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海外進出のヒント?インドネシアで寿司を食べてみた|コラム-ジャラン ジャラン アジア

Image by: 横堀良男

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海外進出のヒント?インドネシアで寿司を食べてみた|コラム-ジャラン ジャラン アジア

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東南アジアの最新情報を綴るコラム「ジャラン ジャラン アジア」。1年間の3分の2以上を東南アジア諸国で過ごし、契約バイヤーのほか、ポップアップショップ、展示会出展、ファッションショーの代理店などを行う横堀良男氏が現地の情報をレポートします。

(文・横堀良男)

 今週も引き続き、インドネシアのジャカルタにおります。先日インドネシアのジョコ・ウィドド大統領が訪日し、日本の社長と歓談して、投資を呼びかけたとニュースで見ました。たしかにインドネシアは経済成長がずっと続いており、ざっくりと言えば、GDPは毎年5%ずつ上がり、インフレ率もざっくり5%ずつ上がっています。ハンバーガーを買った時に「あれ?けっこう高くない?」と感じたこともあります。まだ屋台でご飯を食べれば安いものの、数年前まで安いと感じていたファストフードやチェーン店の価格帯ですら、日本の価格帯に徐々に近づいていると感じます。

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 以前にレポートした人気モール・アシュタにあるお寿司のチェーン店に行きました。お店の名前は「Shori Sushi bar(勝利 寿司バー)」。独特なネーミングセンスが特徴です。写真を撮ってきたので、メニューの一部をお見せします。

インドネシアのお寿司
インドネシアのお寿司
インドネシアのお寿司
インドネシアのお寿司

 握り寿司はまあ、まだ普通だけど......。あれ?サーモン多くない?寿司爆弾って何?ロール寿司って海苔巻きじゃないのか?いわゆるアメリカのカリフォルニアロール的なものでしょうか?いろいろな感想を持つかもしれません。ごもっともです。ちなみに、インドネシアは比較的辛いものが好きな人が多いので、スパイシーな寿司も多いです。

 そして、店内はこんな感じです。

 日本人からすると、ちょっと不思議な内装もちらほらと。こちらのお店のことについては詳しく存じ上げませんが、結論から言うとちゃんと美味しいです。実際に、インドネシアに来る機会があれば、インドネシア料理ももちろん食べて欲しいのですが、ぜひ一度、こちらで食べてみてください。

 「こんなの本物の寿司じゃないよ」

 「日本で食べた方が美味しいに決まってる」

 「邪道だ」

 そんなことを思ってしまうのかもしれませんが、動画を見て分かる通り、こちらのお店は人気があります。また、私がお寿司を食べてちゃんと美味しいなあと思ったので、作っている職人さんを遠くから見てみました。

 やはりインドネシア人の若い人が多い......ん?あれ?あの人、もしかして日本人?帰り際、配膳のスタッフさんに声をかけてみました。「シェフに日本人っていますか?」。

 「はい、おりますよ。あちらに」と。ああ!やっぱり!日本人の寿司職人の人がいて、しっかり指導されていました。だって、茶碗蒸しもちゃんと美味しいし、握り寿司だって、巻き寿司だって、日本のチェーン店で食べるようなクオリティでした。

 要するに、インドネシア企業のお寿司屋さんだけど、日本人の寿司職人さんを雇用して、しっかり教育をしているのだとわかりました。そして、現地の人に愛されるようなメニューにアレンジしているようです。まさに、ハイブリッド寿司です。だからこんなに人気店になり、どんどん店舗展開をしているのだなあと理解できました。実際にこちらの企業はShori Sushi barや、Sushi Hiroというお店もどんどん店舗を増やしています。

公式インスタグラム:SHORI SUSHI/Shori Sushi Bar/Sushi Hiro By Hiro Group

 何が言いたいのかというと、現地の人に愛されるように商品やサービスをアレンジをすることで、より深くマーケットに突き刺さるんです。きっとゴリゴリの下町育ちである私の父に、"炙りサーモンスパイシー寿司"を食べさせたらブチギレるでしょう。しかし、現地に愛されるようにアレンジすること、これが海外に進出する際に現地の人の心を強く掴むのに重要なのだ、ということです。

 全てのものを外国人向けにアレンジしよう、と言ってるのではありません。誰に向けたものを販売するのか、それをよく考えていくと、海外で商品を販売する際に、大きなヒントになるでしょう。私たちアパレルの会社が、海外に販売したい際、日本で一般的な、伝統的な寿司を売るのでは、彼らのようなハイブリッド寿司チェーンには勝てませんし、お客さんにも選ばれないでしょう。日本の素晴らしいことと、現地で求められることの間に着地点を見つけることで現地の人から愛されるアパレル企業になっていけるのだろうなあ、とめんたいマヨたまご寿司を食べながら、ふと思った日曜日の夜でした。

 全てのものを外国人向けにアレンジしましょう、と言ってるのではありません。アレンジをしてみることは海外で商品を販売する際に大きなヒントになると言いたいだけです。インドネシアの市場で、日本の伝統的な寿司屋が現地企業のハイブリッド寿司チェーンには勝てません。私たちアパレルの会社も同じです。誰に向けたものを販売するのか、それをよく考えてみてください。日本の素晴らしい点と現地で求められる点の間に着地点を見つけることで、現地の人から愛されるアパレル企業になっていきます、とめんたいマヨたまご寿司を食べながら、ふと思った日曜日の夜でした。

横堀良男

Yokobori Yoshio

東京都江東区出身。高校在学中からアパレル業界で働き始め、 その後、アッシュ・ペー・フランス株式会社に入社。27歳で若手ブランドの営業代行業、showroom SIDEを設立、代表に就任。 32歳で海外進出、現在は1年間の3分の2以上を東南アジア諸国で過ごし、契約バイヤーとして活動。 日本からアジア・アジアから日本のポップアップショップ、展示会出展、ファッションショーの代理店も行う。

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