欧州に爽やかな初夏が訪れた6月下旬、俳優 横浜流星さんの姿はパリにありました。「ディオール(DIOR)」サマー 2023 メンズ コレクションのファッションショーに、ジャパン メンズ アンバサダーとして初めて出席するために渡仏。パリの街で過ごす様子から、ショーまでの準備、そして華やかなランウェイまで、その姿をドキュメントします。<密着ムービーは記事末に掲載>
DAY 1: シャルル・ド・ゴール空港に降り立つ
一年で最も昼間が長くなる夏至を迎えたばかりのフランスは夜10時まで明るく、カラッとした空気が気持ちの良い季節。セーヌ川沿いや公園でピクニックをしたり、ショッピングや観光を楽しむ人々で賑わいます。
6月22日の夕刻、フランスの空の玄関口であるシャルル・ド・ゴール空港も多くの人が行き交っていました。横浜さんが乗った飛行機は、定刻よりも少し早く到着。黒をベースに「ディオール」のブルゾンとカジュアルなトラックパンツ、そしてキャップを合わせたクリーンな空港ファッションで到着ロビーに姿を見せました。
機内では本や台本を読んで過ごしていたそう。ここからパリの旅が始まります。
DAY 2: ディオール75年の歴史に迷い込む
6月23日昼、ブティックやホテルが立ち並ぶパリ8区のモンテーニュ通りを散策しながら向かったのは、ディオール本店の全面リニューアルと同時に誕生した「ラ ギャラリー ディオール」。今年3月にオープンしたばかりの特別な展示スペースです。
エントランスをくぐり、まず目を引くのが壁に施されたアート。題材となったのはなんと、クリスチャン・ディオールが残した指紋。ここはムッシュがディオールを創設した本物の場所だということを示しているようです。
一歩足を踏み入れれば、1946年の創設以来75年にわたり続いているディオールの物語の中に迷い込んでいくよう。横浜さんはまず、螺旋階段を囲んで1800点以上のミニチュアドレスやバッグが宙に浮くように展示された"ディオラマ"に目を奪われました。
ムッシュ・ディオールの生涯を辿る部屋では、メゾン創設のきっかけになったという星のオブジェを発見。また華やかな舞踏会を演出した大広間では、部屋全体に美しい星空が投影されるシーンもあり、思わず足を止めて見入ります。
「僕の名前にも"星"が入っているので、縁を感じて嬉しいです」。
今回は特別に、通常は立ち入ることができない秘密の部屋が公開されました。それぞれのメゾンが本社のサロンでオートクチュールコレクションを発表していた当時、実際にショーに使われていた象徴的な階段と、その先にある支度部屋"キャビン"。慌ただしい舞台裏の情景が目に浮かぶほど、当時のままの状態で保存されている貴重な場所です。
無数のトワル、ムッシュの机、クチュリエの手仕事、宝石のような香水瓶・・・ディオールのヘリテージを紡いできた美しいドレスや歴史的な品々と、13の部屋。それぞれ趣向を凝らしたスペクタクルな空間演出に、目を輝かせながら没入していく横浜さん。
「ここはきっと、1日中見ていても飽きませんね」。
ギャラリーを含めた本店の広さは約2000平方メートル。ディオール創設の地で、フランスを代表するクチュールメゾンの真髄に触れました。
クリスチャン・ディオールの肖像
DAY 2: 特別な衣装選びとフィッティング
次に訪れたのは、凱旋門の近くに位置するディオールのショールーム。翌日に発表となる最新コレクションの調整作業が進行する中、横浜さんがショーに出席する際に身につける衣装のフィッティングが行われます。
ラックには、メンズ アーティスティック ディレクターのキム・ジョーンズ(Kim Jones)氏が横浜さんのために選んだアイテムがずらり。ブルーやグリーン、ピンクなど、フレッシュなカラーが多いようです。
「初めて見るデザインなので、どれが良いのか迷いますね」。
それもそのはず。ディオール ジャパン メンズ アンバサダーである横浜さんは、今回特別に多くのゲストの中でも数人のみの待遇として、明日発表されるサマー 2023 メンズ コレクションを着用することになったのです。最新のルックに袖を通していきます。
ここで、クチュールメゾンが誇る技術を垣間見ることができました。テイラードの専門スタッフが、まるでオーダースーツを仕立てるように、試着したサンプルを体型に合わせてピン打ち。そして一晩で各所を縫い直して完成させます。
途中、フィッティングルームにやってきたのはディオール メンズコレクションのアーティスティック ディレクターであるキム・ジョーンズ氏。横浜さんとは初対面です。笑顔で握手を交わし、日本のことや新作のインスピレーションについてなど、会話が弾みました。
【次のページは——いよいよショー当日】
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