Image by: FASHIONSNAP
クリエイションの枠にとらわれない作品を制作し続ける国内外の若手マルチアーティストにフィーチャーする新連載「テルミアバウッチュ!(Tell me about you!/あなたのことを教えて!)」。第1回はイギリスを拠点に活動する22歳のフットウェアアクセサリーデザイナーのテガ・アキノラ(Tega Akinola)をピックアップ。5つの質問から彼女のクリエイションを紹介します。
テガ・アキノラを紐解く5つの質問
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名前:テガ・アキノラ
年齢:22歳
拠点:イギリス
使用できなくなったUSBケーブルやイヤホンを用いた靴や帽子、フリースアイテムをバッグにリメイクしたアイテムなどを制作。インスタグラム上で発表したところ、世界から注目を集めた。
公式インスタグラム
作品の原点は?
大学ではファッションと関係のない学問を学んでいたので、趣味や空き時間に制作を始めたことが今の活動の原点になっています。といっても、当時はお金も節約したかったので、アップサイクルや廃材を使ったクリエイティブなプロジェクトとして取り組み始めました。昨年、大学を卒業してからはフルタイムで仕事をしていますが、今でも中古の材料を再利用した手法は変わっていません。
代表作その1「ケーブルヒール」
私の作品の中で一番人気なのが、故障し廃棄されたケーブルを使ったプロジェクト!パンデミックの初期、ロックダウン中で作った作品「ケーブルヒール」はプロジェクトの代表作です。
当時、時間だけはあったので部屋の中で壊れたケーブルを何本か見つけて、捨てずに「いつかクリエイティブなプロジェクトに使おう」と取っておいたことがきっかけ。
今ではさまざまな種類のケーブルや結束バンドを使って、構造物のようなアート作品や身につけられる作品にまで発展しています。
代表作その2「フリースバッグ」
私のもうひとつの代表作は、フリースを再利用したバッグ。シンプルなコンセプトですが、ずっとやってみたかったことだったんです。
中古のフリースを調達し、ミニバッグとして再構築しています。
カラフルで遊び心があり、ユニークなデザインなのでみんなからのレスポンスが多い作品ですね。
若手アーティストは現在のクリエイションシーンをどう見る?
ソーシャルメディアの力を借りることでより豊かになってきていると思います。
誰でも、さまざまなクリエイターの作品をオンラインで見ることができるし、素晴らしい作品を発表しているクリエイターが世界にはたくさんいる。
ストリートウェアとラグジュアリーのようなファッションにおけるサブセットの境界線が曖昧になったおかげで、バックグラウンドを持っていない人たちも、その才能を認められ、認識されてきていることは希望だと思います。
今後チャレンジしたいことは?
どの作品においても、自分の作品は常に革新的なものであってほしいし、今までに見たことのないようなものを作りたい。それが自分のシグネチャーになればと思っています。
先ほど話した通り、私もファッションにまつわるバックグラウンドを持っていないので、そういう意味では異質な存在であり、だからこそ今後とも同じ境遇の人たちに刺激を与えていけたらと思います。
1991年生まれ。国内外のファッションデザイナー、フォトグラファー、アーティストなどを幅広い分野で特集・取材。これまでの寄稿媒体に、FASHIONSNAP.COM、GINZA、HOMMEgirls、i-D JAPAN、SPUR、STUDIO VOICE、SSENSE、TOKION、VOGUE JAPANなどがある。2019年3月にはアダチプレス出版による書籍『“複雑なタイトルをここに” 』の共同翻訳・編集を行う。2022年にはDISEL ART GALLERYの展示キュレーションを担当。同年「Gucci Bamboo 1947」にて日本人アーティストniko itoをコーディネーションする。
(企画・編集:古堅明日香)
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