大平修蔵と「ケンゾー」2024年秋冬コレクション

東洋と西洋を紡ぐ「ケンゾー」 大平修蔵がファンタジックなショーを体験

2024年秋冬コレクション in パリ

大平修蔵と「ケンゾー」2024年秋冬コレクション

大平修蔵と「ケンゾー」2024年秋冬コレクション

Image by: KENZO, Shuzo Ohira

 Nigoが手掛ける「ケンゾー(KENZO)」のショー会場周辺は、冷え込む夜にも関わらず、集まった観客の熱気とフラッシュの光に包まれていた。場所は、パリの中心部に位置するフランス国立図書館のリシュリュー館。高田賢三が1970年にブランドを立ち上げたギャラリー・ヴィヴィエンヌと同じ通り沿いに位置する。車を降りて現れたのは、日本からのゲスト大平修蔵。俳優、モデル、DJとして多彩に活動している修蔵とともに、2024年秋冬コレクションの全貌を紐解いていく。

欧州最古の公共図書館がショー会場に

 沿道を埋め尽くす一般客の歓声を浴びながら門をくぐる修蔵。敷地内に広がる庭園を歩くと、歴史ある建造物の壁に投影された「KENZO PARIS」のロゴが見えてきた。「Rue Vivienne(=ヴィヴィエンヌ通り)」の文字も添えられ、ブランドゆかりの地へのリスペクトを感じさせる。

大平修蔵

会場となった国立図書館リシュリュー館の前にて

 国立図書館リシュリュー館は、欧州最古の公共図書館のひとつ。象徴的な楕円形のオーバルルームへと足を踏み入れると、その広大さと美しい装飾に思わず感嘆の声が上がる。蔵書は約2万点で、誰でも無料で利用することができる、開かれた図書館なのだそうだ。

国立図書館リシュリュー館 オーバルルーム

国立図書館リシュリュー館 オーバルルーム

Image by: KENZO

 今回のショーの招待状も書籍を模っていて、小脇に抱えて来場するゲストも多かった。

 Nigoと交流のあるセレブリティを含め、多彩なゲストが続々と来場。世界のコミュニティとつながりを持つ修蔵は、ゲスト陣の多彩さに驚き「Nigoさんとケンゾーが支持されているのを感じますね」と頷く。その中には、Nigoと親交の深いファレル・ウィリアムスの姿もあった。

米ラッパー クエヴォ(Quavo)と大平修蔵

米ラッパー クエヴォ(Quavo)とともに

ゲストとして訪れたファレル・ウィリアムス ファミリー

ゲストとして訪れたファレル・ウィリアムス ファミリー

Image by: KENZO

西洋から東洋へ ファンタジックな融合

 ショーが始まるとブルーの照明がドーム型の天井を照らし、まるでプラネタリウムのようなムードに。今シーズンNigoは「KENZO MAGIC GALAXY」と題し、西洋から東洋へ紡がれた普遍のワードローブをファンタジックな世界観で発表した。映画監督ジョージ・ルーカスが黒澤明のサムライ映画にインスパイアされて創り上げたというSF作品「スター・ウォーズ」になぞらえているという。(スター・ウォーズはNigoが最も愛する作品でもある)

 モデルたちは、歴史的な書物に囲まれた空間で、閲覧机の間を縫うようにして歩く。日本古来の格子柄をモダンにアレンジしたテーラードスタイルにはじまり、西洋の実用的なウェアや軍用のワードローブに、日本の伝統に根ざしたシルエットやディテールを融合。サムライの羽織風のフォルムや、江戸時代の火消し袢纏(ひけしばんてん)から引用したモチーフなどが取り入れられている。

Image by: KENZO

Image by: KENZO

Image by: KENZO

Image by: KENZO

唐草模様をエレガントに

 ウィメンズウェアは彫刻的なシルエットが印象的で、柔道着の帯を連想させるベルトがアクセントに。唐草模様とマーガレットのモチーフを組み合わせてエレガントにアレンジしたり、スペーシーなメタリックのウェアを重ね着するなど、伝統的な要素を取り入れながらも新鮮なスタイルを作り上げている。唐草模様は、そのルーツを辿る風呂敷バッグにも用いられた。

