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A24待望の新作「ライトハウス」について考察、絶対に観てほしい7月公開映画【#Fスナ映画部屋】

ライトハウス A24 考察 映画 レビュー

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ライトハウス A24 考察 映画 レビュー

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A24待望の新作「ライトハウス」について考察、絶対に観てほしい7月公開映画【#Fスナ映画部屋】

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 トレンドの最前線を行く者、映画の最新作も気になるはず──。今月公開が予定されている最新映画の中から、FASHIONSNAPが独自の視点でピックアップする映画連載企画「Fスナ映画部屋」。ジャンルを問わず、気になる2タイトルを紹介します。

 A24待望の新作!満を持して日本公開に至った(特殊な画面サイズが祟って日本公開が絶望視されていたとの噂)ロバート・パティンソンとウィレム・デフォーのW主演映画「ライトハウス」や、本年度のアカデミー賞5部門でノミネートされ、脚本賞を受賞した大注目の映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」などをセレクト。編集部員によるゆる〜い座談会付きで、今月絶対に見てほしい注目の映画を紹介します。

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ライトハウス

Image by: (C)2019 A24 Films LLC. All Rights Reserved.

 クリストファー・ノーラン監督作品「テネット」が、早くもネットフリックスでの配信を開始し、SNSを中心に話題を集めています。主人公のジョン・デヴィッド・ワシントンはもちろん魅力的。一方で主人公を支え、物語の重要なキーパーソンとなっているニール役を演じたロバート・パティンソンに、心惹かれた人も多いはず。そんな、ロバート・パティンソン主演最新作「ライトハウス」が、A24製作のもと公開!カンヌ国際映画祭で高評価を得た本作は、実在するイギリスの灯台「スモールズ灯台」で1801年に実際に起きた事件がベースになっているとか。

気になるあらすじは?

 誰しもが心に抱えている「闇」と、暗闇における物理的な「闇」をモノクロで描いた本作は、ベテラン灯台守で少しだけ傲慢なトーマス・ウェイク(ウィレム・デフォー)と、無口でミステリアスな雰囲気を漂わせている新人灯台守 イーフレム・ウィンズロウ(ロバート・パティンソン)が、荒涼とした小さな島に到着するところから始まる。4週間に渡って、灯台と島の管理を任された2人だったが、お互いに反りが合わず衝突を繰り返す。そんな険悪な雰囲気の中、訪れた大嵐のせいで2人は島で孤立状態になってしまい……。海が荒れ狂う孤島の中、島を取り巻く不穏な空気が急速に濃くなっていく。

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一足先に「ライトハウス」を観た、同い年編集部員2人による ゆる〜い座談会

 普段はアートやカルチャー関連のほか、東京のデザイナーズブランドなどを担当。大豆田とわ子ロス中につき、日常生活を送っている中で伊藤沙莉さんのナレーションが脳内で流れるように……。

 普段はビューティやコスメ関連の記事を担当。大阪吉本の劇場巡りをしたらまんまとハマってしまったのでこの夏は「ルミネ the よしもと」に入り浸りそう。余談ですが芸人さんの衣装がどこに売っているのかいつも気になります。※私はリトルトゥース

フルカティ:2021年下半期ベスト出たかも知れない。

マサミーヌ:さすがに早すぎる気がする(笑)。でも「A24」への信頼度がさらに増した!

フルカティ:私、所謂ベストムービーを聞かれたら「レディ・バード」「ラッキー」「ア・ゴースト・ストーリー」は絶対に入るんだけど。(「エクス・マキナ」「ウェイブス」「複製された男」「20センチュリー・ウーマン」あたりも捨てがたい……!)

マサミーヌ:全部、A24製作映画!

フルカティ:どれも本当にツボで。最近、私が映画館に行く理由のほとんどは「A24の最新作が公開されたから」。このA24ブームはしばらく続きそう。

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フルカティ「こういう映画を部屋でずーっと流してたい」

マサミーヌ:具体的にはA24作品のどんなところが好きなの?

