見解を示した。

「ミュシャ自身も、チェコの田舎で、自然が多いところで幼少期を過ごしました。日本は、八百万神や森羅万象といった、自然に対して尊ぶ気持ちが土着的に根付いていると言えるでしょう。どちらも、潜在的に自然を深く愛するという点で親和性が高いのではないでしょうか」
ーミュシャ財団 エグゼクティブディレクター マーカス・ミュシャ氏

マーカス・ミュシャ氏

 ミュシャ財団は、ミュシャの生まれ故郷でもあるチェコ プラハへの出店も前向きで、巻島氏も「ミュシャが影響を受けた日本から世界に広まっていくのは光栄なこと」と将来的な海外進出に意欲をみせ「日本中のミュシャファンが実際にアイテムを手に取る機会を増やしたい」と全国展開に向けての展望を明かした。

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