snap inc. 日本支社 長谷川代表
Image by: FASHIONSNAP
Z世代のSNSとの関わり方
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ー競合他社も多様な新機能を搭載するなど、各SNS企業がしのぎを削っています。スナップチャットが今の時代に、Z世代に受け入れられている要因をどのように捉えていますか?
Z世代は親世代、いわゆるソーシャルメディアを使い始めた第一世代を間近に見てきています。「自分ではない何か誰かになろうとする」「自分を良く見せようと頑張って投稿する」といった、既存のソーシャルメディアのあり方を見てきた若者からすると、自分をさらけ出せることに心地良さを感じ、そして自然体でいられる場を求めているのかもしれません。
ーZ世代以外にもスナップチャットは浸透している?
はい、Z世代以上の方々の支持も高いと言えます。グローバルのユーザーのうち40%が25歳以上で、30〜40代もコミュニケーションツールとして積極的に使用しています。現代社会において、自然体の自分でいたいと願うことはZ世代に限らずどの年代でも感じていることではないでしょうか。若年層向けのアプリだと思われがちですが、決してそうではなくて、"ソーシャル疲れの処方箋"を必要している方すべてにワークするのではないかと感じています。
ーZ世代のカルチャーはアメリカを起点に世界へと波及していくパターンが定石なのでしょうか。
そういったパターンのトレンド事例も多いですが、日本で火がついて世界的なトレンドが生まれることもあるのでケースバイケースではないでしょうか。スナップチャットにおいては海外で9割の若者が使っている中で、同じようなムーブメントを日本でも起こしたいと考えています。
ースナップチャットのユーザーはどのように機能を活用しているのでしょうか。
スナップチャットにはカメラやストーリーの他にも、マップやチャット、スポットライト、カタログ型ショッピングレンズなどさまざまな機能が搭載されています。マップ機能では位置情報を公開してユーザー同士で今どこにいるのかを共有できるので、いわゆる「ゼンリー(Zenly)」的な使い方と言いますか、お互いの位置をチェックして近くにいる友達を食事や遊びに誘うといったことに活用する人は多いですね。
また、公開範囲がパブリックに設定されているユーザーのストーリーは誰でも閲覧可能なので、世界中の行ったことのない場所の景色や人々の日常を垣間見るといった楽しみ方もできます。誰かに見せるための"作られた日常"ではなくて、本当に素の人々の何気無い日常が見れるのは中々面白いですよ。
ーZ世代はどのようなことに関心を持っていると思いますか?
それは私よりもZ世代の子たちに直接聞いてもらった方が確実かもしれませんが(笑)。私が理解する彼らというのは、本当にいわゆるオーセンティックなメディアであったり、あまり作り込まれていない素が感じられるストーリー性だったり、あるいはそれらを自分で創出できるような場であったり、そういった物事に非常に関心が高いように感じています。SNSでの交流が加速した現代は窮屈になってきており、息を吸うように気軽に発信したり受け取ったりすることを、Z世代と呼ばれる人々を含め若い世代が必要としているように感じています。
ーZ世代は自信の立場や考えに対して、SNSなどを通じて明確な意思表示をする傾向が高いように感じます。
そうですね。人種問題や紛争、環境問題などに対して当たり障りのないことを言うメディアやブランドよりも、しっかりと自信のポジションを明示しアクションを起こす企業を彼らは支持する傾向があるように思います。そして彼らもまた、「このブランドはこういうアクションを起こしているので支持する」「この企業の考え方には賛同できない」などはっきりと意思表示をする。思想やストーリーが消費行動にも密接に紐付いている印象を受けます。
ー最後に、日本市場における今後の展望をお聞かせください。
今はまだ日本のオフィスを開いたばかりですし、数値を追い求めるというよりはまずはスナップチャットのコアバリュー、プレッシャーなく気軽にコミュニケーションできるという部分を広めていくことに重きを置いています。日本らしいコンテンツを通じて、日本のカルチャーに沿ったユーザー体験を届けていきたいと考えています。
(聞き手:長岡 史織)
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