トレンド最前線を行く者、音楽も最前線を聴け――毎週金曜日、最新アルバム・EPの中からFASHIONSNAP.COMが独自の視点でピックアップする音楽連載「今週のマストチューン」。ジャンルを問わず、今注目したい3タイトルを紹介します。5月2週目は、注目を集めるシカゴ音楽シーンの新世代R&Bシンガー ジャミーラ・ウッズ（JAMILA WOODS）、AIとのコラボレーションを果たしたホーリー・ハーダン（Holly Herndon）、新体制となってから初のアルバムをリリースしたnever young beachをセレクト。

新世代R&BシンガーJAMILA WOODSによる2ndアルバム

　チャンス・ザ・ラッパー（Chance The Rapper）やマックルモア＆ライアン・ルイス（Macklemore & Ryan Lewis）との活動でも知られるシカゴのR&Bシンガー ジャミーラ・ウッズが高い評価を得たデビューアルバム「Heavn」から約3年、待望の2ndアルバム「LEGACY! LEGACY!」をリリースしました。今年2月にMVが公開された収録曲「ZORA」は、各ラジオ局でもパワープッシュされており本作を代表する一曲。メロウながら高揚感のあるサウンドが魅力です。同じく先行発表されていた「GIOVANNI」や「EARTHA」をはじめ、いずれもクオリティが高くアンセム級の楽曲ばかり。期待に応える名盤です。

驚きのコラボレーションを発表したHolly Herndonの最新作

　エレクトロニック音楽とアヴァンギャルドなポップ音楽の淵を掘り続け、彼女特有のダイナミックで破壊的な楽曲を作り続けてきたホーリー・ハーダンが今回フィーチャーしたのは、なんとAI。スタンフォード大学に在籍しているという才女が放つ最新作「PROTO」は、「Spawn」と名付けられたAIとのコラボレーションによって生み出されたという前代未聞の作品となっています。収録曲「Eternal」は、2018年にリリースされたプロデューサー ジェイリン（Jlin）の楽曲「Godmother (feat. Spawn)」に続くシングルで、編集やサンプリング技術を一切使わず、Spawnがゴッドマザーであるジェイリンの作品群を再構想し作られています。未来の音楽の可能性を提示した本作は、音楽ファンのみならず様々な人に注目してもらいたい一枚です。

新体制となったnever young beachが初のアルバムリリース

　昨年のメンバー脱退を経て4人体制になってから初のアルバムを発表したnever young beach。4thアルバム「STORY」は新しい音に挑戦した渾身作で、10インチアナログ盤で発表した「うつらない」「歩いてみたら」を含む、全10曲を収録しています。彼らならではの心地良いサウンドはそのままに新たなグルーブ感が加わり、細部まで聴き込みたい楽曲ばかりです。アルバムの最後を飾る10曲目「Opening」では、ギター阿南作曲のシンセポップ・チューンにのせてアメリカ出身のタレント アイクぬわらがメンバーを紹介。アルバムの余韻をひっくり返すような能天気なラストナンバーが、思わずクスリとさせてくれます。

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