
Image by: FASHIONSNAP
国内最大級のクリエイティブの祭典「東京クリエイティブサロン2025(以下、TCS)」が開幕した。今年は丸の内、日本橋、銀座、有楽町、赤坂、六本木、渋谷、原宿、新宿、羽田の都内10エリアを舞台に、3月23日までの11日間開催する。
開幕当日の3月13日には、メイン会場である東急プラザ原宿「ハラカド」4階 ハラッパでオープニングイベントを兼ねた関係者向けの説明会を実施。TCSの実行委員会の廣内武会長と大西洋副会長をはじめ、パノラマティクス主宰でTCSの統括クリエイティブディレクターの齋藤精一や統括共創ディレクターの浜野良太が登壇し、今年の取り組みについて説明した。
TCSは、「東京を世界有数のファッションとデザインの都市に、そして世界一のクリエイティブな都市にする」というテーマのもと、2020年にスタート。「日本の創造力をより良い世界へとつなげること」をミッションに、地域や民間企業が連携し、ファッション、 アート、音楽、カルチャーの発信を通して、「伝統をつないできた技」「新技術(デジタル・サステナビリティ)」「日常に新しい視点を加えたアイデア」を世界に届け、東京の価値向上を目指している。
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TCS2025のメインヴィジュアル
Image by: 東京クリエイティブサロン実行委員会
2025年のテーマは、「QUEST|さがそう〜創造性・美意識の探求〜」。日本が誇る知恵や技術、美意識を「再発見し、再定義」することを目的に掲げ、120を超える多様なプロジェクトを展開する。2025年は昨年の約120万人を上回る150万人の動員を目指すという。
今回は、TCS初の総合拠点として「QUEST BASE」をハラカド4階のハラッパに設置。会場では、都内10エリアそれぞれの多彩なコンテンツや作品の一部を展示しており、祭典全体の“目次”として位置付ける。また、今年初の取り組みとして、新たな才能を発掘すべく実施したクリエイターのコンテスト「TCS Open Call 2025」の受賞作品を展示。加えて、東京都主催の学生向けファッションコンクール「Next Fashion Designer of Tokyo」(以下、NFDT)と日本独自の文化や伝統を現代のファッションの力により新たな形で世界に発信していく「Sustainable Fashion Design Award」(以下、SFDA)の受賞作品や、日伊の若手デザイナーと国内産地の尾州・福山との共創プロジェクトによる作品なども展示している。






































「QUEST BASE」スペース内の様子














国内産地 × 若手デザイナー プロジェクトの作品展示(NFDT、SFDA受賞デザイナーらが参加)
QUEST BASEでは、原宿エリアで実施するイベント「トートバッグスタンプラリー」の参加に必要な「TCSオリジナルトートバッグ」を数量限定で配付。同バッグを対象の20ブランドのショップ店頭で提示すると、各店オリジナルデザインの限定パッチを入手できる。また、今回エリア横断企画として、テーマにちなんで各エリアに「Tokyo QUEST Gacha - AREA Edition -」を設置。検索やSNSでは知ることができない、TCS各エリアディレクターをはじめとするさまざまな人の“とっておきの東京のクリエイティブスポット”に出会えるガチャを楽しめる。














「Tokyo QUEST Gacha - AREA Edition -」
説明会に登壇した廣内会長は、「東京を“世界一のクリエイティブシティ”として確立するという目的のもとスタートしたTCSも、今年で6回目。世界的な著名性と経済効果を創出しているミラノサローネをお手本にしてきましたが、東京も伝統や文化、職人技など、世界に誇れる素晴らしいコンテンツやクリエイティブを持っており、素材から製品まで一貫して生み出せるという魅力や強みを持っています。そんな東京が持つ多様な魅力を一つにまとめて世界に発信するとともに、あらゆる年齢や立場の人々が一丸となって、これまで継承されてきた伝統や技術を未来に受け継いでいくことが、このTCSの大きなテーマだと思っています」と、開催の挨拶として同イベントの主旨を改めて紹介した。

