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祈りとしての縄文土器をまとう、リュウノスケオカザキが魅せた造形美

Image by: FASHIONSNAP

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祈りとしての縄文土器をまとう、リュウノスケオカザキが魅せた造形美

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 東京藝術大学大学院美術学部デザイン科を首席で卒業したデザイナー岡﨑龍之祐による、「リュウノスケオカザキ(RYUNOSUKEOKAZAKI)」初のファッションショー「000」は、広義の意味での「デザイン」における造形美を再び考えさせられるショーとなった。着るための必要美を超えた領域にある「絶対的な美しさ」がそこにはあった。

岡﨑龍之祐が表現するのは「祈り」

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 デザイナーの岡﨑龍之祐は1995年、広島県生まれ。日本人にとって、広島県は第二次世界大戦において原子爆弾を投下された街として強く記憶されている。岡崎自身もまた、自らが生まれ育った歴史や風土をバックボーンとし、その中で何度も「平和」について思考を巡らせてきたという。最初期の作品「Wearing Prayer」は、広島に送られてくる折り鶴の再生紙を細かく裁断した紙糸を使用。世界中から寄せられる平和への「祈り」が、衣服として昇華されたものだ。

縄文時代の「信仰」を現代のドレスに

 岡崎は、祈りの歴史の中でも最もプリミティブ(原始的)なものの一つとして、縄文時代における土器をあげる。縄文時代の人々は、自然に恩恵を受け、それ故に自然の脅威にも晒されていた。自然に対する畏怖と畏敬を同時に抱えていた縄文人は、縄文土器や土偶を作り、願い、信仰することで自然との営みを続けてきたと言われている。自分たちではどうしようもない大いなる力によって、受け入れがたい現状に直面した人々は、呪術的とも呼べる祈りや信仰を用いて説明付け、ひいては「この禍は、理由があってもたらされた」と受け入れようとする。禍への畏怖の歴史は、縄文時代から脈々と語り継がれ、我々現代人の生活にも続いている。例えば、自らを鼓舞するための験担ぎは、現代まで続いている祈りの形と言って良いだろう。岡崎の言葉を借りるなら「人々が生きていくことそのものに対する願い」が、土器に込められ、またそれは祈りの歴史として現在にも続いている。

 岡崎はデザイン画を描かずに、製作をするという。

「デザイン画を描くよりも先に、素材に触れ、その特性を生かして、組み合わせを探りながら造形し、その過程で作者の想像を超えるものが生み出される瞬間に深い感動を覚えるのです」(岡﨑龍之祐)。

 そうして作られた「JOMONJOMON」はデザインのバリエーションが豊かである。縄文土器の波状や、突起を彷彿とさせる立体的な造形を基本に、臀部や頭部が土偶のように大きく膨らんだドレスや、身頃が身体に密着しながらも肩口が反り返り鋭利になっているトップスなど様々なデザインが披露された。同アイテムにおいて特に興味深いのは、ドレスに用いられている素材だ。リブ素材や軽量ニットなどの、伸縮する特性を持つファブリックに、ボーンテープや芯糸が織り込まれたドレスは、モデルが歩く度に上下にバウンドする。

 岡崎は2021年6月に「JOMONJOMON」を含む作品の個展を開催している。その際に発表されたドレスは、身体に纏われることはなく、高い台の上で静置されていた。人々が見上げるような形で展示されていたJOMONJOMONはさながら祭壇のような様相。今回、モデルによって着用され揺れ動いたJOMONJOMONは、祭壇で祀られていた神のようにも見える。

 一方で疑問も残る。岡崎はなぜ、近代的な伸縮性のある素材を用いたのだろうか。祈りの歴史の中でも原始的である縄文時代の祈りは、物質そのものへの崇拝が必要不可欠のようにも思う。柔らかで近代的な素材を使用した理由は、岡崎が考える「祈り」の捉え直しなのだろうか。それとも、縄文時代では存在しないが故に、用いりようがない近代的な素材を使用することで、祈りにおける神秘性を表現したかったのだろうか。

花弁のような造形を人がまとう

 現実世界には、絵画における実線のような輪郭は存在しないが、人間は対象を認識する時に輪郭を必要とする。自然崇拝の観点から製作されたという「Nature's Contours」の花弁のような造形は、ハリのある厚手のメッシュ素材を黒く縁取り、本来自然界には存在しない「輪郭」を思わせる。曲線的で有機的なアウトラインは、ロックミシンによって強調されている。

古堅明日香

 岡崎は、花弁や昆虫のような造形を人がまとうことで「自然を内包し、自然に擬態し、自然に還っていく循環を表現したかった」と話した。

RYUNOSUKEOKAZAKI 2022年春夏

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