(左から)グッチ、エルメス、ディオール、ロエベ、シャネル
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2025年春夏シーズンで注目すべき5つのトレンドキーワードを厳選。パリやミラノ、ニューヨークのランウェイで目を引いたアイテムやデザインは? 数シーズン続いたクワイエット・ラグジュアリーの傾向が落ち着き、華やかさを取り戻した今シーズン。開放感を感じさせる素材やフォルム、装飾を取り入れたロマンチックなムードなど、その特徴をひも解く。
1. ブドワールのムード
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「ブドワール(Boudoir)」とは、女性の寝室または私室を指すフランス語。今シーズンはそんなプライベートな空間で女性がまとうような、シアー素材やランジェリーライクなアイテムがランウェイに数多く登場した「グッチ(GUCCI)」は深紅のキーカラー、アンコーラ・ロッソのランジェリー風ドレスにレザーアイテムでハードさをプラス。「フェンディ(FENDI)」はビジューやビーズが施されたオーガンザのスリップドレスで、軽やかなリズムを生み出した。「クロエ(Chloé)」はチュールやレースをたっぷりと使い、ドロワーズなどをロマンチックなデイウェアとして提案。「サンローラン(SAINT LAURENT)」はレースを多用し、スカートの裾からシュミーズをのぞかせるようなセンシュアルな装いを作り上げた。「バレンシアガ(BALENCIAGA)」はブラジャーを織り込んだボディタイツや、タイツとショーツが一体化したパンタシューズで、アンダーウェアの概念を覆している。単純なセックスアピールとしてではない、新たなランジェリーの取り入れ方に注目したい。
GUCCI
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2. ユーティリティ&エレガンス
機能性を意味する「ユーティリティ」も、今シーズン欠かせない要素の一つ。ミリタリーやワークウェア、サファリルックなどに見られる実用的なディテールや素材を用いつつ、女性らしさを引き立てるルックが今シーズンの特徴。「ブドワール」の項目でも登場したシアー素材がカギとなり、「エルメス(HERMÈS)」はフラップポケットやジッパーを取り入れながらも、トップス、スカート共に軽やかな透け感が印象的。「ディオール(DIOR)」は1962年の「ディオール スポーツ」ラインをヒントに、パフォーマンスとエレガンスを融合させた。「マックイーン(McQueen)」はミリタリーの要素を取り入れつつも、ウエストを絞ったシルエットでコントラストを生み出した。「サカイ(sacai)」はアーミーグリーンのコートをシアー素材とミックスしてドレス風に。「ミュグレー(MUGLER)」は肩を強調したXLサイズのジャケットにウルトラミニのスカートと合わせるなど、無骨なイメージをシックに昇華したユーティリティウェアを提案した。
HERMÈS
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3. 大胆なフリンジ使い
裾で軽やかに揺れるフリンジといえば春夏シーズンでおなじみの装飾だが、今シーズンは目を引くアクセントとして大活躍。「ディオール」は、古代ギリシャ神話に登場する女戦士アマゾーン風の女性像をダイナミックに表現。たすき掛けにしたフリンジが力強さを演出した。「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」ではレザーフリンジのヘッドピースが登場し、ブランドが得意とするレザー加工のテクニックをアピール。「グッチ」のコートは、オリーブグリーンのフリンジがあしらわれ、まるでオーロラのようなグラデーションを作り出す。「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」はメタリックに輝くフリンジをトップスにアレンジし、肌を軽やかに露出させた。「マックイーン」は頭から爪先まで全てをシルバーのスパングルやビジューで覆い尽くす、ゴージャスなドレススタイルを披露。アイルランドに伝わる妖精"バンシー"をミステリアスに表現した。
DIOR
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4. 彫刻的シルエット
バルーンシルエットといった立体的な構造も、今シーズンの特徴。「ロエベ(LOEWE)」はクリノリン(1800年代に流行した、スカートを大きく広げるために着用する下着)に着目し、輪状のワイヤーで形作ったドレスを発表。まるで宙に浮かび上がるような軽さと独特のフォルムが斬新だ。「ステラ マッカートニー」は綿菓子のようなボリュームトップスをラフなデニムと合わせ、絶妙なバランスを生み出した。「ボッテガ・ヴェネタ」は生地を何重にも重ねたプリーツスカートとトップスのドレープがコントラストを描く。「バリー(BALLY)」はペプラムジャケットやスカート、カウベルのシェイプを模したコクーンスカートなどを提案。グッゲンハイム美術館でショーを開催した「アライア(ALAÏA)」は起毛素材で身体をスパイラルに包み込むコートを発表。いずれも彫刻や建築のような独特の形状で身体を包み、固定観念に捉われない服作りへのアプローチを示した。
LOEWE
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5. ストライプの主張
さわやかでプレッピーなストライプ柄は春夏の定番だが、今シーズンはストライプを主役にしたルックが数多く見られた。「シャネル(CHANEL)」はストライプのシャツワンピースにカーディガンをレイヤード。パステルブルーがどこかレトロな味わいで、カメリアのコサージュがアクセントをプラスする。「ソフトパワー」をテーマに掲げた「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、大きく膨らませたパフスリーブのストライプシャツがインパクト大。「プラダ(PRADA)」は白いボーダーを縫い付けたマリン風ニットにストライプサンダルを合わせ、直線使いが印象的なスタイリングとなっている。「ディオール」はワンショルダーのレオタードにカジュアルなグラディエーターサンダルを合わせ、アスリートのようなたたずまい。「サカイ」はガーリーなミニ丈のワンピースを発表。シアー素材を襟元にあしらい、意外性のあるルックへと仕立てた。
CHANEL
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