「ジョン ローレンス サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)」が東京で発表した2022年春夏コレクションのタイトルは「MAD MUD」。デザイナー柳川荒士が、映画「アメリカン・サイコ」や、コンゴ出身のアーティストであるオリヴィエ・デ・サガザン(Olivier de Sagazan)の作品など"エクストリームな人間像"から着想を得たルックを披露した。
ショー会場は、新木場のTerminal STUDIO。ロンドンファッションウィークの公式スケジュールに合わせ、ランウェイショーの模様をライブで配信し新作を発表。ロサンゼルスを拠点に活動するデュオバンド「ヴァウズ(VOWWS)」が音楽を手掛けた。
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狂気的な美を内包するテーラード
コレクションのメインとなるのはブランドのシグネチャーであるテーラード。着想となった「アメリカン・サイコ」は80年代調のクラシカルなスーツスタイルの着こなしでも知られる映画で、狂気を内に秘めたサイコキラーが主人公。また、もうひとつの着想源であるオリヴィエ・デ・サガザンは、泥を粘土のように頭部や身体に塗りたくり、人体変容させる衝撃的な作品で知られているアーティスト。作品に登場する男性のスーツと泥の融合に着目した。柳川は今回、狂気的な人間美を内包する超人的な表現の作品をアイデアソースに、テーラードの進化を試みたという。
フェティッシュなカットアウト
ショーの序盤に登場した9体はホワイトを基調としたスタイル。ウエストや腿の両サイドが抉られたようにカットアウトされていたり、超短丈のジャケット、拘束具を連想させるシャツなど、フェティッシュな要素が随所に見られる。またその逆で、身体のシェイプと反した平面的なコートも登場した。
スーツだけではなくロングスカートやピンヒールシューズまで、男女のモデルが性別の隔てなく着用。右脚がパンツで左脚がミニスカートといった、アンドロジナス的なデザインも特徴的だった。
サイコキラーのスーツスタイル
中盤は泥で染めたようなベージュやブラウン、そして鮮やかな赤が差し込まれ、血飛沫を浴びたように見えるグラフィック柄のコートも目を引いた。
モデルのSenが着用していたストライプ柄のスーツにレインコートをまとったスタイルは、まさに「アメリカン・サイコ」の主人公パトリック・ベイトマンが殺人に手を染めた時の姿そのもの。青白いメイクや、後半に登場したモデルたちの複雑に絡んだヘッドピースも相まって、マッドな雰囲気を放っていた。
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