Image by: KENZO

Image by: KENZO

Image by: KENZO

Image by: KENZO

Image by: KENZO

学ランの思い出 坂本龍一と高橋幸宏へのオマージュ

 詰襟の学ラン風スーツはキールックのひとつで、様々な素材で提案。中でも上下赤のスタイルは、2023年に逝去した坂本龍一と高橋幸宏にオマージュを捧げている。伝説的バンド「YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)」が作り上げたカルチャーやステージコスチュームとして採用していた制服が、コレクションのコンセプトと重なったという。Nigoの学生時代の思い出をなぞり、制服をカスタマイズする感覚でレターチェーンといったアクセサリーで装飾した。

Image by: KENZO

Image by: KENZO

 修蔵にとってケンゾーのショーを体験するのは3回目。「Nigoさんがケンゾーをパリで手掛けながら、日本の文化を大切にしているところに惹かれます。ケンゾーを着ると、日本人の誇りのようなものを感じますね。今回のショーはいつもよりもシックで、格好良かったです」。印象に残ったルックは、メンズの赤の学ラン風スーツと、デニムのセットアップ。いずれも今シーズンを象徴するスタイルだ。

 Nigoと同様に音楽界でも活動を広げている修蔵は、ショーミュージックに興味を惹かれたという。YMOとも共演したコーネリアスが、バンドへのオマージュとして制作したオリジナルサウンドトラックとなっている。世界各地から集ったゲストらとともに、東洋と西洋、過去と未来を結ぶ時空の旅を体験した。

KENZO 2024年秋冬

全ルックを見る

KENZO 2024年秋冬ウィメンズ&メンズコレクション

2024 AUTUMN WINTERファッションショー

photo: KENZO, Shuzo Ohira
composition & text: Chiemi Kominato (FASHIONSNAP)

JOB OPPOTUNITIES

最新の求人情報(求人一覧

求人

リテール・マーチャンダイジング・コーディネーター

パルファン・クリスチャン・ディオール

リテール・マーチャンダイジング・コーディネーター

年収

500万 〜 700万

詳細を見る

ジャーナル

女性リーダーの育成には、戦略的なソーシング、人材採用とオンボーディングプランが必要。企業の意識...

女性リーダーの育成には、戦略的なソーシング、人材採用とオンボーディングプランが必要。企業の意識...

記事を読む

求人

クライアント・ディベロップメント・マネージャー

BVLGARI

クライアント・ディベロップメント・マネージャー

詳細を見る

ジャーナル

【11/23(土)】「ARC’TERYX CLIMBING DAY」開催のお知らせ

【11/23(土)】「ARC’TERYX CLIMBING DAY」開催のお知らせ

記事を読む

ジャーナル

「人との繋がり」が何よりも大切。楽天イーグルス森井社長が語る仕事の心得

「人との繋がり」が何よりも大切。楽天イーグルス森井社長が語る仕事の心得

記事を読む

ジャーナル

【イベントレポート】BVLGARI名古屋の現役スタッフが語るラグジュアリービジネスの魅力

【イベントレポート】BVLGARI名古屋の現役スタッフが語るラグジュアリービジネスの魅力

記事を読む

コラボパートナーの募集情報
コラボ募集一覧

コラボ

【いろはグランホテル松本駅前】コラボパートナーになってホテル...

IROHA GRAND HOTEL 【いろはグランホテル松本駅前】コラボパートナーになってホテル...

詳細を見る

コラボ

”水辺の宿場町”をデザインコンセプトとするアートホテル「東京ベイ潮見...

東京ベイ潮見プリンスホテル ”水辺の宿場町”をデザインコンセプトとするアートホテル「東京ベイ潮見...

詳細を見る

コラボ

ドイツ腕時計ブランドの"ZEPPELIN"とのコラボレーションウォッチパートナ...

ZEPPELIN ドイツ腕時計ブランドの"ZEPPELIN"とのコラボレーションウォッチパートナ...

詳細を見る

コラボ

自治体の枠にとらわれない幅広いコラボ実績をもつ「サガプライズ!」とのコラボレーシ...

サガプライズ! 自治体の枠にとらわれない幅広いコラボ実績をもつ「サガプライズ!」とのコラボレーシ...

詳細を見る

Powered by