アレキサンダー・マックイーン 2023年秋冬コレクション
Image by: Alexander McQueen
サラ・バートン(Sarah Burton)が手掛ける「アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)」がパリで2023年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。今シーズンのテーマは「人体や洋服、花のアナトミー(解剖学)」。カットやプロポーション、シルエット、テーラリングとテーラリングファブリックにフォーカスし、美しさと力強さを探求した。
逆さまになった世界で
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円形の会場は薄暗く、スクリーンには赤いブランドロゴが上下逆さまに投射されている。このロゴが暗示していたとおり、ルックには様々な仕掛けが施してあった。テーラードジャケットを逆さまにしたドレスや上下逆さまに持ったハンドバッグなど、既成概念にとらわれないスタイルが次々と登場。
ショーが始まると壁に上下逆さまに歩く女性の姿が映し出され、会場自体が「ゾートロープ(円筒を回転させることで連続した静止画が動いているように見える装置)」のような役割を果たしていた。
Video by FASHIONSNAP
愛の花、オーキッドを主役に
オープニングを飾ったのはナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)。黒のジャンプスーツにコルセットのビスチェをまとい、シルバーメタルの花のイヤリングが耳元で揺れる。
今回のコレクションの主役となったのはオーキッド(蘭)。バートンは「デイジーに次いで、もっとも一般的な花」としながらも「根を張ることを拒み、空気中でも力強く成長する。とても美しく無限の順応性を持った花で、自然の強さを持つ一方で、か弱い一面を持つ」と語る。そしてオーキッドの花言葉が「愛」であることにも着目し、この花のあらゆる要素をルックに落とし込んだ。
ダ・ヴィンチの解剖図のように
バートンは今回、レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)の解剖図にインスパイアされ、生地を切り裂いたり、ねじったり、裏返したりと、服そのもののアナトミーを試みた。また、ハッとするようなルビーレッドのドレスは、血や内臓、筋肉に意識を向けさせる。“アナトミードレス”と名付けられたルックはいずれも生々しく、力強い美しさを放っていた。バートンは「ファッションの基本は、身体に沿ったカットと、身体の内側からインスピレーションを得たものだと考えている」と説明する。
アンドロジナスな装い
そして今回あらためて注目されたのが、巧みなテーラリング技術だ。シャープなライン使いやショルダーの存在感が光り、黒いネクタイとコルセットを合わせたアンドロジナスなスタイリングも際立つ。これらは映画「TAR/ター」でベルリン・フィル初の女性マエストロを演じたケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)の姿から影響を受けたものだという。
マックイーンといえばサヴィル・ロウ仕込みの卓越したテーラリング、そしてダークな要素を併せ持ったファンタジーの要素は欠かせない。バートンはそういったブランドの強みに立ち返り、それが今も健在であることを示した。
エル・ファニングらが来場
会場にはエル・ファニング(Elle Fanning)、エディ・レッドメイン(Eddie Redmayne)、アナ・ウィンター(Anna Wintour)らが来場。日本からはAMIAYAや三吉彩花も駆けつけ、三吉は中国の人気モデル、チャン・ティエンアイ(Zhang Tian'ai)とのツーショットも披露した。
エル・ファニングとエディ・レッドメイン
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