ディオール 2023年秋冬コレクション
Image by: ©ADRIEN DIRAND
マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)が手掛ける「ディオール(DIOR)」が2月28日、パリ・チュイルリー公園で2023年秋冬コレクションを発表した。シャンソン歌手のエディット・ピアフ(Édith Piaf)とジュリエット・グレコ(Juliette Gréco)、そして創設者クリスチャン・ディオールの妹であるカトリーヌ・ディオール(Catherine Dior)という3人の女性たちに焦点が当てられた。
巨大なセットが観客を圧倒
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1950年代の戦後のパリを生き抜いた彼女たちの謙虚さやたくましさ、自由、勇気を反映し、そして当時のフレンチスタイルを現代的に解釈した今回のコレクション。会場に現れた幻想的なセットは、ジョアナ・ヴァスコンセロス(Joana Vasconcelos)が特別に制作したものだ。
ヴァスコンセロスは、大規模なインスタレーションで知られるポルトガルのアーティスト。彼女はカトリーヌをワルキューレ(=北欧神話に出てくる戦乙女)と重ね合わせ、今回の作品を「ワルキューレ ミス ディオール」と名付けた。布、レース、刺繍、かぎ針編みなどによって作られた有機的なフォルムが、触手を伸ばすかのように空間を支配する。
「私は何も悔やまない」
ブルーに彩られた空間の中でショーがスタート。キウリが打ち出す力強い女性像は、モデルたちのアイメイクや黒いレザーグローブ、ピアフの代表曲の一つである「Non, je ne regrette rien(いいえ、私は何も悔やまない)」と書かれたステイトメントルックからも感じ取れた。黒のルックが多く登場したのは、その色を好んでいたジュリエットの影響なのかもしれない。
フラワーウーマンの面影
また、今回目を引いたのはフラワーモチーフ。これはカトリーヌが第二次世界大戦中にフランスでレジスタンス活動を行った後、花の売買をする実業家となったことに由来する。メタリックな糸を織り込んだまだら模様のファブリックが、花の輪郭を抽象的に表現。そのほか、手編みによる草花のティアラや、レーザーカットの花で覆われた革製のホルスターなどもカトリーヌの面影を感じさせた。
パリらしさとディオールらしさ
2023年春夏シーズンでもフィーチャーされたパリの地図のモチーフや、アイコニックな「カナージュ」も随所に取り入れられ、ディオールらしさをアピール。カラーは、後半に登場したルビー、エメラルド、トパーズイエロー、ブルーが華やかさをプラスした。フィナーレにはピアフの歌声が会場に鳴り響き、激動の時代をパワフルに乗り越えた3人のアイコンを祝福するかのようだった。
アクセサリーは、エッフェル塔のモチーフにパールを合わせたチョーカーやマットなレザーバッグ、パールをアクセントに効かせたロンググローブなどが女性たちの知的な美しさを引き出していた。
Image by: Melie_Hirtz
BLACKPINKのジスなど豪華ゲストも
会場にはBLACKPINKのジス(JISOO)、ガル・ガドット(Gal Gadot)、シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)、エル・マクファーソン(Elle Macpherson)、オリヴィア・パレルモ(Olivia Palermo)の姿も。日本からは仲里依紗や三吉彩花が来場し、会場を盛り上げた。
BLACKPINKのジス
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