TOGA 2022年秋冬コレクション
Image by: FASHIONSNAP(Ippei Saito)
今年25周年を迎える「トーガ(TOGA)」が、日本発のファッションブランドをサポ―トする楽天のプロジェクト「by R」において、2022-23年秋冬コレクションを東京・表参道ヒルズで発表した。東京でのランウェイショーは2017年以来約5年ぶり。現在、コレクション発表の拠点を置くロンドン・ファッションウィークを含めても、リアルショーは2年ぶりの復活となった。
ショーの開始前、薄いブルーの照明と、水の中で弾けるバブルのような音で満たされた会場。今季は、そんな楽し気に揺れて、軽やかに変化するアイテムが豊富に出そろった。コレクションのキーワードは、"HOOPS, BOUNGING, SWINGING"。
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Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
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身にまとうことで上下左右にホップするフォルムを作り出すのは、テーラードスーツやドレスを上下に切り離し、間にストレッチ素材を這わせたりボーン(骨組み)を仕込むユニークなアイデアだ。カットアウトの手法と、典型的なビジネススーツに対して新しい意味を提案するアプローチは、トーガが数シーズンにわたって取り組んでいる。今回は、意外性のあるボリュームと、服と身体の間のゆとりによって、歩くたびに弾む自由なフォルムを可能にした。
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1つのアイテムを上下に分断するテクニックは、ショート丈のダウンやレザージャケットなどに発展。さらには、ペプラムシルエットのニットキャミソールや、ダウンジャケットの裾をドッキングしたドレスなどにも広がりを見せ、メンズとウィメンズの垣根すらも曖昧にする。
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袖を大きくデフォルメしたジャケットも登場。前後で異なるコクーンシルエットが、新鮮な印象をもたらす。
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ショーは、ロンドンファッションウィーク中に発表したムービーとは異なる演出で、新たなアイテムを追加した東京オリジナルのルックで提案。着る人の個性に寄り添うブランドらしく「場所や着る人が違えば、それぞれの個性で服も変わって見える」というデザイナー古田泰子の考えで、同じコレクションでも2都市それぞれ違った見え方となった。ショーのラストは、多様な人々が行き交うスクランブル交差点のように、モデル全員が入り乱れる演出で締め括った。
「by R」のプロジェクトに参加した背景について古田は、「実際に"生で見る"という機会が減っている中で、2都市で見せられるというチャンスはなかなか無く、とても良い機会だった。(楽天との取り組みについて)間口を広げて幅広い方が楽しめるファッションを見せられることは有意義で、より広げることができるのではないか」と説明。
また、2月のロンドンと今回の東京では世界情勢が大きく変化していることについて、「発表の自由、発言の自由については常に意識している。文化的に自由であることがどれだけ大切で、生活を豊かにしてくれるか。それを止めるわけにはいかない。発表し続けるということが抵抗であり、わたしたちができる大事なことではないか」と自身の考えを示した。
大学で日本美術史を専攻し、2009年にINFASパブリケーションズ入社。WWDジャパンやFashion Newsの編集・記者として、東京のファッション・ウイークやセレクトショップ、ファッションビル、販売員取材などを担当。16年からフリーランスで、ファッションを軸にライフスタイル、アートの記事執筆・カタログなどを手掛ける。
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