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万年運動不足の編集者が、フルマラソンへの出走を決めて3ヶ月弱。前編では、過酷(?)なトレーニングの記録をお届けした本企画ですが、後編では、3月9日に開催された「名古屋ウィメンズマラソン」本番の模様をレポート。果たして、筆者は無事に42.195kmを完走できたのか? 大会の一部始終を、筆者の心の声とともにお届けします。
名古屋ウィメンズマラソンとは?
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今回、筆者が参加したのは、“世界最大の女子マラソン”として、ギネス世界記録にも認定されている「名古屋ウィメンズマラソン」。

名古屋ウィメンズマラソンのコースマップ
Image by: 名古屋ウィメンズマラソン
バンテリンドームナゴヤを拠点に、名古屋市博物館や大須観音、名古屋城や愛知県庁といった名所をぐるっと周回するコースで、アップダウンが少ないため、初心者でも走りやすいことで知られています。同日には、同じコースで男女混合のハーフマラソンと7kmマラソン「名古屋シティマラソン」も開催されました。
レース前日の過ごし方
今回、筆者はレース前日に現地入り!まずは会場となるバンテリンドームナゴヤで受付を済ませ、当日に着用するゼッケンを受け取ります。同会場では、大会前後のランナーを受け入れる基地として、レースを盛り上げるイベント「マラソンEXPO」が開催。会場内には、当日に向けたギアやリカバリーアイテムの販売ブースや、グルメやスイーツの飲食ブースなどが設置されており、どのブースも大盛況。早速お祭り気分を味わうことができました。
マラソンEXPOの様子。大会当日を含む3月7〜9日の3日間の開催で、来場者はなんと10万人超え。 Video by FASHIONSNAP
会場には、ランナーが大会に向けた“宣言”を書くことができる「デクレアウォール(Declare Wall)」が出現。ランナーによる意気込みや、会場に駆けつけた人による応援メッセージが壁一面に貼り出される様は圧巻です。もちろん、筆者もしっかり記入しました。








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そのあとはぐるっと会場を周りながら、買い物を楽しみます。この日の戦利品はこちら。

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普段はスマホ片手に身軽なランニングを楽しんでいる筆者ですが、フルマラソンは数時間にわたる長き戦い。距離の長さに比例して荷物も増えるので、ニューバランスのブースでポーチを調達しました。ポーチの中に忍ばせておくのは、走行中のエネルギー補給に欠かせないエナジージェル。マラソン走行中、給水は頻繁にありますが、給食はまばら。名古屋ウィメンズマラソンでは、20kmを超えるまで給食がないとの情報を耳にしていた筆者は、当日のために販売されていた「マラソン完走セット」を購入。念のため、少し多めにストックしておくことにしました。ちなみに、マラソンにおいてアミノ酸をはじめとしたエネルギー補給は必要不可欠。ブースはエナジージェルを求めるランナーで人だかりができていました。
シェイクアウトランでウォーミングアップ
マラソンEXPOを後にしたら、当日に向けたウォーミングアップとして、一緒に出走するランナーと一緒に“シェイクアウトラン”(本番前日の体を起こすことを目的としたゆっくりとしたペースでのラン)に繰り出します。走ったのは、ヒルトン名古屋からミライタワーまでを往復する約3キロのコース。会話を楽しみながら、名古屋の街を堪能することができました。

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ランを終えたら、ストレッチをして、ニューバランス主催の決起集会「マラソンイブセレモニー」へ。管理栄養士が監修した「カーボローディング*」を取り入れられるディナーをビュッフェ形式で堪能しました。








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*「カーボローディング」とは、フルマラソンのような長時間の運動に備えて、体内にエネルギーを蓄える食事方法。マラソン当日の3日前から糖質の摂取量を通常の約1.5倍に増やすことで、レース終盤のスタミナ切れを防ぐことができるのだそう。
19時にはセレモニーを終え、宿泊するホテルへ移動。マラソンランナーたるもの、睡眠不足は禁物なので、少し早めに帰路に着きます。「いよいよ明日か」という気持ちと「本当に明日、42.195kmを走るのか?」という浮ついた気持ちが交互にやってきて、なんとなく浮世離れした気分のまま、23時には就寝しました。
いざ、レース本番へ
いよいよ、当日の朝がやってきました。この日は9時10分の出走に向け、6時30分にはホテルを出発。マラソンランナーの朝は早いのです。管理栄養士の方から頂いた以下のアドバイスをもとに朝食や水分補給を済ませ、会場に向かいます。
- 朝食は、スタート前最後の糖質(エネルギー)補給のチャンス。
- スタートの3時間前までに朝食を済ませる。
- スタートの2時間前までに水分補給を済ませる。(目安は300〜500ml)
会場に着いたら、コーチの指導のもと、ストレッチをして体をほぐします。待機中、たくさんのランナーを目の当たりにして、ようやく当日の実感が湧き始めました。











コーチの指導のもと、ストレッチで体をほぐします。
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そしてついに、スタート!ここからは、各区間ごとに本番の模様を振り返ります。果たして、筆者は無事に完走することができたのでしょうか。

