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定番の再構築と変化 - NY・ロンドン・ミラノ・パリコレの傾向とトレンド <2024年春夏ウィメンズ編>

2024年春夏コレクションより

2024年春夏コレクションより

Image by: Alexander McQueen、DIOR、LOUIS VUITTON、PRADA、Chloé

2024年春夏コレクションより

2024年春夏コレクションより

Image by: Alexander McQueen、DIOR、LOUIS VUITTON、PRADA、Chloé

定番の再構築と変化 - NY・ロンドン・ミラノ・パリコレの傾向とトレンド <2024年春夏ウィメンズ編>

2024年春夏コレクションより

2024年春夏コレクションより

Image by: Alexander McQueen、DIOR、LOUIS VUITTON、PRADA、Chloé

プロポーションの再構築 定番服に変化

 2024年春夏コレクションは、ワードローブにある定番服や実用服を解体し、プロポーションや構造をデフォルメすることで、その見せ方や機能を変化させようとする動きが見られた。また、普段は組み合わせることのない定番服同士をスタイリングで組み合わせるなど、新鮮で若々しいスタイルにも注目したい。

混沌とした世界に安らぎと喜びを

 また、昨今の混沌とした世の中の現状を憂い、ヴェールやシアーな素材で体全体を覆ったり、バラやフェザーなど自然をモチーフにしながら、自然の強さや優しさで人々を包み込むようなコレクションが目立った。混沌とした世界に少しでも明るい未来をという気持ちを、メッセージとして服に投影させるブランドも多数あった。

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大胆なノーパンツがトレンド化

オフィスジャケット + マイクロミニボトム
 2023年からZ世代セレブの大胆な「ノーパンツ」スタイル(=ボトムを履いていないかのようなマイクロミニのスタイル)が話題だったが、その流れがいよいよトレンドに。仕立ての良いオフィス風メンズジャケットにマイクロミニボトムを合わせるといった、絶妙なバランスの健康的なスタイルが新鮮だ。

Image by: DRIES VAN NOTEN

Image by: MIU MIU

Image by: PRADA

ソフトシアーボトム
 今シーズンはマイクロミニボトムの上にシアーなボトムをレイヤードすることで、ソフトな印象に。

Image by: ALAÏA

Image by: DRIES VAN NOTEN

Image by: PRADA

ノースリーブジャケット
 温暖化の影響か、さまざまなシルエットのノースリーブジャケットが登場した。長めの丈が特徴。

Image by: FENDI

Image by: sacai

Image by: Peter Do

ミドリフ丈ショートジャケット
 ミドリフ(横隔膜)丈のショートジャケットとハイウエストのボトムでお腹をちょい見せ。

Image by: Rokh

Image by: Peter Do

Image by: Hermès

ハイウエストパンツ
 ウエスト位置が高いワイドパンツやテーパードパンツ、ペンシルスカート、またはコルセットのようなアイテムで、ウエストをマークするスタイルが多く見受けられた。

Image by: LOEWE

Image by: MOSCHINO

Image by: ALAÏA

エプロンスタイル
 職人たちが仕事で使うエプロンが、レザーをはじめ様々な素材で再現され、エレガントに形を変えている。

Image by: ANN DEMEULEMEESTER

Image by: DIOR

Image by: Molly Goddard

クワイエット ラグジュアリーのトレンドは継続

 2023年秋冬からトレンドに躍り出ているクワイエット ラグジュアリー(=控えめな、静かな贅沢)が、引き続き今シーズンも台頭している。

Image by: VALENTINO

Image by: SAINT LAURENT

Image by: HERMÈS

安らぎのネイチャーモチーフ

バラの立体モチーフ
 メンズの2024年春夏シーズンに続き、立体的に形作られたバラのモチーフを装飾に使い、デザインされたドレスが多く登場。

Image by: Simone Rocha

Image by: Balmain

Image by: UNDERCOVER

フラワーガーデン
 様々な花のプリントや刺繍は、まるで秘密の花園にいるかのような癒しを与えてくれる。

Image by: BALENCIAGA

Image by: PRADA

Image by: 3.1 Phillip Lim

天使の羽根
 今シーズンの特徴的なデザインとして、天使の羽根を背中につけたコートやドレスが複数のブランドで見られた。また、羽毛が飛び出たブルゾンやフェザーつきのドレスなど、「羽根」にまつわるアイテムも目立つ。

