日本のファッションシーンを盛り上げるべく、楽天が国内外から魅力的なファッションブランドを招聘するプロジェクト「by R」。2025年秋冬では、イギリスを代表するファッションライフスタイルブランドである「ポール・スミス(Paul Smith)」が選出された。日本では実に14年ぶりとなるランウェイショーを歩いたのは、モデルの大平修蔵。本稿では、大平の一日に密着し、彼の目線を織り交ぜながら、ショーの全容、新作の魅力を解き明かしていく。
15:00 - ショー会場に到着
会場となったのは、東京国立博物館 表慶館。明治時代に竣工された、西洋の建築様式を取り入れた重要文化財だ。ショー会場へは、きちんとジャケットを羽織って臨んだ。



長袖シャツ(by R限定/2万2000円)、ジャケット(11万円)、Paul Smith + Lee ウォバッシュ ワークパンツ(3万9600円)、ネックレス(2万2000円)、ピアス(1万5400円)
この日は撮影を一本こなしてから会場入り。クラシカルで荘厳な館内をぐるりと体感しながらテンションを高めていく。ちなみにこの日は「by R」の限定アイテムであるポール・スミスのシャツを着用。
17:00 - ショー直前(リハーサル)

「ランウェイを歩くのは1年半ぶりなので少し緊張しています」と話す大平。ヘアをセットして、メイクを終えた後はアイテムのフィッティングを行う。会場内では長い回廊をランウェイにして、着々とセッティングが進められていた。椅子に置かれる形で来場者に配布されたのは、ポール氏の父であり、アマチュアフォトグラファーのハロルド・B・スミスの写真を収めたZINE。彼の写真は、今回のコレクションの軸となる重要なファクターのひとつだ。
慌ただしく人が行き交うバックステージ。リハーサルではモデルたちのウォーキングと、音楽の調整が入念に重ねられた。デザイナーのポール・スミス氏と日本の制作スタッフたちが綿密な打ち合わせを行い、会場を設営していく。緊張感のあるリハーサルだが、大平はカメラに向かっておどけるなどリラックスした様子が伝わってくる。
「モデルの中に海外のショーでも一緒に歩いた方を見つけて、それでリラックスすることができました」
19:00 - ショー本番
暗室内で作業するためのセーフライトを思わせる、赤い照明に包まれた会場。18時30分を過ぎると招待客やメディア、ファッション関係者が次々と入ってくる。15分も経つとほぼ満席状態に。そして19時15分頃、照明が明転するとショーはスタートした。

長袖シャツ(by R限定/2万2000円)
Image by: FASHIONSNAP
今回の2025年秋冬コレクションは、去る1月にパリメンズファッションウィークで発表されたメンズのプレゼンテーションにウィメンズアイテムやby R限定アイテムをミックス。アイテムは、英国らしいクラシックなシルエットで、リアリティがあり、ここならではの安心感がある。ファブリックも然りで、ウールやレザーなど天然繊維が中心だが、オレンジやグリーンなどのヴィヴィッドな配色で、随所に遊びを効かせた。
大平は7ルック目に登場した。ブルーのシアリングジャケットに、フラワーモチーフのシャツをジーンズにタックインした装い。ジーンズには花の刺繍が施され、優雅な印象をプラスしている。

Image by: FASHIONSNAP

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Image by: FASHIONSNAP
20:00 - 締め
ショー終わりにはポール氏と2ショットを撮る機会も。
「フィッティングの際も、ランウェイに出る前にも声をかけてくださって、改めてお優しい方だなと。服にもそれが現れていると思います。またご一緒できる日を楽しみにしています」

Image by: Paul Smith
今回のショーでは、「by R」限定として特別にデザインされたアイテムの一部が登場。アイテムは現在、オンラインストアで販売している。
シャツとネクタイはポール氏自身が撮り下ろしたジャパニーズオーキッド(蘭の花)をプリントしたものだ。ポール氏の美学が詰まった今回のコレクション、「by R」限定アイテムでいち早く、その世界観を楽しんでもらいたい。
「とても綺麗な柄で、着ていて気分が上がります。一枚でも十分に魅せられるアイテムで、この夏はワードローブとして活躍しそうです」(大平修蔵)
最終更新日:
model: Shuzo Ohira, photography: Takao Iwasawa, text: Ryuta Morishita, styling: Hiroyuki Abe, hair & makeup: Nobusawa Hitoshi | edit: Miki Harigae, casting: Takashi Sasai, direction: Hideya Yokoi, producer: Ryota Tsuji (FASHIONSNAP)
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