7月26日から8月11日までの17日間にわたって「パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会」が開催されます。競技中のパフォーマンスだけではなく、表彰式などで見られる選手やスタッフが着用するウェアも見どころの一つ。様々なブランドやデザイナーが各国の国旗やナショナルカラーを使ってデザインしています。今年はどんなデザインがあるのでしょうか? オフィシャルウェアと開閉会式の正装衣装にフォーカスし、まとめて紹介します。<随時更新>
※7月29日(月)更新
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日本
Image by: FASHIONSNAP
日本の公式ウェアは、2020東京大会に引き続き「アシックス(asics)」がデザインを担当。「スポーツを守り継続させていく方法を選手たちと共に考えていきたい」という思いから、「パフォーマンスとサステナビリティの両立」をテーマに掲げ、優れた機能性を備えながら、環境に配慮したアイテムを提供しています。キーカラーにはチームジャパンを象徴する「チームジャパンレッド」に加えて「サンライズレッド」を採用。朝焼けで空が染まる「パリの日の出」の力強さや暖かさを2色のグラデーションで表現しています。
式典用衣装は、赤の差し色が加えられたホワイトジャケットや、襟には開催国フランスを思わせるトリコロールカラーをあしらったシャツ、ネイビーカラーのパンツなどが揃います。なお、サプライヤーは非公表となっています。
フランス
今大会の開催国であるフランスの公式ウェアは、「ルコックスポルティフ(le coq sportif)」が提供。アーティスティック・ディレクター兼シニアデザイナーには「ピガール(PIGALLE)」のステファン・アシュプール(Stephane Ashpool)を迎えました。トリコロールを再解釈し、赤、白、青の色合いを混ぜ合わせたデザインに仕上げています。このほかにも水泳やテニス、スケートボード、体操、テニス、近代五種など30以上の競技のパフォーマンスウェアを製作する予定です。
Image by: Berluti
フランスの式典用衣装は「ベルルッティ(Berluti)」がデザインを担当。フランス国旗の色をした光沢仕上げのラペルをあしらったミッドナイトブルーのタキシードとストレッチ素材のパンツに加えて、アクセサリーとしてラペルと同じデザインのポケットチーフやスカーフ、ベルトを用意しています。女性は、巻きスカートを選ぶことも可能です。
アメリカ
開会式ウェア
Image by: ラルフローレン
アメリカの式典用衣装は、「ラルフ ローレン(Ralph Lauren)」が提供。開催都市パリとオリンピックおよびパラリンピック競技の歴史からインスピレーションを得て製作しました。開会式と閉会式でデザインが異なり、開会式は、赤と白のティッピングが施されたクラシックなテーラードシングルブレストウールブレザーとストライプのオックスフォードシャツ、テーパードジーンズとクラシックなスエードのバックシューズを組み合わせたスタイリングで登場。閉会式では、モトスタイルのジャケットにホワイトデニム、ブランドのカスタムクリエイトユアオウンプログラムのポロシャツのコーディネートが予定されています。
イギリス
イギリスの公式ウェアは、「アディダス(adidas)」が提供。ブラック、ホワイト、レッドのカラーリングでデザインされています。「炎の揺らめき」をデザインテーマに、ライニングなどの随所に炎をあしらっています。
開会式式典衣装
Image by: ベンシャーマン
式典衣装のデザインは、「ベンシャーマン(BEN SHERMAN)」が担当。開会式のウェアでは、ボンバースタイルのジャケットや、ニットのオープンネックポロシャツを提供し、ジャケットの背面にはバラ、アザミ、水仙、シャムロックの花のモチーフを刺繍しています。カラーは青、白、赤を基調にデザインしました。閉会式の選手ユニフォームは、花のモチーフが全体にプリントされた花柄のシャツが特徴です。
オーストラリア
