「ディーゼル」2025年春夏ショーに出席した忽那汐里
Image by: FASHIONSNAP
俳優の忽那汐里さんが「ディーゼル(DIESEL)」2025年春夏コレクションのためにミラノファッションウィークに初参加。「ディーゼルはちょっとやんちゃなスピリットを持ったブランド。着る人に自信を与えてくれるから、プライベートでも愛用しています」と語ります。
「どれだけ『リアル』で『本物』か、が全てだと思う」
忽那さんはオーストラリア出身のバイリンガルで、マーベルの人気シリーズ「デッドプール」をはじめとするハリウッド大作にも出演する実力派。SNSで披露する個性派ファッションも注目されています。しかし、求められるパブリックイメージとの間で苦しみ、本当の自分を隠していた時期もあったそう。「天真らんまんなオーストラリアの少女から、超ダークバイブスになって10年くらいさまよったけれど、今は完全に一周して『イエーイ!!』みたいな感じ(笑)。いつもリアルでありのまま、全力でぶちかましたいと思っています」。
Go to fitting
ミラノは久しぶりという忽那さんがまず向かうのは、ディーゼルのショールーム。ディーゼルは昨シーズンからショーの舞台裏をノーカットで公開しています。ファッションをより民主的な形で観客に届けるため、エントランスにはライブストリーミング用のカメラが設置されていました。そんな中、忽那さんはラックに用意されたルックを次々と試着。「ファッションは、いろいろなスイッチを入れてくれるもの。自分の可能性を広げてくれるからすごく好き」。本番のための特別な一着はどのようなルックになるのでしょうか。
「未来に、可能性に生きるというのが私のテーマ。可能性女子!」
Photo shoot in Milan
その後は、気に入った新作をまとって街角でシューティング。フェイクファーをあしらったオレンジのセットアップは街行く人たちの視線を集めます。手にしているのは「PLAY」シリーズのグラフィカルなショルダーバッグで、私物のヘアクリップでキュートにアレンジされていました。どんなときも、その強烈なオリジナルスタイルを貫ける理由を尋ねると「やっぱり仕事はワクワクしないと。もう自分の好きなバイブスが分かっているし、全部『嫌なことはしたくない』という精神で生きているから」。
「いつだって我が道を行く、という生き方をしたい」
Getting ready for the show
ついに迎えたショー当日。部屋にはクリエイティブディレクター グレン・マーティンス(Glenn Martens)直筆の招待状が届いています。ダメージ加工を施した「やんちゃ」なフラワープリントのドレスに着替えた後、ヘアメイクが始まりました。ブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)やエイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)を意識して、長いヘアエクステンションを使った盛り髪に。ポイント使いのアイラッシュや自前のグリル(歯の上に付けるアクセサリー)も付けて、唯一無二のスタイルが完成です。
「おしとやかにもできるけど、それじゃ忽那汐里じゃない」
The show is about to start
ファッションショーで注目する点を尋ねると「ショーって総合的なもの。たった10~20分のために時間をかけて準備しているものだと思うので、服はもちろん、空間や音楽、照明、メイクなどその全部を体感したいなと思っています」。会場はミラノの中心地から車で30分ほどの場所。周辺には、ディーゼルで着飾ったミラネーゼたちが集まっています。「みんなが全力で気合いを入れてドレスアップして来るのがすごくいいな」。忽那さんがリムジンから降りると、カメラマンたちからたくさんのフラッシュがたかれました。
会場は、14万800キロのデニムの端切を敷き詰めた没入型空間になっていました。デザイン性だけでなく、生産におけるサーキュラリティを推進するディーゼルのコミットメントが反映されています。会場には多くのゲストが詰めかけ、フロントロウでは、ブランドアンバサダーを務めるSEVENTEENのホシ(Hoshi)やラッパーのマルワーン・パブロ(Marwan Pablo)と会話を楽しみました。
忽那汐里とホシ
Enjoy the latest collection
そして、ついにショーがスタート。コレクションのテーマは、上昇や高度を意味する「エレベーション」。デニムのディストレス加工やニットのレーザー加工など、様々な最新テクノロジーを駆使して生地の革新を表現しました。白や黄色のカラーコンタクトレンズを着用したモデルたちは見る者をドキッとさせます。実験的なエレクトロニックミュージックは作曲家のセニャン・ジャンセン(Senjan Jansen)が手掛け、会場を盛り上げました。
「ベースの重低音からショーが始まって、ぶち上がりました! 音楽の流れに合わせて服も変わっていって、ストイックな感じがすごくかっこよかったです」と興奮気味に語った忽那さん。特に長めのフリンジやアーカイヴのバンダナを再利用した柄、破壊されたかのようなレーザー加工のニットが印象に残ったと語ります。
Image by: DIESEL
バックステージではコレクションを手掛けたグレン本人とも対面を果たし、言葉を交わす場面も。グレンは忽那さんの着こなしを見て「来てくれてありがとう。ドレスが似合っているね!」と笑顔を見せました。
Mission complete
個性派スタイルで堂々とフラッシュを浴び、セレブリティとも物怖じせずコミュニケーションをとっていた忽那さん。そのブレないアティテュードは、ディーゼルのアイデンティティである「自由と不遜の精神」とも呼応します。「私が人生で一番かっこいいと思っているのはショーケン(萩原健一)さん。共演したときに仲良くなったんですが、本当にスーパー刺激的な人で。自分もああいう嘘のない生き方をしたい。まだ修行中ですけど、『役者として』じゃなく『人として』どれだけリアルな人でいられるかを意識して、これからも生きていきたいと思います」。
最後はショー会場で、今回の旅のアシストを務めてくれた親友と一緒にデニムの廃材に埋もれました。「ミラノ、めっちゃ楽しかったです。素敵な経験をありがとうございました!」。
Shioli's Diary
「いよいよミラノへ出発!可愛すぎるバッグと共に準備万端出発だぁぁー!」
Image by: Shioli Kutsuna
忽那汐里 | Shioli Kutsuna
オーストラリア出身。2006年に第11回全日本国民的美少女コンテストで審査員特別賞を受賞。2007年に「3年B組金八先生」で女優デビュー。2018年にジャレッド・レト主演の映画「アウトサイダー」でヒロインを務め、「デッドプール」シリーズでユキオ役を演じる。@shiolikutsuna
フィッティング時のルック: デニムジャケット 7万8100円、トップス 3万5200円、スカート 5万7200円、デニムパンツ 6万3800円、バッグ 6万500円、シューズ 6万4900円・ミラノ撮影のルック:ジャケット 24万8600円、スカート 16万5000円、バッグ 6万500円、ブーツ 16万6100円・ショー当日のルック:ドレス 41万4700円、ブーツ 16万6100円、(バッグ 2025コレクション 未発売)
photography: Koji Hirano, videography: Shunsuke Nakamura, hair & makeup: Takeru Urushibara | edit & text: Fuyuko Tsuji, project management: Tomoya Sasaki(FASHIONSNAP)
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