「MAN vintage」オーナー 萬波ユカ ※展開商品は4月30日時点のもの
Image by: FASHIONSNAP
ラグジュアリーブランドのランウェイや、広告ヴィジュアルに出演するなど、ファッションシーンの一線で活躍するトップモデル 萬波ユカ。彼女が手掛ける古着屋「MAN vintage」が今年5月、代々木八幡に移転リニューアルオープンしました。大のヴィンテージ好きとして知られる萬波さんのこだわりが詰まった新生「MAN vintage」を訪問し、店作りへの思いや古着の魅力についてお話を伺いました。
MAN vintageは、品川区荏原に構える「same gallery」内に2021年8月にオープン。萬波さんにとって「10年来の夢」だった古着屋には、海外での仕事の合間を縫って買い付けた個性的なウェアやアクセサリーと、ショップの開業のために10年間集め続けたという一つ一つ思い入れのあるアイテムが揃います。
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移転後の新店舗は、代々木八幡駅から徒歩1分程のビルの2階フロアに入居。営業は基本的に金曜から火曜までで、今後はナイトマーケットなどさまざまなイベントを企画していくそう。アイテムを買い付ける地域は主にアメリカ、カナダ、ヨーロッパ。店内には色彩豊かなロングドレスやローブ、ユニークなアニメTシャツ、ブランド古着、ラグ、雑貨など多岐にわたるアイテムを展開し、メンズアイテムも取り扱っています。
生粋の古着ラバー 萬波ユカに聞く13の質問
ー「MAN vintage」のショップコンセプトは?
"雑多が調和する"お店を目指しました。私ひとりで成り立っているものは何一つないショップなので、関わってくれた方々の思いが込もったアイテムたちが店内に並んでいるのを見ると、何だかほっとした気持ちになりますね。
ー移転前の店舗からアップデートしたポイントは?
前回のお店はあくまで間借りのような形だったので、その場にあるものに自分たちのエッセンスを加えていく、といった感じでした。今回も建物が持つ元々ある要素を活かすという部分は変わらないのですが、什器はデザイナーさんと相談しながら一から作るなど、居抜きの箱のデザインと調和しながら、ゆっくりと落ち着けるような雰囲気を目指しました。
ー移転場所として、代々木八幡を選んだ理由について教えてください。
ニューヨークから帰国し、昨年オープンに踏み切ったMAN vintageは、コロナ禍ということもあり、当初オープンしようと思っていた場所が使えなくなってしまったんですが、そんな中、ご縁があって「same gallery」内にオープンさせてもらいました。あくまでもテンポラリーな状況だったので、ずっと常設ができる場所を探していたんです。「絶対にこのエリアがいい!」ということではなかったのですが、今回もまたご縁があり理想の場所に出逢うことができました。
ー「MAN vintage」のチーム構成は?
私と店長の菊谷の2人を中心としたチームで動いています。あとは、お手伝いをしてくれる方々が何人か。そろそろアルバイトの募集をかけたいと考えているところです。
ー萬波さんが店頭に立つことはありますか?
私自身、時々お店の様子を見に行くことはありますね。そのタイミングにいらっしゃっているお客さまには、商品の思い出話をついつい語ってしまうことがあります。
ーヴィンテージを買い付ける際、アイテムを選ぶ基準や大切にしていることはありますか?
「私が着たい!着られないけど絶対に手元に置いておきたい!」と、直感でアイテムを選ぶようにしています。デザインや手触りの良さももちろん大切ですが、ちょっとしたダメージのあるアイテムも魅力的です。例えば、アイテムのダメージを見た瞬間、「味があるアイテムだなあ」「自分でちょっと繕って愛着に変えちゃおう!」なんてことをあれこれ思いを巡らせことができるアイテムは、すかさずピックしてしまいますね。
あと、購入された方にとってより思い入れのあるものになって欲しいので、できるだけそのアイテムに関する思い出はお伝え出来るようにしたいと思っています。ちょっと誰かにエピソードを語りたくなるような、身につけていて気分の上がるものを選ぶことを心掛けています。
ー買い付けるアイテムのデザインに傾向はありますか?