オーストラリアの開会式の衣装は、「スポーツクラフト(Sportscraft)」が担当。女子選手は、ダブルブレストのグリーンのリネンブレザーを着用し、金色と緑色のリブが特徴のTシャツ、またはタンクトップを着用します。ボトムスは、ストーンカラーのチノショーツか緑と金色のグラデーションプリーツスカートのどちらかを選択することができます。男子選手は、Tシャツの上にシングルブレストのリネンブレザーを着用し、ストレッチチノショーツを合わせたコーディネート。ジャケットの内ポケットにはオーストラリアのオリンピック選手の宣誓が初めて記され、裏地全体にオーストラリアの夏季オリンピックチャンピオン301人全員の名前が刻まれているそうです。
ドイツ
ドイツの公式ウェアは「アディダス(adidas)」が提供。ドイツのナショナルカラーであるブラック、レッド、ゴールドを使用したウェアは、インパクトのあるフォントと詳細なグラフィックで、アスリートの内に燃える情熱の炎を表現しています。
イタリア
イタリア代表の公式ウェアは、「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」のスポーツライン「エンポリオ アルマーニ EA7」が提供。サテンのパッチで「W Italia」の文字を前面にあしらったトラックスーツや、イタリア国家の歌詞冒頭部分を襟元にプリントしたポロシャツとTシャツなどのほか、バックパックやキャップ、スニーカーなどのアクセサリーアイテムも用意されています。
ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)が提供する開閉会式の衣装は、7月26日にパリで開催された第33回オリンピック競技大会の開会式で公開。「EA7」とイタリアオリンピック委員会のロゴ「Coni」がエンボス加工されたトラックスーツを身に纏い登場しました。アッパーには2つのフロントジッパーを備え、フードはトリコロールカラーの裏地がついています。また、背中には大きなピクセルエフェクトの「Italy」の文字をデザイン。ジャケットの内側には、イタリア国歌の第1節全文が原文でハートの上にプリントされています。
カナダ
Image by: ルルレモン
カナダの公式ウェアは、「ルルレモン(lululemon)」が提供。同ブランドは、2022年北京大会から2028年ロサンゼルス大会までの4大会において公式アウトフィッターを務める予定で、今回は初の夏季大会ウェアを手掛けます。表彰式用のウェアは、ジャケットの袖やパンツの裾を切り離したりつけたりすることが可能で、気候に合わせて着用ができます。生地には軽量で通気性の良い素材を使用しました。メディア露出用のウェアは、半透明の撥水メッシュ生地を採用したフード付きジャケットと、汗を吸い取り速乾性のある「WovenAir」素材で製作したハイライズ ショートパンツを揃えます。
開会式ウェア
Image by: ルルレモン
同じくルルレモンが手掛けた開会式用のウェアは、ボマージャケットとショートパンツを用意。ジャカードプリントには、カナダのアートや建築、自然を表現したモチーフがあしらわれています。閉会式用は、地元ウィスラーの先住民、サドルレイク・クリー族のアーティスト、メイソン・マション(Mason Mashon)とコラボレーションし、オーロラなどの自然をデザイン。パラリンピアンのウェアには、点字やマグネット付きファスナーや感覚でのタッチガイドといった特殊な機能を盛り込んだデザインを採用したほか、座った姿勢で競技する選手のために、フィット感に優れた「シーテッド・フィット・カーペンターパンツ」や持ち運びしやすい「パッカブル・レイン・ポンチョ」といった2つのスタイルを提案しています。
韓国
韓国の公式ウェアは「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」が展開。韓国の国旗に記された4つの黒い掛である「乾坤坎離」の中で水を意味する「坎卦」と韓国の国旗の中央にある太極文様の「陰陽」モチーフの調和がポイントで、ホワイトを基調に東海の青さを墨絵風に表現したジャケットとブラックのパンツ、ベルトのレッドカラーで国旗の主要要素を取り入れています。
式典衣装は、「ムシンサ(MUSINSA)」が展開する自社ブランド「ムシンサスタンダード(MUSINSA STANDARD)」がデザイン。ブルーカラーのサマーウールを使用したセットアップを用意しました。ジャケットにはベルトをあしらい、清華白磁の柄をプリントした裏地が特徴です。
ポーランド