Image by: SPORTMAX

Image by: JW ANDERSON

Image by: UNDERCOVER

シアーなドレープによる柄の変化を楽しむ定番柄

 ベーシックなチェック柄やドット柄を、シフォンやオーガンザといったトランスぺアレントの素材にプリントし、ドレープや柄を重ねることによって変化を楽しむ。

ゆらゆら揺れるチェック柄

Image by: Acne Studios

Image by: LOUIS VUITTON

Image by: MARNI

ふわふわ変形するドット柄

Image by: Yohji Yamamoto

Image by: UNDERCOVER

Image by: Dolce&Gabbana

アーティザナル エフェクト

 昨今の世界的な気候変動による猛暑を意識してか、手工芸的な技法のカットワークやフリンジ、メッシュ素材などが開発され、それによって涼しげなアイテムが次々と発表されている。

クラフトカットワーク

Image by: VALENTINO

Image by: Chloé

Image by: HERMÈS

フリンジバリエーション

Image by: PRADA

Image by: GUCCI

Image by: Alexander McQueen

メッシュのような素材

Image by: Noir Kei Ninomiya

Image by: ISABEL MARANT

Image by: Proenza Schouler

2024年はオリンピックイヤー スポーティーなアイテムをクールに

 夏に開催されるパリオリンピックを意識してか、スポーティーなスタイルが特徴的な今シーズン。そのままスポーティーに着るのではなく、マイクロミニボトムやメリージェーン、ローファーなどを履いてシックに、そしてクールに仕上げるのが今季の特徴。

ポロシャツをスッキリ

Image by: LOEWE

Image by: MIU MIU

Image by: GUCCI

デニムできれいめカジュアル
 今シーズンも様々なデニムが発表されているが、特に目立ったのはウォッシュデニムを使用しながらもクリーンなシルエットのスーツやセットアップの数々。

Image by: Dries Van Noten

Image by: 3.1 Phillip Lim

Image by: VALENTINO

ネオ・サファリルック
実用的なアイテムをシックに再解釈されたジャンプスーツやシャツジャケット、ドレスなどの数々。ベージュやアイボリーなどの色は、今シーズンの重要なカラー。

Image by: SAINT LAURENT

Image by: 3.1 Phillip Lim

Image by: Alberta Ferretti

ストライプ
 ラグビーシャツやメンズシャツのような大胆なストライプのトップに、フェミニンな素材や形のボトムを合わせ、あえて外すことによって大人のスタイルに。

Image by: Dries Van Noten

Image by: MIU MIU

Image by: sacai

メタリック
 ゴールド、シルバー、ブロンズ、そしてその他のメタリックな素材の数々は、まるでオリンピックメダルを意識したかのようだ。

Image by: Alexander McQueen

Image by: MIU MIU

Image by: Rabanne

ありのままのボディでヘルシーに

 自分を自由に解放するための肌見せスタイルは引き続き継続。より多様化されたスタイルに注目だ。

ブラトップ

Image by: Rick Owens

Image by: MIU MIU

Image by: Courrèges

60年代と90年代の流れをくんだ ネオ・マイクロミニドレス

Image by: VERSACE

Image by: Nina Ricci

Image by: VALENTINO

ワンショルダー

Image by: Chloé

Image by: Dolce&Gabbana

Image by: DIOR

カットアウト&スラッシュ

Image by: HERMÈS

Image by: ANN DEMEULEMEESTER

Image by: Peter Do

アブストラクトボリューム

 ファッションをアートとして捉え、服という形態を通して現代へのメッセージや思想を反映させる彫刻のようなシルエットは、見る人の心を動かす。

Image by: Comme des Garcons

Image by: JUNYA WATANABE

Image by: Rick Owens

パリ在住ファッションデザイナー

大森美希

MIKI OMORI

文化服装学院アパレルデザイン科卒業後、服飾専門学校で5年間の教員生活を経て2000年に渡仏。ニコラ・ジェスキエールのバレンシアガ(BALENCIAGA)→ アルベール・エルバスのランバン(LANVIN)→ ピーター・コッピングのニナ・リッチ(NINA RICCI)と、ジョブ型雇用で外資系老舗ブランドのデザイナーを歴任。2015年からはニューヨークに移住し、英国人スチュアート・ヴィヴァース率いる米ブランド、コーチ(COACH)では、ウィメンズウェアのシニア・デザインディレクターとして活躍。2019年に拠点を再びパリに戻し、2021年からパーソンズ・パリ(NYにあるパーソンズ美術大学のパリ校)の修士課程(MFA)でアソシエイト ディレクターを務めるほか、学士課程(BFA)では世界各国から集まった学生達にファッションデザインのノウハウを教えながら、インフルエンサーとしてnoteで執筆活動をするなど、自らもじわじわと進化中。

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