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洗濯機で嫌な匂いを防ぐ方法は?正しい使い方を専門家が解説

洗濯 洗濯機 使い方
洗濯 洗濯機 使い方

洗濯機で嫌な匂いを防ぐ方法は?正しい使い方を専門家が解説

洗濯 洗濯機 使い方

 「洗濯したはずの衣類から嫌な臭いがする」「汚れが取れない」。特に湿度の高い季節はそんな悩みを感じたことがある人も多いと思います。本当に洗うための洗濯機の使い方は?しっかり洗うために絶対に押さえておきたい5ステップを、ナチュラルクリーニング講師の本橋ひろえさんに解説してもらいました。

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1-夏の洗濯物は洗えていないという事実

 洗濯機任せで洗っていると実はしっかり洗えていないことがほとんどです。特に注意しないといけないのが夏の洗濯物。というのも洗濯機を起動させると自動的に水が貯まっていきますが、この水量は洗濯物の重量によって決まります。一般的に冬の衣料は重たく、夏は袖が短かったり生地が薄かったりするので軽いアイテムが多いです。着用時の汗や皮脂の量は冬よりも圧倒的に夏の方が多いのに、自動で洗濯機の水量を決めると夏場は水量が足りないということが頻繁に起きます。例えば泥だらけの雑巾を洗う際に、少ない水では汚れが落ちにくいのと同様に、高性能な洗濯機を使用して回転方法や水流に拘っても、水量が少ないと汚れた水の中で回っている状態でキレイに洗えないのです。

Image by: FASHIONSNAP

 これを改善するためには自分で水量を設定するか、自動で計測して水量が決まった後に手動で設定を変更することが大切です。

【豆知識】
ドラム式洗濯機は水量が少ないため水道代が安くなってお得と感じている人もいると思いますが、ドラム式洗濯機も同様に水量が多い方がキレイに洗えます。もともとドラム式洗濯機はヨーロッパで誕生したもので、日本のように沢山水を使うことができなかったり、硬水で泡立ちが良くなく洗剤の効きが良くないという状況もあって、水温を上げることで洗浄力をカバーしています。そのため、海外のドラム式洗濯機にはヒート機能が搭載されていて、約90度まで温度が上げられるものがほとんど。しかし、日本では水道代が安くなることや、水が少ないためエコ、といった点はよくフォーカスされますが、高温洗浄についてはお湯で洗うと電気代が上がるので敬遠されがち。日本のドラム式洗濯機も一部はお湯洗いコースが用意されていますが、海外と電圧が違うため日本では3時間ぐらいかかることもあってほとんど使われていないのが実情です。

2-適正水量は?

 キレイに洗うには、洗濯物が水面から上に出ることなく沈んでいる状態であるということが絶対条件です。水面から洗濯物が出ていると表面しか濡れず水を吸うのに時間がかかってしまい、繊維の中に染み込んだ皮脂や汗がしっかり洗えません。

自動計測による水量

Image by: FASHIONSNAP

 適正水量の目安として、冬場は洗濯物1kgに対して10リットル。夏は倍で、1kgに対して20リットルぐらいがおすすめ。そして洗濯物一枚一枚が絡まることなく動くことが理想です。もちろんその洗濯物を誰がどんな風に着たかは重要で、砂場で遊んだ服と1日中家で過ごした服では適切な水量は異なってきます。

 ちなみに洗濯機には洗濯容量が書かれていますが、記載されている数値はその容量分を入れても洗濯機が壊れないという数値で、しっかり洗えるかどうかは別なので注意しましょう!

【豆知識】
洗いや濯ぎの時間を長くすると汚れは落ちやすいですが、長く回すと衣類が傷みやすいので要注意です。私は、長時間回すよりもお水が溜まって洗濯物が全部沈んだ時点で一時停止を押して、しっかりと洗濯物が水を吸い上げる時間を取る「漬け置き」をお勧めしています。薄手のアイテムだと5〜10分程度、厚手のアイテムは15分、デニムなどは30分ぐらい置いておくと、水と洗剤が繊維の中まで染み込んで緩んだ汚れが周りのお水に溶け出していきます。

3-部屋干し臭・生乾き臭の原因とは?

 生乾き臭とは「モラクセラ菌」という雑菌の排泄物の臭いです。特に夏場に多く、洗い残した汗や皮脂が付いたまま部屋干しすると、雑菌が繁殖して生乾きの臭いになります。湿った時間が長いと雑菌やカビが繁殖しやすいのですが、水量をしっかり調整してきちんと汚れが落とせていれば、雑菌の餌になるものがないので部屋干ししても臭いがすることはありません。臭いがするからと言って、香りの強い洗剤で誤魔化しても汚れ自体は残っているので、きっちり洗うことを意識するほうが良いでしょう。

4-洗濯機を清潔に保つ方法

 当たり前ですが、洗濯機が清潔に保てていないと洗濯物はキレイに洗えません。カビだらけの洗濯機で洗濯をすると洗剤が働きにくいのと、カビの菌や雑菌が洗濯物に付着するので生乾きの臭いにも繋がります。そのため、しっかりお手入れすることが必要になってきます。

Image by: FASHIONSNAP

 洗濯をした後の毎日のお手入れとして、湿った糸くずなどが溜まるフィルターのゴミを取り除き、可能であれば洗濯物と一緒にフィルターも干して乾かしましょう。これだけで、洗い上がりが変わってきます。

洗濯槽の縁の汚れ

Image by: FASHIONSNAP

 また、蓋の裏や洗濯槽の縁に汚れや洗剤が残っている場合は拭いてから使用したほうがいいです。洗濯前のタオルなどで軽く拭くだけで清潔な状態を保つことができます。

 洗濯槽の汚れは時間が経つとカビに繋がりますので、そうなる前に汚れを落としましょう。洗濯槽クリーナーか、酸素系の漂白剤を用いて洗浄するのをお勧めします。夏は気温、湿度が高いので、月に一回程度洗浄すると良いと思います。

5-洗濯機にしてはいけないこととは?

 洗濯機の中はカビが発生しやすく、濯ぎ残した洗剤や落ちなかった汚れが洗濯槽自体に付着し、湿った状態が続くと洗濯機に雑菌が繁殖します。脱いだ衣類などを洗濯機の中に入れて置いていると湿気がこもり、汗や皮脂による雑菌が繁殖しやすいので、洗濯物は洗濯する直前に入れるようにしましょう。また、使わない時は蓋を開けておき、通気を良くしておけば汚れが付いていてもカビになりにくい状態を作ることができます。

ナチュラルクリーニング講師

本橋ひろえ

北里大学 衛生学部化学科卒業後、化学薬品会社で合成洗剤の製造を担当。子どもの頃からアトピーに悩み洗剤の裏面を読む習慣がつく。大学では化学を専攻、会社員時代には合成洗剤の製造を経験。2006年より東京を中心に各地でナチュラルクリーニング講座を実施。

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