「BETTY CATROUX - YVES SAINT LAURENT 唯一無二の女性展」を訪れた水原希子
Image by: SASU TEI
彼女はファム・ファタール。運命の女——
時代を象徴するファッションアイコンであり、ムッシュ イヴ・サンローランの「片割れ」でもあったベティ・カトルー。10代からモデルとして活躍した彼女は、183cmの長身とプラチナブロンド、両性具有なスタイルと奔放なアティテュードで知られ、30年以上にわたり彼のミューズであり続けた。そして今なおブランドのシグネチャースタイルに影響を与え続けている。
現在、東京の寺田倉庫B&C HALL / E HALLで開催中のエキシビション「BETTY CATROUX - YVES SAINT LAURENT 唯一無二の女性展」は、彼女の神話とスタイルを紐解く内容となっている。その精神に共鳴した水原希子が今、ベティの反骨精神、ミステリアスさ、そしてシックなモダニティに自身を重ね合わせる——。
エキシビションの開幕に先駆けて、気鋭のフォトグラファーSASU TEIが漆黒の館内で現代のファッションアイコンである水原希子を撮り下ろした。
彼女はミューズ
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1967年、イヴ・サンローランはパリのナイトクラブでベティの姿を見つけ、“一目惚れ”をしたという。デザイナーとして彼女の姿に理想のフォルムを見出し、その超然とした精神性に強い繋がりを感じたのかもしれない。やがてソウルメイトとなった二人の絆は、ムッシュのクリエイションや当時のポートレイトからも見てとれる。
彼女は奔放でセクシー
ベティのふるまいは、まるで天衣無縫な女神のよう。ヘルムト・ニュートンやアーヴィン・ペン、ジャンルー・シーフ、スティーブン・マイゼルといった世界的なフォトグラファーがこぞって撮影し、彼女の美しさを捉えようとした。ジュエリーとヒールだけを纏ったヌードフォトも、彼女らしい大胆なアティテュードだ。
彼女は性を超えた存在
「私の体型は普通じゃない。背は高すぎるし、細すぎるし、ラインがシャープすぎる。女性が好きそうなものは好きじゃないの」——メンズスーツを好み、サングラスをベルトに挟んで街へ出かけたベティ。サファリジャケットや、タキシードを素肌に羽織る姿もアイコニック。フェミニンとマスキュリンのミックスは、昔も今も彼女の代名詞だ。
彼女のスタイルは不変
「サンローラン」の現クリエイティブ・ディレクターであるアンソニー・ヴァカレロは「ベティはまさにサンローランそのもの」と語る。場内で上映されるムービーでは、二人が当時のスタイルを振り返るシーンも。圧倒的なカリスマ性を持つ彼女は、77歳となる今もクリエイターたちを魅了し、インスパイアし続けている。
彼女はいつだってモダン
「サンローラン」の2018年フォールキャンペーンのモデルを務めるなど、現在もファッションアイコンとして注目されているベティ。デイヴィッド・シムズが撮影したモノクロのビジュアルは、タイムレスな彼女の魅力を捉えている。目元をサングラスで隠し、レザージャケットを着こなす彼女はロックスターさながらだ。
彼女は永遠のアイコン
「私はアンソニー・ヴァカレロの佇まいがとても好き。彼はサンローランの空気感や、ミステリアスなムードをよく理解している。女性に対する捉え方もね」と語るベティ。最後の展示空間には、ヴァカレロがベティへのオマージュとして作成した「サンローラン」のルックが煌びやかに並ぶ。彼女のスタイルは永遠だ。
展覧会は寺田倉庫B&C HALL / E HALLにて12月11日まで開催。会場にはブックスストアやカフェ(フードはアランデュカスが提供)が併設されている。また、2002年にパリで開催された「サンローラン」の回顧ショーのランウェイを歩いた経験を持つ冨永愛による音声ガイドと共に展示が楽しめる。
Photography: SASU TEI
■展覧会概要
「BETTY CATROUX - YVES SAINT LAURENT 唯一無二の女性展」
アンソニー・ヴァカレロ監修
開催期間:2022年12月11日(日)まで
開場時間:10:00~19:00(最終入場 18:20)
会場:寺田倉庫B&C HALL / E HALL
住所:東京都品川区東品川2-1-3
入場料:無料
予約:事前予約制(サンローランのLINE公式アカウントから申し込み)
公式サイト
※冨永愛によるオーディオガイドを提供するため、イヤホン持参を推奨。
※ブックストア、カフェの支払いはカードのみ(VISA/MASTER、DINERS、JCB、MUFGカード、AMEX、ギンレン)
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