冬といえば、マラソンの季節。つい先日開催された東京マラソンでは、ハリー・スタイルズ(Harry Styles)が出走したことで話題を集めましたが、来る3月9日には、バンテリンドーム名古屋を拠点に、名古屋ウィメンズマラソンが開催されます。そこで、普段からスポーツの分野で記事を執筆しながらも万年運動不足の編集者が、レースへの参加を決意! およそ2ヶ月半の練習期間を経て、完走を目指します。本企画では、日々のトレーニングと成長の記録から、フルマラソン本番までをレポート。そろそろランニングに挑戦したいという運動不足仲間は必見です。
ランニング、何から始める?
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筆者が出走を決めたのは、2024年12月末。それまで運動習慣はほとんどなく、ダイエットを決意してランニングを始めては、3日坊主で終わる日々を繰り返していました。学生時代から足が遅く、マラソン大会は毎年ビリ付近をウロチョロしていましたが、長距離を走ることは嫌いではなく、むしろ好きでした。そこで、「ランニングを習慣化したい」という純粋な動機から、フルマラソンへの参加を決意。そんな超ビギナーの筆者目線で、まずはランニングを習慣化するためにしたことを、備忘録も兼ねて記します。
まず、揃えるべきアイテム
ランニングを始めるにあたり、まず最初に知りたいのが「何が必要なのか」。お気に入りのウェアを揃えて形から入ると、気分も上がります。そこで、まずは以下のアイテムを揃えました。

・ジャケット 防風機能のあるジャケットは、寒い時期のマストアイテム。走っていくうちに体温が上がるので、冬場でも薄手のものがおすすめ。長時間走っていると、少しの重みがストレスになることもあるので、過度の防寒には要注意です。
・レギンス or ショーツ レギンスは、程よい着圧のあるものが◎。筋肉の揺れを軽減し、関節をサポートしてくれる働きがあります。よく「ランニング中、スマホをどこにしまうの?」と聞かれることがありますが、ランニング用のボトムスは、腰や腿などの揺れが気になりにくい箇所にポケットが付属しています。スマホ以外にも細かい必需品を持ち運びたい場合には、ウエストポーチもおすすめです。





・Tシャツ 通気性の良いメッシュ生地や、薄手で軽量な生地がベスト。
・スポーツブラ ランニングによるバストの揺れを防ぐため、女性にとってスポーツブラはマストアイテム! ジャストサイズを選ぶようにしましょう。
・キャップ 一年中を通して気になる紫外線から守ってくれるキャップは、メッシュ生地など、ランニング用に作られたものを選ぶのがベター。
シューズの選び方
ランニングに欠かせないのが、ランニングシューズ。筆者と同じ初心者なら、まずは初心者向けの機能を備えたモデルを手に取るのがおすすめです。ランニング習慣のないエントリーランナーにとっては、スピードを求めるエリートランナー向けの高機能シューズを選ぶと、怪我の原因になることもあるのだとか。まずは初心者向けのモデルを試して、慣れてから自分の求める機能を持つシューズを選ぶようにしましょう。
筆者は、「ニューバランス(New Balance)」の「フレッシュフォーム X 1080 v14(Fresh Foam X 1080 v14)」を愛用中。柔らかいクッション性がありながら、足を支えてくれるような安定感のある履き心地で快適に走り続けることができるモデルです。

フレッシュフォーム X 1080 v14。日々のトレーニングによる汚れは、ランナーの勲章です。
無理なく続ける秘訣
ランニングを始めたばかりの初心者が最初にぶち当たる壁、その名も「三日坊主」。たとえ三日坊主になったとしても、走り始めたことに意味がありますが、フルマラソン完走のためには、そうも言っていられません。そこで、筆者が走り続けるために実践したのが以下の2つ。
- 何も考えず、とにかくウェアに着替えて、ランニングシューズを履いて外に出る。
夜型の筆者は、平日、仕事が終わってから走ることをルーティーンにしていましたが、帰宅後に一度まったりしてしまうと、外に出るタイミングを見失い、そのままサボってしまうこともしばしば。そこで、何も考えずに外に出て、とりあえず足を動かす、題して「Dont think, Run!(考えるな、走れ!)」のメソッドを取り入れていました。寒い冬、外に出ることがどんなに面倒でも、走り出してしまえばこっちのもの。走り終わる頃には、高揚感で胸がいっぱいになり「走ってよかった!」と爽快な気分になります。
ちなみに、夜間のランニングは危険が伴うため、なるべく街灯の多い、車通りや人通りのあるエリアを選ぶのがおすすめ。大通り沿いでは、同じくランニングに励む人とすれ違うことも多く、「自分も頑張ろう」と元気をもらえます。
- トレーニングの記録をSNSに投稿する
筆者は毎回、ランニングを終えるとSNSに記録を投稿するようしていました。第三者に見られているという緊張感からサボりにくくなるだけではなく、走り終わってから投稿することで達成感が満たされ、一石二鳥でした。
78日間の記録
ランニングをはじめてから大会までの期間は、78日間。超エントリーランナーの筆者にとっては、かなり短い練習期間ですが、何事もやってみなくてはわかりません。「完走」という大きな目標に向かって駆け抜けた2ヶ月半を振り返ります。
WEEK 1🏃♀️ マラソンへの出走を決意してからの記念すべきファーストランは、近所の川沿いを1キロ8分ペースで走りました。正直なところ、最初は1キロを走り切る前にバテバテに。途中で歩いたりしながら、なんとか2キロを走り切りました。たったこれだけで、翌日は全身が筋肉痛になってしまいました。歩くこともままなりませんでしたが、その2日後にもなんとか体を起こして2キロラン。1週目はこれにて終了。