ポーランド代表公式ウェアは「アディダス(adidas)」が提供。ナショナルカラーであるレッドとホワイトを貴重にしたウェアとなっています。ロゴは、炎をイメージした新たなフォントを採用しました。
今回アディダスは、新たな挑戦として、パラリンピックのアスリートをはじめとしたより多くの人が着用できるようなユニバーサルデザインをこれまで以上に採用。ポーランドだけではなく、オリンピックウェアとして提供した全プロダクトのうち86%をユニバーサルデザインに仕上げたそう。
開閉会式に着用する衣装は、「ビズー(BIZUU)」がデザイン。ライ麦やブラックベリー、フキタンポポ、ナナカマドなどの植物を元にデザインされた柄をプリントしたワンピースやブラウス、ホワイトカラーのセットアップ、ニットなどが揃います。
ノルウェー
ノルウェーの公式ウェアは、「クラフトスポーツウェア(Craft Sportswear)」が製作。レッド、ホワイト、ブルーのカラーを採用し、シンプルなデザインのウェアとなっています。
スウェーデン
Image by: スウェーデンオリンピック・パラリンピック委員会
スウェーデンの公式ウェアは「ユニクロ(UNIQLO)」が提供。「The High-Performance Simplicity of LifeWear(研ぎ澄まされた機能美)」をコンセプトに、ネイビーをベースにイエローを差し色として採用したシックなカラーリングのウェアやバッグ、シューズなど約250種類を揃えています。大会Tシャツは、ユニクロとして初めて店舗で回収した自社製品を再利用したケミカルリサイクル素材で製作。デザインはUTのクリエイティブディレクターを務める河村康輔が手掛け、スウェーデンのユニクロ店舗では「大会応援Tシャツ」として一般販売されます。
スイス
Image by: オン
スイスの公式ウェアは同国のスポーツウェアブランド「オン(On)」が提供。スイスは、26のカントンと呼ばれる地方行政区画からなっており、今回のデザインはそれぞれのカントン旗を着想源に各旗が持つ独自の色合いや紋章を融合したグラデーションのようなグラフィックデザインに仕上げています。
フィンランド
Image by: ルッカ
フィンランドの公式ウェアは、同国のスポーツウェアブランド「ルッカ(Rukka)」が製作。アスリートから寄せられたウェアの素材や機能性に対する要望を取り入れてデザイン。素材には、リサイクル素材や新たに開発された機能性素材などが採用されています。また、開会式や表彰式の式典衣装もルッカが提供しています。
スペイン
スペインの公式ウェアは「ホマ スポーツ(Joma Sport)」が提供。ナショナルカラーであるレッドとイエローをグラデーションカラーで表現したジャケットとレッド一色のパンツを組み合わせました。
式典衣装も同様にホマ スポーツがデザイン。メンズは、レッド一色のジャケットにホワイトのシャツとパンツを合わせます。ウィメンズは、同じくレッド一色のジャケットに裾の部分をイエローとレッドでグラデーションのデザインを施したプリーツスカートを着用。ウィメンズ衣装にはバッグが付属します。
モンゴル
モンゴルの公式ウェアは、「ミシェル・アマゾンカ(Michel Amazonka)」がデザインを担当。同ブランドは、モンゴルの首都ウランバートルを拠点としており、2022年の北京冬季オリンピックと2020東京夏季オリンピックでもモンゴル代表のユニフォームを手掛けました。今大会では伝統衣装をベースに、ソヨンボ文字やパリを象徴するエッフェル塔、聖火などが刺繍されたベストを着用します。アクセサリーは、女性用にイヤリングとバッグ、男性用にアーチェリー帽子、ブーツ、ベルトを用意しました。同公式ウェアは発表後、SNSを中心に「美しすぎる」と話題を集めています。
台湾
台湾の式典衣装は、「ジャスト イン XX(JUST IN XX)」のデザイナー Justin Chouがデザイン。メンズ、ウィメンズ共にブルーのダブルジャケットにパンツを合わせたセットアップスタイルに、胸には花の飾りをあしらいました。
タイ
タイのオリンピック公式ウェアは、「グランド スポーツ(Grand Sport)」が提供。タイの世界遺産バンチェン遺跡から発掘された土器の模様を着想源にデザインされ、ポロシャツはリサイクルされたペットボトルから作られています。
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