フルカティ:私は映画評論家ではないので、映画ファンとしての個人的な気持ちでしかないんだけど……。どんなに奇抜な脚本やプロットでもオチは絶対に「人間」であるところかな。例えば、私はマーベル作品よりもDC作品の方が好きなんだけど、その理由は「ヒーローたちも、そもそもは人間で、それはどこまで行っても変わらないんだな」って思えて安心する。A24の配給作品にも似たようなところがあって、「どこまでいっても問題や物語の根幹は人間の心持ちだな」って思えるんだよね。

マサミーヌ:なるほど。「ライトハウス」もそういう意味では、実質登場人物2人だけの対話劇だもんね。

Image by: (C)2019 A24 Films LLC. All Rights Reserved.

フルカティ:一応レイティングもR15だし、映画のジャンルも「ホラー映画」「スリラー映画」に括られるようなんだけど、あんまりホラー映画たらしめる怖さみたいなものはなかった。どちらかというと「不穏」とか「不吉」とかの言葉の方がしっくりくる。

マサミーヌ:同じくA24配給作品の「ミッドサマー」や「ヘレディタリー/継承」を監督したアリ・アスターが、本作品にコメントを寄せていて「的確なコメント!」と思った。どちらかというとユニークなホラーだなって。

「非常に美しく、ユニークで、そして本当に面白い」
―― アリ・アスター(映画監督/「ミッドサマー」)

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フルカティ:まず冒頭の音響が不穏。やたら鳴り響く霧笛、機械音、かもめの泣き声と不協和音のオンパレード。そうかと思ったら登場人物の声はやたら小さくて、灯台の中で聞こえる人の声がどれだけ小さく聞こえているかを疑似体験できるようにもなっている。

マサミーヌ:スピーカー壊れているのかな?と思うくらい音量比率おかしいよね(笑)。アスペクト比も特殊だった。

フルカティ:1:19:1の画面比率で、ほとんど四角。

マサミーヌ:シーン切り替えのカットの仕方とか、編集の仕方とかも昔の映画へのオマージュを感じた〜!

フルカティ:白黒映画であることもあって、表層的かつ意図的に映画を古く見せていたと思う。個人的には1:19:1のアスペクト比がもたらしたもう一つの利点として、灯台のような縦に長いものを映し出すのに適したサイズだな、と思ったし、灯台の狭い室内や、孤島で過ごしているという閉塞感を見ているこちら側も感じざるを得なかった。たまに、ロバート・パティンソンとウィレム・デフォーがツーショットで写っていると「窮屈そうだな」と思ったし。

マサミーヌ:横に伸びる浜辺に対して、縦に伸びる灯台と人間。縮尺感覚がバグるし、モノクロも相まって、時間感覚すら失っていく主人公たちの気持ちを追体験する感覚はあった。

フルカティ:時間感覚ね!詳しくはネタバレになっちゃうからここではあまり書けないけど、とっても考察しがいのある作品。

マサミーヌ:本作は、ウィレム・デフォー(といえばやっぱり「スパイダーマン」のグリーン・ゴブリン!)とロバート・パティンソンの対話劇。観る前はベテランで名俳優のデフォーの独壇場になるかと思っていたんだけど……。どちらかといえば、デフォーとパティンソンの「演技力の殴り合い」って感じしなかった(笑)?正直、ロバート・パティンソンがこんなに良い役者だとは。

フルカティ:そうだね(笑)。2人とも心地よく人を不安にさせる人相をしているなと思った。私は、ロバート・パティンソンといえば、ハリー・ポッターシリーズのセドリック・ディゴリーなんだけどマサミーヌは?

マサミーヌ:私は、「トワイライト」のエドワード・カレン。

フルカティ:世代だよね(笑)。去年の自粛期間中にネットフリックスオリジナル作品でティモシー・シャラメ主演の「キング」を見たんだけど、ロバート・パティンソン演じるフランスの王太子ドーファンが、ズル賢くて、汚くて嫌な奴で……とても魅力的なキャラクターだったの。

Image by: (C)2019 A24 Films LLC. All Rights Reserved.

