「エルメス(HERMÈS)」が、シアター型イベント「エルメスシアター『LA FABRIQUE DE LA LÉGÈRETÉ ― 軽やかさの工房』」を6月21日まで東京ミッドタウン・ホールで開催する。このイベントは、メゾンの2022年の年間テーマである「もっと軽やかに」を表現したもの。詩と映像で「ペガサスと6つの軽やかさを探す旅」を綴ったスペクタクルで、一般公開は今回が世界初となる。プレビューに集まった報道陣をあっと言わせた、新感覚のステージを紹介しよう。
会場には6つのセットが設置されており、そこで繰り広げられるパフォーマンスのライブ映像が、上部に設置されたスクリーンに映し出されるという仕掛け。精巧なジオラマや小道具、照明、スモーク、そしてダンサーたちの演技が組み合わされ、カメラがその動きを捉えていく様は、まるで映画の制作現場のようだ。1幕ごとに観客が次のセットに移動する流れも、「次は何が起こるのか」という期待を掻き立てる。
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2匹の馬のパペットが見せるトリックアートや、大小のバッグ「ケリー」が歌うコミカルなオペラなど、「エルメス」らしい遊び心あふれる構成に。このユニークな作品を生み出したのは、ジャコ・ヴァン・ドルマル(Jaco Van Dormael)。「神様メール」(2015年)などを代表作に持つベルギーの映画監督・演出家だが、オペラやバンド・デシネ(フランス語圏のコミック)、舞台公演など幅広い分野で才能を発揮している。ジャンルの垣根を超えたファンタジックな演出は、ドルマルの真骨頂とも言えよう。
エルメスシアター「軽やかさの工房」
Image by: ©Nacása & Partners Inc.
また、軽やかな動きを振り付けたのは、ダンス・カンパニー「ローザス(Rosas)」の創立メンバーでもある振付家ミシェル・アンヌ・ドゥ・メイ(Michèle Anne De Mey)。レザーを縫い合わせる手の繊細さや、カレの縁を丸める手のしなやかさなど、エルメスの職人の手しぐさをも彷彿とさせる。演じたのは、彼女が率いるコンテンポラリーダンスカンパニー「アストラガル(Astragales)」のメンバー。デジタル技術を巧みに取り入れ、宙に浮かび上がった恋人同士が無重力で踊るシーンなどを表現した。
エルメス一族の6代目であり、メゾンのアーティスティック・ディレクターを務めるピエール=アレクシィ・デュマ(Pierre-Alexis Dumas)が「世界中で日本の人たちが一番、エルメスの紡ぐ夢や手仕事の情熱を分かってくれる」と開催を後押ししたという、今回の演目。6月21日までの全公演は、予約開始からすぐにほぼ満枠となったほどの人気。体験した人の心を軽やかにしてくれる、夢のような舞台となった。
■LA FABRIQUE DE LA LÉGÈRETÉ ― 軽やかさの工房
会期:2022年6月21日(火)まで
※6月14日(火)休
時間:13:30/15:15/17:30/19:15(1日4回入替制)
会場:六本木 東京ミッドタウン・ホール
住所:東京都港区赤坂9-7-2
公式サイト
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