「グッチ(GUCCI)」が1月14日、ミラノ・メンズファッションウィークのトップバッターとして2023年秋冬コレクションを発表した。ブランドの単独コレクションは2020-21年秋冬シーズン以来、約3年ぶり。昨年11月にクリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)の退任が発表されてから初のショーとなり、デザインはコレクションチームが手掛けた。
セラミック・ドッグによる即興演奏
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会場は、グッチの本拠地であるグッチ ハブ。円形状のランウェイの中央に、マーク・リボー(Marc Ribot)が率いるスリーピース・バンド「セラミック・ドッグ(Ceramic Dog)」が登場しショーが幕を開けた。ジャズやパンクのエレメントを取り入れた彼らの即興演奏が響く中、ショーがスタート。注目を集めたファーストルックは、プレーンなTシャツとカーキのワイドパンツだ。
今回のコレクションはバンドの演奏と同じく、「即興の美」がキーワードに。グッチに携わる多種多様なクリエイターおよび職人たちの個性を映し出し、好奇心と率直さに満ちた内容となった。また、伝統的なメンズウェアの原型を自由に再定義するというテーマのもと、ブランドのアーカイヴ要素が随所に取り入れられた。
取り外し可能なジャケットやパンツ
まず目を引いたのは、肘から先のパーツを取り外せるテーラードジャケット。パンツもモデルが歩くたびに隙間から膝がチラリと見えるデザインで、パーツを取り外せばショートパンツへと変身する。
また、一見ロングスカートのように見えるのは、イブニングパンツをアレンジしたボトムス。歩くたびに裾の裏地が翻って、エレガントな印象を与える。トレンチコートやピーコートなどもフロアレングスで登場し、新たなマスキュリニティを提案した。
Image by: Courtesy of Gucci
「グッチ」のアイコンが次々と登場
ブランドのアイコニックなモチーフであるピストン クロージャーやホースビットも多用されていたが、特に際立っていたのはカラフルなGGパターンだ。GGパターンをあしらったキャンバスにラッカーを施した新素材は「クリスタル GGキャンバス」と名付けられ、コレクション全体を通して登場。オーバーサイズのバッグやブーツにもパステルカラーで取り入れられ、存在感を放った。そのほか、「ジャッキー」バッグや「ディオニュソス」バッグも新たなカラーと素材で展開されている。
Image by: Courtesy of Gucci
さらにヴィンテージスタイルのスカーフをバッグやデニムパンツのパッチワーク、トラックスーツのライニングなどに取り入れ、どこから懐かしさを感じさせるスタイルを作り上げた。
レッグウォーマーなどダンスウェアの要素も
また、やわらかな質感もコレクションの鍵に。多くのモデルが被っていたビーニーやニットのセットアップ、ブーツに合わせたレッグウォーマーなどは80s風のアクセント。胸元を開けたブラウスやニットなどルーズなシルエットは、リアリティを感じさせながらジェンダーレスのスタイルで、モデルの個性を引き立てている。ピンクの髪のモデルが登場したのも印象的だ。
Image by: Courtesy of Gucci
ミケーレ時代のようなファンタジックな世界観やストーリー性は影を潜めたが、グッチのこれまでの歴史をコンテンポラリーな形式で再構成したコレクションとなった。
上杉柊平やEXOのカイもショーを堪能
会場には、グローバルブランドアンバサダーであるEXOのカイ(KAI)や俳優のイドリス・エルバ(Idris Elba)、ドラマ「ウェンズデー」に出演したパーシー・ハインズ・ホワイト(Percy Hynes White)、シンガー・ソングライターで作家、画家、俳優としても活躍するニック・ケイヴ(Nick Cave)などの姿も。
EXOのカイ
Image by: Courtesy of Gucci
また、日本からは俳優の上杉柊平、SHUZO、YAMATOらが来場し、グッチの新たな門出を祝った。
Image by: FASHIONSNAP
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