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1〜10km
今回、ニューバランスの団体枠で出走した筆者は、サブ4(4時間切り)のタイムを持つランナーに振り分けられる「B」の位置でスタート。* ここで筆者が心に決めたのは、自分のペースを崩さないこと。「Bでスタートできる人は自分とは別次元にいるのだ」という自覚を持ち、そのテンポに気圧されることのないよう、自分にとって心地の良いペースで走ることだけを考えて前に進みます。後ろからどんどん抜かれながらも、沿道で応援してくれる人とハイタッチをしたり、手を振ったりしながら、あっという間に10km地点に到達。過去一と言っても過言ではないほど快調な走りで、この時点では「このまま最後まで行けたらいいな〜」とゆるく考えていました。
*フルマラソンでは、エントリー時に過去に出走した際の実績タイムで申請を行い、その実力に伴ってスタート地点が決まります。ちなみに、マラソン用語で、フルマラソン完走タイムを「サブ〇〇」と略します。例えば、4時間切りなら「サブ4」、3時間30分切りなら「サブ3.5」、2時間50分切りなら「サブエガ(江頭2:50に由来)」...といった具合に、ランナーの共通言語として用いられ、目標設定の指標にもなっています。
10〜15km
調子の良かった10km地点を越え、13kmを過ぎたあたりから、明らかに疲労を感じ始めます。それもそのはず、筆者が練習で走った距離は最大10km強。初めての距離に体がびっくりしているのを感じます。ただ、ここで調子を崩してしまっては元の木阿弥。なるべくこれまでのペースを崩さないように走り続けます。

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15〜20km
引き続き感じる足の疲労感により走り続けるのがキツくなってきた時、助け舟が。トイレです。「一旦休憩したい」というマラソンランナーらしからぬ弱音が頭をよぎりトイレに向かうと、かなりの行列。並ぶことで必然的に休憩でき、体力の回復に成功しました。しかし、立ち止まったことで、これまでに感じたことのない足の疲労感と痛みを実感。「今の時点でこんなに足が痛いのに完走できるのか...?」という漠然とした不安に駆られますが、走って走って、時々歩いて、また走って、を繰り返し、前に進みます。
ちなみに、ここまでは、イヤホンから小さく音楽を流しながら沿道の声援を楽しんでいましたが、ここからは道のりの長さを誤魔化すためにポッドキャストを聴き始めます。お供してくれたのは、永野さんのオールナイトニッポンPodcast。ストイックさのないゆるい雑談のおかげで、自然と頬が緩み、足取りも軽くなりました。
20〜25km
引き続き、しんどい時間が続きますが、永野さんのおかげで笑顔を絶やすことなく走り続けていた頃、同じコースで開催されているハーフマラソン「名古屋シティマラソン」のゴール地点が見えてきました。ゴール目前でレーンが分けられるので、次々とレースを終えていくランナーたちの姿を横目に、「ついに半分まで来たんだ」という感動に包まれます。

ハーフマラソンのゴール地点
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そして、22kmを過ぎた地点で初のエイド(給食)にありつけました!「名古屋ひつまぶしあられ」です。フルマラソンでは、その土地にちなんだエイドが楽しみの一つ。大会によって個性が出るので、同じ42.195kmでも、内容が異なるのが味わい深いです。

Image by: FASHIONSNAP
25〜30km
30kmを目前に集中力が切れはじめた頃、向かい風に襲われ、メンタルがボロボロに。ちょうど沿道の人も少なくなる区間で、孤独との戦いでした。「風さえ止んでくれれば...」と半泣きで走り続けていたそのとき、ごみ回収のボランティアの方から「がんばれ」のエールが。この一言でメンタルが復活。応援の力ってすごいですね。「あと約10km」を心の中で唱えながら、前へ前へと足を進めます。
そして、ここで2つ目のエイド、つぶあんぱんに遭遇。あんぱんの甘さが疲れた体に染み渡り、身体にパワーがみなぎります。食の大切さを心の底から噛み締めた瞬間でした。
30〜35km
残り10km!ギアが上がるかと思いきや、どんどん蓄積される疲労を無視できず、何度も歩いてしまいます。自分の甘さが憎い...。33km地点では、今回の出走をサポートしてくれたニューバランスチームとカメラマンが待機してくれていて、名前を呼んでエールを送ってくれました。身体は既に限界。涙が出そうになりましたが、ここはまだゴールではない!と、気を引き締めて前に進みます。








レース終盤では、沿道の応援が大きな力になります。
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35〜42.195km
遂に最後の区間!ここで足の痛みが限界に。残り少ないからこそスピードを上げて走り抜けたい気持ちはありますが、そんな気持ちとは裏腹に、足が全く上がってくれません。残り5kmは、ほとんど走れませんでした。歩きながら「あの信号までは頑張って走ろう」といった具合に、目標地点を決めて走ります。1kmの間隔がどんどん伸びているような感覚に襲われ、苛立ちすら覚えますが、進まなくては終われません。半分ヤケになりながら、歯を食いしばってゴールを目指します。
歩いて歩いて、たまに走って、また歩いてを繰り返して、ようやくゴール地点のバンテリンドームナゴヤが目の前に。ゴールに近づくにつれて増えていく沿道の人々とハイタッチを交わしながら、最後のもうひと踏ん張りで駆け抜けます。「GOAL」の文字を見た瞬間、涙が溢れそうになりますが、なんとか堪えてゴール!

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タイムは6時間28分48秒。制限時間(6時間55分)ギリギリですが、完走は完走です。やりました!!
42.195kmを終えて
無事に完走し、得も言われぬ達成感に包まれながら終えた42.195km。半分ノリと勢いで始めた挑戦でしたが、今では完全にランナーとしての自覚が芽生え、歩かずに走りきれなかったことへの悔しさすら感じています。
ちなみに、完走直後から丸2日は、筋肉痛と疲労感でまともに歩けませんでした。しかし、そんな痛みもランナーの勲章。今回の挑戦を通して何よりも感じたのは、自分らしく走ることの楽しさ。ニューバランスが掲げるスローガン「Run Your Way」の通り、走る理由も目的も、人それぞれ。筆者は今回、目標タイムを決めず、とにかく完走だけを目指して突っ走ってきましたが、だからこそリラックスして走り切ることができました。

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そして最後に、筆者自身も、走り切るまで不安だった本企画タイトルへの回答です。初心者でも、フルマラソンは完走できます!
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