ファーストランの記録。ランニングは、「ナイキ(NIKE)」の公式アプリ「Nike Run Club」を利用していました。このアプリは、1キロ毎に走行ペースをアナウンスしてくれる、ありがたい存在。
WEEK 2🏃♀️ 2週目は、家の近所の広めの公園を舞台に、およそ3〜4キロのランニングを3回実施。走り続けることだけに意識を集中すると、どうしても途中でしんどくなってしまいますが、澄んだ青空や自然の景色を見ると心が癒され、足取りが軽くなります。
WEEK 3🏃♀️ 名古屋ウィメンズマラソンに協賛するニューバランス主催の練習会に参加。代々木公園を4〜5周、およそ8〜10キロを自分のペースで走るトレーニングですが、筆者にとって、5キロ以上の長距離を走るのは人生初。正直、5キロを超えたあたりからかなりしんどかったですが、長距離走あるあるの腹痛に悩まされながらも、コーチや周りの参加者の皆さんのサポートのおかげで無事に8キロを走り切ることができました。








練習会の様子
Image by: ニューバランス
WEEK 4🏃♀️ 練習会の後から、日々の走りに変化が! いつも通りの程よいペース感覚で走っていましたが、1キロあたりの平均ペースが約1分縮みました。成長を感じると、モチベーションが上がります。

徐々に走ることに体が慣れてきたタイミングで、今回の出走をサポートしてくれているニューバランスのコーチから教わった、ペース走*のトレーニングを取り入れることに。フルマラソンの目標タイムから、自分が1キロ何分のペースでトレーニングをするべきなのかがわかります。筆者が実際に取り入れたのが、こちらの2つ。
・ E(イージーランニング)ペース:心臓への負担が少ないジョギングペース。連続的負荷耐性+長時間の運動を可能にする基礎体力の向上に効果あり。・ M(マラソン)ペース:マラソン本番のペース。ペースコントロール能力の向上に効果あり。
自分にふさわしいペースは、「VDOT Running Calculator」というツールで計算できます。今回は完走を目指すので、目標タイムを5時間30分で算出しました。こちらを参考に、Eペースで長時間走り続ける体づくりをしながら、本番はMペースで臨めるよう、トレーニングを重ねます。
Eペース:7分38秒~8分21秒/Mペース:7分47秒
*Eペース、Mペースの他に、連続的持久力向上に効果のあるT(閾値ランニング)ペースや、スピード持久力の向上が見込めるI(インターバル)ペース、移動スピードの改善に効果的なR(レペティション)ペースがあります。スピードはE<M<T<I<Rの順に速くなります。
WEEK 5🏃♀️ 5週目は、毎回必ず5キロ以上を走ることを目標にトレーニング。実際に毎日取り組んだメニューがこちら。
- Eペースで40分のジョグ&ウィンドスプリント 100m×5本
ウインドスプリントは、100メートルほどの距離を全力疾走の約8割のスピードで走るトレーニング。ジョギングペースに慣れた体に刺激を与えることで、トレーニング効果が高まるのだそう。
WEEK 6🏃♀️ 5キロ前後の練習に慣れたので、距離を伸ばして、10キロのランに挑戦。フルマラソンへの出走を決めなければ、一生、走ることのなかった距離ですが、日々のトレーニングの甲斐あって、無事に完走。6〜7キロあたりからは、なぜか足取りが軽くなってくるという未知の感覚に。これが“ランナーズハイ”...!(?)
<練習メニュー>
- Eペースで60分のジョグ&ウインドスプリント 100m×3本





“Eペース”で走ると決めたものの、ペース配分が難しく、最初に飛ばしすぎて後半は失速してしまいました。
WEEK 7🏃♀️ 日々トレーニングに励む筆者の姿を見た社内のみんなから「自分も走りたい!」と声をかけられることが増え、一躍インフルエンサー気分に。実際にジョギングを習慣化する同僚も現れるなど、走ることのパワーを感じる1週間でした。
<練習メニュー>
- Mペースで40分のジョグ
- Eペースで60分のジョグ

当初、設定したMペースよりも少し速いペースですが、余裕のある状態で走り切ることができ、走力がついた実感がありました。
WEEK 8🏃♀️ ジョギング中に欠かせないのが、音楽の存在。何かを聴きながら走ることで気分転換になったり、テンポよく体を動かすことができます。筆者は、お気に入りのポッドキャストや、オリジナルで作ったプレイリストを聴いて、心を奮い立たせていました。
<練習メニュー>
- Mペースで40分のジョグ
- インターバル走 2000m×3本&10分のジョグ
WEEK 9🏃♀️ 本番まであと2週間! 追い込みをかけたいところですが、まさかのタイミングで風邪を拗らせてしまいました。無理をして体調が悪化しては元も子もないので、トレーニングはお休み。残り時間が少ない中、焦りが募りますが、体への負担が少ないウォーキングで気分転換をします。
LAST WEEK🏃♀️ ついにレース1週間前。突然の大寒波で東京は雪模様となり気が滅入りますが、わずかな晴れ間を狙って、トレーニングを続けます。本番の1週間前に無理をして長距離を走って体に負担をかけるのはNGなので、5キロ程度のジョギングで、週末に向けてウォーミングアップをします。
<練習メニュー>
- ゆっくり50分のジョグ&ウィンドスプリント3本
いざ、レース本番へ!
約10週間の練習期間が終了! 当初は「本当にフルマラソンなんて走れるのか?」と不安に駆られながらトレーニングをしていましたが、徐々に走れるようになったことでモチベーションが上がり、無事に続けることができました。

Image by: ニューバランス
日曜日には、ついにレース本番・名古屋ウィメンズマラソン当日を迎えます。目標はズバリ、完走すること。筆者は無事にレースを終えることができるのか? 後編に続く。
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