ドリス ヴァン ノッテン 2023年秋冬コレクション
Image by: Imaxtree
「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」の2023年秋冬ウィメンズコレクションが3月1日、パリ15区にある屋内アリーナ、ドーム ド パリ(Dôme de Paris)にて発表された。客席の間を歩くモデルたちが、ステージ上の巨大な鏡に浮かび上がるように映し出されるドラマチックな演出で、ドラムセットの中にはランダー・ギスリンク(Lander Gyselinck)の姿が。コンセプチュアルなライブパフォーマンスと共にショーがスタートした。
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Video by FASHIONSNAP
服の本質的な魅力に立ち返る
今シーズンのテーマは「服への愛」。「服がもつ本当の豊かさと、服が語る数々のストーリー」にオマージュを捧げた。服の装飾的なライニングや優しい着心地など、それをまとう人だけが知るディテールと親密な関係性にフォーカス。また、ファブリックそのものの魅力や、服が大切に扱われ、着古され、修繕される側面にも着目した。あえて色褪せた花柄やウォッシュド・シルクを取り入れ、アンティークドレスのような雰囲気を醸し出す。
暗闇の中で輝く、上品なゴールド
金箔がひらひらと暗闇に舞う——そんなティーザー映像から予想された通り、今シーズンはゴールドが重要な要素に。アウターのウエストまわりに金箔を重ねたり、ラメや刺繍を施したり、ブロケード織を用いたりと、様々な手法で取り入れられた。彫刻的なイヤリングやモデルの目元に引かれたゴールドのアイラインなども、控えめな光を放つ。
金糸の細やかな刺繍を施したコルセットも、アンティークへのリスペクトを反映したアイテム。片側のラペルがほつれたようなデザインのテーラードジャケットと合わせて着用し、古いものと新しいものが交差する今季の象徴的なルックとなった。
シアーな素材を何重にも重ねて
そして印象的なのはレイヤードの見せ方だ。厳格なテーラリングで作られたアウターの下に、シアーなスカートやドレスが重ねられ、モデルたちは時に胸元を片手で抑えながらウォーキングする。そのポーズが「隠す、見せる」という概念を表現し、奥行きを感じさせるスタイリングとなっていた。
ドリスの愛する花々が咲き乱れる
また、ガーデナーの顔も持つドリス・ヴァン・ノッテンらしく、植物を取り入れたデザインは今シーズンも多数登場。ハンドペイントによるフラワーモチーフが繊細かつ華やかにドレスを彩った。手の込んだ緻密なクリエーションと、静けさをたたえたモデルたちの表情は、この暗い時代の中でもっと大切にすべき価値観があることを示しているかのようだ。
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