Image by: FASHIONSNAP
国外ミュージシャンのファッションポートレートを日本独自で撮り下ろす新連載「すばらしき音楽家たちの肖像(Portraits of Fabulous Musicians)」。第2回は、ロンドン出身のバンド「ザ・エックス・エックス(The xx)」のメンバーであり、初のソロアルバムを今年6月に発表予定のロミー(Romy)が登場。彼女が2020年にソロ名義で発表したシングル「Lifetime」は、悪夢のようなコロナ禍にあって束の間のユーフォリアをもたらしてくれた。そして彼女は今、ロンドンのクラブシーンを盛り上げるハーイ(HAAi)やフレッド・アゲイン(Fred Again..)、さらに稀代のヒットメイカーであるスチュアート・プライス(Stuart Price)らと手を組み、自らの新しい音を手に入れようとしている。それは、とても繊細で、親密で、正直で、人肌のように温かいダンスミュージック。
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「The xx」ロミーに聞く10個の質問
ーAsk Romy, question by questionー
Q1. もし別の時代に生きられるとしたら、何年代のどの国がいいですか?
1980年代ロンドンのニューウェーブシーンに興味があるから、そのシーンが他の国でどのような様子だったのかが気になります。エレクトロニックミュージックやニューウェーブが誕生した時代を直で見てみたいです。
Q2. スタイリッシュだと思う人は?(身近な友人でも見知らぬ有名人でも)
バンドメンバーのオリヴァーですね(笑)。今年、パリのファッションウィークにオリヴァーと行ったんですが、自分と彼のファッションセンスが違いすぎて2人で笑っていました。彼はファッションが好きだから、この質問の答えはオリヴァー。
Q3. 自分の考えに影響を与えた格言や詩や本、あるいは映画を教えてください。
幼い頃、母に「物事は、自分が見つけたいと思う状態と同じ状態のままにしておきなさい(Leave things the way you want it to be found)」と言われたことがありました。それは「自分が他人にしてほしいことを自分もするべき(Treat others the way you want to be treated.)」と同じ意味だと解釈しています。自分以外のことも考えて、環境や周りの人を大切にする。特に急いでいる時なんかは一旦動きを止めて、相手の立場を考えるようにしています。
Q4. 今という時代をどのように捉えていますか?
今という時代を、自分に当てはめると心配することが多い。色々と考えすぎて、押しつぶされそうになるから、音楽との繋がりやクリエイティブな表現方法にフォーカスして、シンプルな方法で心を解放させるようにしています。音楽や制作活動を取り巻く状況も、時代ごとに改善されてきました。まだまだ改善は必要だと思いますが、クィアの人たちが受け入れられるようになってきたし、時代は良い方向に変化していると思います。
Q5. 個人的なSNSとの向き合い方を教えてください。
インスタグラムが好きです。友だちと繋がったり、自分の興味があることをシェアしたりするのは楽しい。また、詩や音楽を勧めてくれるアカウントをフォローしているから、インスピレーションを得るためのツールとしても使っています。TikTokはまだ始めたばかりで、使いこなすには新しいスキルが必要だと思う。なかなか難しくて、自分も歳なんだという気がする(笑)。でも、楽しんでいます。
Q6. 何をしている時が一番「安心」しますか?
DJをしている時。周りの世界が見えなくなって、自分だけのゾーンに入り込める瞬間がある。音楽だけに夢中になれるんです。最近DJをしていて、そういう瞬間があることに気がつきました。オーディエンスと繋がりを感じられると同時に、自分だけの世界に没頭しているという状態はとても瞑想的な瞬間で、素敵。
Q7. 自分のルーツと断言できる音楽は?
幼少期の記憶で覚えているのは、両親が運転する車の中で流れてきたエヴリシング・バット・ザ・ガール(Everything But the Girl)の「Missing」。多分、私が両親にかけるよう頼んだんだと思います。EBTGのボーカル トレーシー・ソーン(Tracey Thorn)には無意識に大きな影響を受けているし、同バンドがクラブミュージックを参照して音楽を作ったことは、自分にとって大きな着想源になっています。
Q8. 今までで一番美味しかった食べ物は?
ロサンゼルスにいた時、妻と一緒に食べたカニの巻き寿司。私たちはヴィーガンなんですが、魚介類はたまに食べるんです。それを食べた時はお互いに顔を見合わせて「この食べ物は感動的だね!」と。あまりの美味しさに笑ってしまいました。でも、日本で食べるお寿司の方がきっと美味しいはずだから、オススメのお寿司屋さんをも教えて欲しいです。
Q9. 好きなスポーツと嫌いなスポーツを教えてください。
サッカー。観るのもやるのも好きです。ここ2年間で、女性サッカーの状況が大きく変わったことがとても嬉しい。一方で、サッカーにはネガティブな一面もあって、ファンの中には攻撃的な人たちもいるから、ひどい意見がSNSで拡散されたりもするんです。だからサッカーは好きでもあるし、嫌いな一面もある。ただ、スポーツとしてサッカーをするのはすごく楽しい!
Q10. 一緒に仕事をして心から信頼できると思った人は?
今回のアルバムに参加してくれたフレッド・アゲインとスチュアート・プライス。自分は今まで、バンドメンバーであるオリヴァーとジェイミーとしか制作をしたことがなかったから、新しい人を受け入れるのには少し抵抗がありました。でも、彼らとは強い信頼関係を築くことができたから、自分の感情を露わにして制作に臨むことができました。
Photography:Kazuki Iwabuchi
Styling:Yosuke Shoji
Direction&Edit:Hiroaki Nagahata (STUDY Magazine)
Hair, Makeup:Yuka Toyama
Management:Mina Jokoji、Asuka Furukata(FASHIONSNAP)
Photographic Assistance:Ryota Chiba
Styling Assistance:Hana Fukumoto
連載:すばらしき音楽家たちの肖像
Vol.1:AURORA from Norway
Vol.2:The xx Romy from England
Vol.3:Fontaines D.C. from Ireland
Vol.4:Maisie Peters
■Enjoy Your Life
ロミーによる最新シングル。今作は、彼女がビバリー・グレン=コープランドのストックホルム公演に足を運んだ際、そこで演奏された「La Vita」という楽曲の中の「My mother says to me 'enjoy your life'(母は「人生を楽しみなさい」と言う)」というフレーズからインスピレーションを得て制作された。なおMVは、ロミーの妻で映画監督・写真家のヴィック・レンテーニュが手がけている。
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