“本当に涼しい”日傘の売上が3倍に 体感温度ー4℃以上を叶える「東レ サマーシールド」を使用した日傘が人気
2way2段折りたたみ傘(税込7590円、約303g)
Image by: シューズセレクション
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“本当に涼しい”日傘の売上が3倍に 体感温度ー4℃以上を叶える「東レ サマーシールド」を使用した日傘が人気
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年々深刻さを増す酷暑を受けて、日本の夏の必需品となりつつある日傘。男性向けの日傘や高校生のための日傘、といった幅広いターゲティングの商品が各社から展開されている。
日傘と言えば「遮光率」や「紫外線遮蔽率」といった数値が重視されてきたが、年々拡大する日傘市場の中で、今注目されているのは「涼しさ」だ。そうした中、東レの「サマーシールド」という生地を使用した日傘が、「驚くほど涼しい」とテレビやSNSで話題を集めている。サマーシールド素材とはどのようなものなのか、素材の特徴から人気の背景まで、東レとサマーシールドを使用した傘を販売しているシューズセレクションの担当者に聞いた。
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体感温度ー4℃以上を実現 サマーシールドとは?
サマーシールドは、従来の日傘用の「遮光・UVカット」機能を持つコーティング生地に、遮熱機能を持つラミネート加工を施したもの。日傘の他には、アウトドア・スポーツ大会用のテント、リゾートホテル向けパラソル、ベビーカーの幌(ほろ)などに使用されている。
遮熱・遮光・UVカット性に加え、スポーツ衣料に多く見られる「ラミネート加工」(既存の数倍の機能的耐久性を持つ特殊膜を貼りつける)という手法を導入したことで、従来のコーティング加工では難しかった遮光・UVカット機能と遮熱機能の高水準での両立を実現。サマーシールドを使用した傘は「体感温度マイナス4度以上」を実現するという検証結果もある。なお、生産は全て国内の工場で行われている。
前年同月比300%売れたモデルも 実需前から好調
サマーシールドの開発が始まったのは、「猛暑日(最高気温35度以上)」「熱中症」と言う用語が導入された2007年。当時は、夏の最高気温が30度を超える日が珍しくなくなってきた頃で、「夏場を少しでも快適に過ごせるように」と、タウンユース向けの新素材として開発に着手した。その後傘メーカーのオーロラと製造した日傘を2011年の夏物のセール時期に発売すると、定価販売にも関わらず約5000本のテストセールス品は2週間で完売。製造を担当したオーロラ、東レともに手応えを感じ、翌2012年向けに本格量産に入ったという。
過去の生産数は2019年に一度ピークを迎えたが、コロナ禍で販売減少。しかし、コロナ禍が明けた2023年の販売数は2019年を上回り、2024年度はそれを更に上回る見込みだと東レの広報担当者は話す。従来の店頭販売ピークは実需に応じて7、8月頃だったが、今年はSNS等の影響もあり、6月時点で既に売上は好調だという。
サマーシールドを使用した日傘を展開するシューズセレクションは、2022年2月に同素材を使用した日傘を展開するブランド「コカゲプラス(COKAGE+)」を始動。当時は、「熱中症対策」といった暑さを凌ぐことへ社会的な関心が高まっていたのに対し、傘業界では「日傘の生地で紫外線をいかに遮蔽できるか、完全遮光といえるか、ということのみに注力する傾向があった」とシューズセレクションの広報担当者。現在は日傘がアパレル・コスメ業界でUV対策商品として広く取り扱われるようになったことや男性の日傘利用も浸透してきたことから、日傘市場全体が拡大、売り上げも伸びている。加えて、「美容目的」ではなく「日除」のために広い属性の消費者が日傘を手にとる機会が増えたことで、「暑さ対策」にもなる日傘需要が増加。SNSやテレビでの話題化も後押しし、コカゲプラスの商品の今年5月の売り上げは前年同月比300%となった。
綿混素材や、東レのサステナブル素材「&+」バージョンなど、派生素材も存在するサマーシールド。同素材の人気を受け東レは、現在のスペックとクオリティを維持、または向上する事を前提に、同社の海外工場での生産も視野に入れて増産を検討中。このほか、軽量化や生地の表面感や柄を変化させ意匠性を持たせるといった、バリエーションの充実も勘案しているという。
本格的な夏を前に、すでに全国の熱中症による救急搬送者数は急増している。今夏は、「涼しさ」もひとつの日傘選びの基準になりそうだ。
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