TCS実行委員会 廣内武会長
統括クリエイティブディレクターの齋藤氏は、現在の東京の現状について「クリエイティブ5大都市と呼ばれるニューヨーク、ロンドン、パリ、ミラノ、東京の中で、東京は『最もクリエイティブな都市』の第2位に選ばれるほど世界的な注目度が高い。しかし一方で、日本人はそれに対して自信を持てていない現状がある」と説明。TCSは、その状況に対するアクションとして、日本のファッションやデザインをはじめとする「クリエイティビティ」にフォーカス。東京だけでなく日本全国の地域からコンテンツを集めて世界に向けて発信する。
「“JAPAN CREATIVE FOR BETTER WORLD(日本の創造力を、 より良い世界のために)”を究極的なゴールとして掲げ、数十年間続けていけるような強度を持ちながら、世界の都市で開催されるファッション・デザインウィークなどに劣らないものを目指していくのが大きなミッション」と話した。

TCS統括クリエイティブディレクター 齋藤精一
また、同氏はTCSの特徴として、デザイナーやアーティストのみならず、日本各地の商業施設や商店会、行政、文化施設、交通インフラ企業などがともに手を組んで発信する「共創的に作り上げる都市型イベント」であることを強調。加えて、「TCSは、ファッションやデザイン、まちづくりといった『文化』的側面はもちろん、『政治』、『経済』『地方創生』など多方面に効果があるイベント。また、エンタメ・クリエイティブ産業は、既に鉄工業や半導体産業に匹敵するほどの市場規模があり、TCSは、今後産業がさらに成長していくための一つの起爆剤にもなるのではないかと考えています」と同祭典がもたらす効果に期待を寄せた。
続いて、統括共創ディレクターの浜野氏は、TCS2025のコンテンツの中から見どころを厳選して紹介。「QUEST BASE@原宿ハラカド」や「街の特徴を活かした企画の実施」「伝統工芸 × クリエイティブ」「ファッション × クリエイティブ」「サステナブル × クリエイティブ」「TCS2025 Open Call」「国内産地 × 若手デザイナープロジェクト」「20以上のトークイベント実施」「TCSエリアでギャザリング開催」の9つを挙げた。「全10エリアで120以上のコンテンツがありますので、まずは全体の“目次”となっているハラカドで各エリアのコンテンツの概要を見ていただきながら、実際に都内各地でのさまざまな企画を楽しんでもらえたらと思います」とコメントした。

統括共創ディレクター 浜野良太
そのほか、TCSで開催するファッションショーをはじめとするファッション関連のコンテンツに関しては、今年はより一般客向けにシフト。原宿エリアクリエイティブディレクターを務めるワンオー取締役 古瀬伸一郎氏は「昨年は東京ファッションウィークとも連動しながら“BtoBtoC”的なスタンスで行っていましたが、今年はより一般の人をターゲットに、ファッションを気軽に楽しんでもらえるような企画に方向性を変えています。例えば、原宿エリアで開催するファッションショーには、昨年のFRUITS ZIPPERさんのようなエンタメ領域の方にも出演していただいたり、『トートバッグスタンプラリー』を実施するのもその一つ」と説明。また、ファッションショーでは歌舞伎ともコラボするなど、日本の伝統文化の要素も取り入れることで、インバウンド客に日本の文化を伝える機会の創出にも繋げるという。





(左から)エリア統括ディレクターの田中ヒロ、統括共創ディレクターの浜野良太、大西洋副会長、廣内武会長、統括クリエイティブディレクター 齋藤精一、渋谷エリア統括ディレクター 寄本健
photography : Momoka Omote
■Tokyo Creative Salon 2025 開催概要期間:2025年3月13日(木)〜3月23日(日)
開催エリア:丸の内、日本橋、銀座、有楽町、赤坂、六本木、渋谷、原宿、新宿、羽田
メイン会場:東急プラザ原宿「ハラカド」
主催:東京クリエイティブサロン実行委員会
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