Image by: UVO
日傘市場がここ数年で拡大している。レインコートや傘などを展開する「ワールドパーティー(Wpc.)」によると、雨傘より日傘の方が販売数を伸ばしており、ブランドが発足した2004年から日傘の販売数は右肩上がりに伸長。2019年の日傘の総販売本数が約240万本だったのに対し、2023年の今年は約300万本の販売本数を見込んでいるという。また、市場に出回る日傘にもアップデートが見られ、今年は低価格帯の日傘ではなく、ワールドパーティーが新規開発した中間価格帯ながら機能性を重視した“ガチ日傘”が特に人気を集めている。
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「一万本売れたらヒット」の傘業界で約10万本を売り上げた日傘
ワールドパーティーでは、2021年に新ブランドとして完全遮光の晴雨兼用日傘を取り扱う「ウーボ(UVO)」を立ち上げた。オンラインストア限定の展開、かつ一本7700円と日傘として低価ではないが、初年度で2万3000本を売り上げた。品質の良さとデザイン性の高さから、実店舗でも取り扱いたいという声が取引先から上がり、今年度からはロフトやハンズなど一部店舗で卸売を開始。「1万本売れたらヒット」と言われている傘業界の中で、2023年度は10万本の売り上げを見込んでいる。人気ゆえに現在は品薄状態が続いており、秋のタイミングで追加生産を計画しているという。
ワールドパーティーはこれまで、2000〜4000円代の所謂”低価格帯”の日傘を展開してきた。そんな同社が一本7700円のウーボシリーズの開発に至った背景として、広報担当者は「SNS上で、他社が展開している1万5000〜2万円程度の“高価格帯”の日傘が話題を集めていた」ことを挙げ、その上で「リサーチする中で、中間価格帯の日傘がほとんど存在していないことがわかった」と振り返る。そこから「ワールドパーティーが持つノウハウやスケールメリットを活かすことで、高価格帯と同様の品質かつ、価格を抑えたアイテムを販売できるのではないか」と考え、ウーボシリーズの立ち上げを決めたという。
一本7700円でも“コスパがいい”、求められる機能性
ワールドパーティーからではなく、あくまで新ブランドとして「ウーボ」を展開した理由については「ワールドパーティーの日傘と同列で展開するには価格帯がアンマッチだった」と補足。ワールドパーティーで展開している低価格帯の日傘と、ウーボシリーズでは、価格以外にも機能面やデザイン面で大きな違いがある。
一つは、優れた耐久性だ。同社で展開している通常の日傘は、遮光・遮蔽効果がある生地の裏側にPUコーティング加工が施されており、使用環境は頻度によって多少の前後はあるが効果の持続は約3年間とされている。一方で、ウーボでは、ラミネート加工を含む特殊構造生地を採用。生地が破れたり、ひどく傷つかない限りは半永久的に遮光率とUVカットが保たれるという。
第二の特徴に、雨傘と同等の撥水性をもつ「撥水度5級」を取得した高い耐水性がある。同社の広報担当者は「他社を含め、雨の日に使用できない日傘も多く存在する。雨の日も使える傘であること、晴雨兼用であっても、雨に打たれてすぐに劣化してしまうような日傘ではダメだと考えた」と、UVカット率・遮光率100%でありながら、遮熱・耐久性と晴雨兼用のための高い撥水性を担保することにこだわったという。
「7700円という価格でも、機能性を加味すると『コスパがいい』とユーザーに思ってもらえているのではないか。検査機関の検査結果とともに各機能の情報をWebサイトに公開していることも、ウーボの強みの認知に繋がっていると思う」(ワールドパーティー 広報担当者)。
日傘=ブラックorネイビーの時代はもう終わり?
これまで、日傘は濃色の方が日差しや紫外線を防げるとされてきたが、近年は生地の改良により、どんな色でもUVカット率と遮光率100%を担保できるようになった。これにより、同社によればブラックやネイビーのほか、ベージュやオフホワイト、ベビーピンクなどの淡色が人気を集めているという。また、フリルや刺繍がデザインされた日傘が定番の女性人気アイテムだったが、近年の購買動向を分析すると、ワンカラーやバイカラーといったカラー重視のデザインやシンプルな日傘を求める人が増えているそうだ。
今年は梅雨入りが例年より1週間ほど遅くなり、梅雨の期間が短くなるとウェザーニュースが予想を発表。暑さが長期間に及ぶ見通しで、早い時期から猛暑や紫外線対策をする必要がありそうだ。
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