マサミーヌ:最近だと「テネット」にも重要なキャラクターとして出演していてまた話題を集めているし。

フルカティ:トワイライトシリーズに代表されるように、役名がついて回るというか……。言い方悪いかも知れないんだけど、アイドルのような売れ方をし続けた役者だと思っていて。最近になってようやくその「役」が外れて、役者だったら一度はやりたいであろう役が続いているな、って。だからライトハウスを観ながら「ロバート・パティンソン、この役やりたかったんだねぇ〜!」と思った(笑)。個人的には、汚くて人間臭い役を演じるロバート・パティンソンがもっとみたい!!(ダニエル・ラドクリフもこの路線希望!)

マサミーヌ:今度はバットマンシリーズで、主人公ブルース・ウェイン役やるみたいね。

フルカティ:ウェインといったら、クリスチャン・ベールにマイケル・キートン。キャラクターの先行イメージが強いから、ロバート・パティンソンがどう演じるかは気になる。

マサミーヌ:でもバットマンって、さっき言っていたように「ヒーローだけどどこまで行っても人間」が主人公な訳だから。ある種、人間臭い役を演じるロバート・パティンソンは観られるかも知れないね。

■ライトハウス
公開日:2021年7月9日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
上映時間:109分 ※R15
監督・脚本:ロバート・エガース
出演:ウィレム・デフォー、ロバート・パティンソン
公式サイト

その他の今月の気になる映画

プロミシング・ヤング・ウーマン

全「わきまえない人」に捧げる、アカデミー賞受賞の大どんでん返し劇

 「将来有望な若い女性」という意味を持つ「プロミシング・ヤング・ウーマン」。女性が中心となって製作された本作の監督は、現役で女優として活動する傍らシナリオライターとしても活躍しているエメラルド・フェネル(イギリス王室のスキャンダルを描くネットフリックスオリジナルドラマ「ザ・クラウン」が大当たり中)。主演に映画「17歳の肖像」で注目を集めたキャリー・マリガンを迎え、製作にはハーレイ・クイン役で知られているマーゴット・ロビーも名を連ねています。
 同作は簡単に言ってしまえば「デートレイプをしようとする男を制裁する女の子の物語」。医学部生で成績優秀だったのにもかかわらず、大学を中退し、コーヒーショップの最低賃金で働いている主人公のキャシーは、親友が巻き込まれたレイプ事件に関与した5人の人物に復讐をしていく。そんなあらすじとメインヴィジュアルを見ると「もしかしてすごいスプラッター系の怖い映画……?」と思うかもしれませんが、そんなことはないのでご安心を!例えば、ブスッとした顔で歩いているキャリーに対して通りすがりの男性が「笑えばいいのに」と野次を入れてくるシーン。キャリーは「なんであなたのために笑わなきゃいけないの?」と言い返します。同作の監督エメラルド・フェネルが「映画を観ている人が、笑ってから『笑うところじゃなかったかな……?』と戸惑う反応が好きなんです」とコメントするように、痛快すぎて笑ってしまうシーンやセリフがたくさん出てくる本作。それは「ありとあらゆる差別」を問題提起する映画にはせず、あくまで怒りを伝えるために「愉快さ」を取り入れているようにも感じます。少し笑えてスカッとして震えあがる。楽しさを加えなければ、世間は振り向いてもくれないという切実さも鑑賞後に感じるかもしれません。
 映画「ヴァージン・スーサイズ」や「ツイン・ピークス」などのスタイリストとして知られているナンシー・スタイナーが作り上げる、青とピンクで統一されたちょっぴりY2Kを彷彿とさせる世界観も見どころ!アカデミー賞5部門に輝いた上質な「大どんでん返し劇」は一見の価値ありです。

■プロミシング・ヤング・ウーマン
公開日:2021年7月16日(金)
上映時間:113分
監督:エメラルド・フェネル
出演:キャリー・マリガン、ボー・バーナム、アリソン・ブリー他
公式サイト

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