職人技が光る手の込んだアイテムが大好きなので、今回、手刺繍の施されたローブはいくつかピックしました。中国で作られたローブや、着物を海外に広めるために海外向けにデザインされた"KIMONOローブ"を逆輸入したり。シルク生地に美しい彩りの花や鳥が描かれたローブを買い付けたのですが、その繊細かつ緻密なデザインにうっとり....時間を忘れてずっと眺めてしまいました。(※展開商品は取材時点のもの)
店内の様子
Image by: FASHIONSNAP
ーモデル、古着屋オーナーと二足のわらじで仕事をする中で、新しい発見や気付きはありましたか?
ブランドの知識がほぼ無かった10年前、沢山の古着の中から、何となく惹かれて購入した1着が、実は年代物のラグジュアリーブランドのものだったということに、最近になって気付くということがありました。今ではその逆のことが増えてきて、「なるほど、さすが縫製が綺麗だな」「この時期のタグはこういうデザインだったのか!」といった発見があったり。
モデルのお仕事を通じて沢山の上質な服を着る機会を頂いたからこそ、人が無意識に素敵だなと感じられるものや、タイムレスに愛されるデザインを発掘する目利きは、昔の自分よりも上手くなったのではないかと感じています。
ー今後も海外を拠点に活動される予定ですか?
はい、日本と海外を行き来する生活はこれからもしばらく変わらないと思いますが、古着屋はライフワークとしてずっと続けていきたいです。お仕事を頂いてさまざまな場所に飛んでいき、合間を見つけて買い付けて、日本に戻った際にはお店のお手入れをする、という生活を続けていけたらと考えています。
ー将来的に、古着の買い付けに行ってみたい国や地域は?
ヨーロッパには2年程訪れていないので、ロンドン、ミラノ、パリをまわりたいです。何だかファッションウィークみたいな並びですね。
ー萬波さんにとって、ヴィンテージの魅力とは?
高校で出会った友達がとってもお洒落で、その子のお下がりをもらったのが、ヴィンテージに目覚めたきっかけでした。古着にはヴィンテージならではの魅力があって、そして誰かにずっと大切にされてきたからこそ今現在まで存在しているもの。身につけていてイケてないわけがない。その魅力に存分にあやかれるところが大好きです。
ー私物の中で、特に大切にしているヴィンテージアイテムは?
うーん、どれも大切なコレクションなので1つに絞るのは難しいですね…。古いシルクやビジューのついたアイテムは身に着けたり日光に晒すと崩れてしまうものもあるので、そういったものはたまにコレクションから引っ張り出して。お気に入りのアイテムを部屋に飾っては、眺めてにやついています。
ー今後の「MAN vintage」の展望を教えてください。
コロナ禍にオープンしたMAN vintageは10年間構想を練り、長年の友人と満を持してはじめたプロジェクトで、場所を変えながら流動的に展開しています。また私が拠点のアメリカへと戻ったり、店長がカナダに戻ったりと先が読めない部分は多いのですが、これからどんな事があっても初心である「ものを売る、というよりお譲りする」といった心持ちを大切に、柔軟に細く長く続けていきたいなと思っています。今回、念願の常設店を構えることが出来たので、少しチームを大きくしたいとも考えています。
MAN vintageは皆さまがふらりと立ち寄り、ゆっくりお喋り出来るような空間になっています。私たちのお店で出会ったアイテムとエピソードを持ち帰り、たまに眺めて、身に着けて、じっくり楽しんでもらえることが、この上ない喜びです。
(聞き手:長岡 史織)
■MAN vintage
住所:東京都渋谷区元代々木町4-6 TMKビル 2階
営業時間:金曜日〜火曜日 13:00〜19:00
※混雑時は整理券の配布を行う場合あり。
※営業時間の変更や休業日等に関する情報は、「MAN vintage」のインスタグラムで随時発信。
公式インスタグラム
什器デザイン(@complex_ufs)
ラグ(@amaleh.official)
雑貨(@orchestralstudio)
アニメ Tシャツ(@yuy_igarashi)
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