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ビューティ業界が女性たちのためにできることは? 「ランコム」がデジタルスキル向上のプログラムを開始

ランコム Write Her Future

第2回オンライントークセッションの様子(中央から)実業家 ハヤカワ五味、NPO法人ハナラボ代表理事 森下晶代

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ランコム Write Her Future

第2回オンライントークセッションの様子(中央から)実業家 ハヤカワ五味、NPO法人ハナラボ代表理事 森下晶代

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ビューティ業界が女性たちのためにできることは? 「ランコム」がデジタルスキル向上のプログラムを開始

ランコム Write Her Future

第2回オンライントークセッションの様子(中央から)実業家 ハヤカワ五味、NPO法人ハナラボ代表理事 森下晶代

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 「ランコム(LANCÔME)」が今秋、日本女性のデジタルリテラシーを高め、活躍の場を広げるための支援プロジェクト「Write Her Future(女性たちが綴る未来)」(以下、WHF)を始動した。同プロジェクトはランコムがグローバルで展開しており、各国では女性の識字(リテラシー)率向上を目指す取り組みを進める中、日本は唯一デジタルスキルにフォーカスしている。就業者、消費者ともに女性が大半を占める化粧品業界において、女性をサポートするプロジェクトに、どのように気持ちで取り組んでいるのか。プロジェクトを担当するランコムのシニアコミュニケーションスペシャリスト 中別府慧理に話を聞いた。

ーランコムでは、これまでも様々な支援活動を行っている。

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 ブランドのミッションに「ポジティブビューティ」を掲げていて、より多くの女性が自信を持ち幸せな未来を切り拓いていくことをサポートしている。東日本大震災後は石巻市で女性による起業などの自立を促したり、コロナ禍では医療従事者の方々に製品を寄付したりと、困難に見舞われた人たちのサポートに取り組んできた。一過性のものではなく、持続可能性というのも理念の一つ。未来につながる支援の方法を模索してきた。

NPO石巻復興支援ネットワークとの協働プログラムの修了式の様子(2018年)

ー今回のプロジェクトが始動した経緯は?

 今年3月から、グローバルでサステナビリティプログラム 「Caring Together for a Happier Tomorrow(より幸せな明日へ共にケアを)」を推進しており、大きなテーマとして「幸福で、かつ持続可能な未来を目指す」のが目標だ。WHFもこのプログラムの一環で、グローバルでは2017年に始まった。日本においては女性のデジタルスキル不足という社会課題に注目し、日本の女性が自信を持って前向きに未来へ向き合えるよう支援するプロジェクトとして、今年の9月に日本版WHFをスタートさせた。

ー日本ではデジタルスキルに特化したプログラムを推進する。

 日本では識字率は高い水準にあるため、そこから一歩踏み込み、デジタルスキルにフォーカスすることにした。これはグローバルの中でも唯一の取り組みだ。IT関連産業は今後需要が高まるとされているが、現時点で就業している女性の比率は13%(「IT 人材白書 2017」独立行政法人情報処理推進機構)しかいない。さらに、日本全体においてはデジタル競争力が主要64ヶ国中28位(世界デジタル競争力ランキング 2021 IMD)と高い水準ではないということが分かる。Z世代(18〜26歳)の400人を対象にしたランコム独自の調査では、デジタルリテラシーについて「自信がない」人が65%だった一方で、「学びたい」と考える人は71%もいた。デジタルネイティブと呼ばれる世代でさえ、デジタルスキルに興味はあるものの現状では学びに踏み込めていないということが分かった。デジタルの知見を身につけることで、女性たちの将来の可能性が広がると考え、プログラムの主題とした。

ー今回、女子学生の創造力やリーダーシップの育成を支援するNPO法人「ハナラボ」をプロジェクトパートナーに選んだ。協業の決め手は?

