ヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)が手がける「シャネル(CHANEL)」が2022年春夏コレクションを発表した。会場となったのは、パリのグラン パレ エフェメール(仮設グラン・パレ)。カメラを手に構えるモデルのヴィヴィアン・ローナー(Vivienne Rohner)の巨大なポートレートが背景にあしらわれた。今回のキーワードとなったのは、服、モデル、そしてフォトグラファーの関係。かつてカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)がメゾンのキャンペーン写真を自ら撮影していたように、ファッションを構成する重要な要素として、フォトグラファーの存在がフィーチャーされた。
フォトグラファーとミューズの関係
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今回、イネス & ヴィノード(Inez & Vinoodh)が撮影したティザーに登場したのは、リリー=ローズ・デップ(Lily-Rose Melody Depp)、アルマ・ホドロフスキー(Alma Jodorowsky)、ブラックピンク(BLACKPINK)のジェニー(JENNIE)、レベッカ・デイアン(Rebecca Dayan)、そしてクアナ・ポッツ(Quannah Chasinghorse-Potts)という豪華な面々。彼女たちがカメラを構え、フォトグラファーとミューズを演じるショートフィルムは、まるでフィルムノワールのような優雅さと官能性をたたえている。
1980年代の高揚感を再現したランウェイ
その構図はショーにも登場。今回、ランウェイを両側から取り囲んでいるのは大勢のフォトグラファーたち。「1980年代のショーで、モデルがランウェイを闊歩し、フラッシュが瞬く音が大好きだった。私はあの高揚感をもう一度表現したいと思った」とヴィアールはその意図を語る。彼らがモデルたちの動きを追いかけ、エネルギッシュにシャッターを切る様子は、映像越しにも強いインパクトと臨場感を与えた。
スイムスーツやピンクのツイード
モデルたちがまとっていたのは、シンプルなスイムスーツやツイードのショートドレス。快活なミニ丈や、ピンクやモーヴといった明るいカラーが目を引く。
香水ボトルがミニバッグに
マルチカラーのクロシェ編みをあしらったジャケットはアップビートな印象。アイコニックなキルティングバッグはもちろん、香水ボトルをかたどったミニバッグやチェーンをあしらったメリージェーンシューズなども、スタイリングに華を添えた。
ラストに舞う蝶のドレス
また、ラストに登場した、カラフルな蝶の羽が描かれたブラックシフォンのルックもダイナミックかつエレガントな余韻を残す。ショーの最初から最後まで高揚感の沸き立つ、魔法のようなフィジカルショーとなった。
ショーに訪れたセレブリティ
JENNIE
Image by: CHANEL
Fuyuko Tsuji
セントラル・セント・マーティンズ出身。モード誌の編集者、通信社のニュース記者を経て、フリーランスのファッションエディター/ライターとして独立。ファッション以外では、現代アートやフィギュアスケートについての記事執筆もこなす。
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