DAY 3: 花園が広がるショー会場へ
6月24日、パリの天気は晴れ。ディオールのショーに向けて、ホテルの部屋で準備を整えます。手にした招待状には、ムッシュ・ディオールが子どもの頃から好きだったという植物が描かれていて、中には花の種が封入されていました。
横浜さんがこの日のために選んだのは、ペールグリーンのセットアップ。二重に仕立てられたラペルから袖のパーツが垂れ下がったユニークなデザインです。片方の襟を立てる着方は、ディオールならではの粋なスタイル。ヘアメイクもガラリと変え、夏らしく爽やかな雰囲気です。
ホテルを出ると突然の雨。実は"雨男"だという横浜さんですが、パリの天気は変わりやすいためショー会場に着く頃には日差しが戻り、澄んだ青空が顔を出すという奇跡のような展開に。
今回のコレクションの舞台となったのは、パリ5区にあるヴァル・ド・グラース王立修道院の敷地内。横浜さんは到着するとすぐにフォトコールに応えてフラッシュを浴び、巨大な白いボックス型の特設会場へと進んでいきます。
中に入った瞬間、思わず感嘆の声が上がるショー会場。40種類以上もの草花が生い茂る庭園が広がっていました。両端には、絵本の世界に出てきそうな小さな家が建っています。
観客席から向かって左側がムッシュ・ディオールの故郷グランヴィルの邸宅、そして右側はイギリスのイースト・サセックスにあるイギリス人画家ダンカン・グラント(Duncan Grant)の住まいで、芸術家や学者からなるブルームズベリー・グループの拠点となっていたチャールストンハウス。2つの家を結ぶようにモデルが庭園を歩いて行き来することで、時空を超えた繋がりを表現していました。
フロントローに座る横浜さんの目に止まったのはテイラードスタイルと夏らしいカラーリング。メンズ仕立ての「バー」ジャケットや、内側の構造が透けて見えるオーガンザで仕立てられたロングジャケットなどが印象に残ったそう。
フィナーレでキム・ジョーンズ氏が姿を見せると、会場は大きな拍手に包まれました。横浜さんは、画面越しではわからない、生のショーならではの空気感とともに楽しんだようです。
「圧巻でした。生で見ると全然違いますね。僕は自然が好きなので、庭園から自然を感じられてリフレッシュできました。遊び心のあるルックがたくさん登場していて本当にかっこよかったし、モデルさんたちもクール。間近で見ることができて、幸せな時間を過ごせました」。
DAY 3 NIGHT: ディオール本店でのパーティーへ
フォーマルなブラックジャケットに着替えて、ディオール本店で行われるアフターパーティーへ。ボトムにフロッキーデニムを選ぶことで程よくカジュアルダウンさせたスタイルです。
横浜さんは、続々と集まるゲストらと挨拶を交わすなどリラックスした表情。著名な帽子デザイナーでディオールのヘッドピースを25年にわたり手掛けているスティーブン・ジョーンズ(Stephen Jones)氏と談笑するシーンも。2年の歳月をかけてリニューアルされた本店の美しいインテリアデザインやオブジェ、展示ピースとともに楽しみました。
初めてのパリで過ごした3日間。横浜さんの心には何が残ったのでしょうか?
「ディオールの歴史を知ることができたのが、一番大きいかもしれないですね。より好きになりましたし、僕もアンバサダーとして魅力をもっともっと伝えていきたいなと思いました。パリの街並みはどこで写真を撮っても絵になるし、人がすごく温かくて好きになりました。また来たい街です」。
photo: Koji Hirano
movie: Shunsuke Nakamura
hair & make up: Taichi Nagase
composition & text: Chiemi Kominato(FASHIONSNAP)
DIOR 公式サイト
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