同じ価格なのに女性のジャケットには胸ポケットと内ポケットがついていない——「ユニクロ(UNIQLO)」が展開している「感動ジャケット」のポケットについて男女で差があることを訴えたツイートを発端に、SNS上で様々な声が飛び交っている「女性服のポケット問題」。その動きとブランドやデザイナーの反応は前回の記事で紹介したとおりだが、今回は海外でのムーブメントに注目する。
フェミニスト・イシューとしての「ポケット問題」
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女性服のポケットが注目されているのは、はたして日本だけなのだろうか? インスタグラムでは#MeriPocket(@meri.pocket)というアカウントが「ウィメンズウェアが平気で無視しているポケットを主張することで、女性たちに活力を与えるムーブメント」を目指し、フェミニスト・イシューとして世界中のポケット問題について論じている。
2021年のMETガラ(NYのメトロポリタン美術館で毎年5月に開催されるファッションの祭典)でポケットのある「ディオール(DIOR)」のドレスを着用した女優ヤラ・シャヒディの写真には、このようなキャプションが添えられた。
「ポケットは瞬時にルックをレベルアップさせる。でも待って、創業者であるデザイナーのクリスチャン・ディオールは『男性には物を入れるポケットがあり、女性には装飾用のポケットがある』と言わなかったっけ。マリア・グラツィア・キウリは女性たちに活力を与えるために大きく前進し、ポケットなしのドレスを追い払った?」
(※キウリは「ディオール」の現ウィメンズ アーティスティック ディレクターで、就任当初よりフェミニズムを打ち出している)
他にも同アカウントでは、スカーレット・ヨハンソン主演の映画『ブラック・ウィドウ』の中で「ポケットのついたベスト」について語られる重要な場面や、40歳の誕生日に公開された英・キャサリン妃のポートレートがドレスのポケットに手を入れている姿であったことなどを伝えている。
「ジーンズのポケットにスマホを入れたい」
また、LAの人気インスタグラマーのheb(@hebontheweb)は、前述の#MeriPocketからインスパイアされ、「私のジーンズにポケットをちょうだい。フェイクのものじゃ意味がない、実際にスマホを入れられるものがほしい」と歌う動画を公開。ポケットが浅すぎるジーンズを穿いてユーモラスに訴えるこの投稿は、TikTokでも70000を超えるいいねを獲得している。
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