 日本でのWHFがデジタルリテラシーの方向で動き出したタイミングで、パートナー団体を探していた。ブランドが単独で動くよりも、多くの方に発信し、尚且つスキルの向上に繋がるコンテンツを一緒に考える必要があった。未来の担い手である女子学生たちが社会でより力を発揮できる機会を提供しているハナラボさんとWHFの理念が一致したため、協力いただくことになった。

ー第1回ではモデル/クリエイター伊原葵さん(9月8日)、第2回では実業家のハヤカワ五味さん(11月24日)をゲストに迎えたトークセッションを実施。スキル習得の具体的なセミナーやスクールではなく、トークセッションにした理由は?

 先ほどの調査結果でもあったように、身近に思えるデジタルツールでも、「スキル」と捉えると自信がないという回答が多数だった。まずは、身近なデジタルツールをどうやって仕事に活かせるのか、一歩踏み出すためのきっかけを与える必要があった。そこで、デジタルを駆使してリアルに活躍する方々のスキルの身につけ方や向き合い方を、経験談を踏まえてお話しいただくことにした。また、多くの人に気軽に見てもらうため、講演会形式ではなくランコム公式のTwitterとYouTubeで配信。年明け以降も1月と3月にトークセッションを行う予定だ。

第1回トークセッションの様子

第2回トークセッション収録風景

ートークセッションに続いて、より深く学べるコンテンツも計画している?

 デジタル×クリエイティブのワークショップを12月19日に実施する。業界で実際に活躍するゲストとして、富士通の村瀬周子サービスデザイナーにもお話しいただく。また、ハナラボでは、LINEで1対1でキャリアについて相談できる「1on1 Talk Room」も用意。トークセッションを通じて実際にスキルを身につけたいと考えた方の次のステップも支えられるようなコンテンツも、今後はもっと提供していきたい。

ー来年以降もプロジェクトは継続するのか。

 実は、今年プロジェクトをローンチした9月8日は「国際識字デー(International Literacy Day)」。そこから1年を第1期とし、来年の9月8日には第2期をスタートさせる計画だ。第1期は一歩踏み出すための後押しとして「気づき」を与えるプログラムをメインにしていたが、第2期では具体的なスキルの習得、さらには就業面のサポートも見据えて動きたいと考えている。パートナーの選定も含めて、あらゆる可能性を踏まえて検討している最中。

ーユーザーの背中を押すようなプロジェクトについて、ブランド内ではどんな意見が交わされている?

 ランコムは日本ロレアルのブランドポートフォリオの中でも早期にデジタルツールを取り入れ、OMOを推進してきたため、今回WHFがデジタルスキルにフォーカスした点について、社内での理解が深く、ランコムならではという考えで進められている。WHFはランコムの美容部員を支援するようなプログラムも行っている。

ー美容部員向けのキャリア支援とは?

 コロナ禍でオンラインカウンセリングサービス「eBA」を始めた。美容部員はお客様と一番に接するため、店頭と同様、またはそれ以上の満足度を与えられるよう、デジタルならではのツールの活用や接客について教育プログラムを実施している。受講した美容部員たちはオンラインカウンセリングだけではなく、ライブ配信のような発信にも多大に貢献してくれていて、店頭だけではない新たな活躍の場となっている。

2020年4月から公式サイト上で「eBA(eビューティーアドバイザー)」によるデジタルカウンセリングを行っている。

ーWHFも含め、今後のキャリア支援のヴィジョンは?

 今後オンライン上でも活躍できる美容部員を増やすことを目的としたトレーニングコンテンツを作成している。ランコムの美容部員向けWHFを通じて、より多く方が活躍の場を広げるように、ブランドとして最大限の支援していく。また、そこにスキンケアやメイクアップといった美容の観点も忘れずに、業界とデジタルスキルを持った女性たちを結びつけるような支援をしていきたい。

(聞き手:平原麻菜実)

■Write Her Future:特設サイト

■オンライン トークセッション「彼女の選択」
第2回:11月24日(水)20:00~
ゲスト:ハヤカワ五味(実業家)、森下晶代(NPO法人ハナラボ代表理事)
視聴方法:ランコム公式Twitter/YouTube

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