ミュウミュウ 2022年秋冬コレクション
Image by: MIU MIU
Miuccia Prada(ミウッチャ・プラダ)が手がける「MIU MIU(ミュウミュウ)」が、パリ・ファッションウィークの最終日に2022年秋冬コレクションを発表した。先シーズンに掲げた「既存のものから新しいものを創造する」というテーマを継続。ワンシーズンという枠を超えて、プロポーションやアティチュードをより進化させた。
季節外れというパラドックス
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会場となったのはパリのPalais d’Iéna(イエナ宮)。空間デザインを手がけたのは、Rem Koolhaas(レム・コールハース)率いるOMAの研究機関であるAMOだ。会場には、冬には不釣り合いなデッキチェアが置かれている。季節に合わないパラドックス(逆説)の仕掛けはセットだけではなく、「冬に着る半袖やミニスカート」といったアイデアにも取り入れられていた。
ローライズのマイクロミニが今季も主役に
テニスの要素を取り入れたマイクロミニのプリーツスカートやルーズソックス、アーガイルニットを合わせたスタイリングは、日本のギャル文化を彷彿とさせる。また、先シーズンから継続するクロップトトップ&ローライズの組み合わせは、シルキーなランジェリーをちらりと見せるコケティッシュなスタイルに。
「少女らしさとフェミニニティにはパワーがあり、優しさの中に力強さがあり、若さの中に知恵がある」と捉えるミウッチャは、メンズモデルもキャスティングに加えた。もはや"ガーリー"は少女たちの特権ではないのかもしれない。
ショーに登場したメンズモデル
クレイアニメと連動したライブストリーミング
オンラインで配信されたショー映像は、小さな花を拾い上げる手のクレイアニメーションからスタートし、モデルたちのウォーキング中にもアニメーションが重ねられた。このユニークな作品を手がけたのは、スウェーデン人のアーティストデュオ、Nathalie Djueberg(ナタリー・ユールベリ)&Hans Berg(ハンス・ベリ)。どこかグロテスクな今回の作品について「アニメ化されたモンスターは私たちの抑圧と不安の象徴」だと語っている。
あえてキッチュなジュエリーをチョイス
ユールベリ&ベリはコスチュームジュエリーもデザイン。幻想的な動植物をモチーフに、ビーズのイヤリングやネックレスを作り上げた。これは、"貴重な"ジュエリーの概念への挑戦であり、まさに好奇心旺盛な少女たちを魅了しそうな触覚的なデザインに仕上がっている。
しかしもちろん、ミュウミュウのガーリーは「可愛さ」と同義ではない。チェックのツイードジャケットや、アップサイクルレザーを取り入れたバイカージャケットなどはクラシックで硬派なムードをまとっている。レザーのベルテッドブーツも無骨な印象で、少女たちの強さと賢さを引き立てていた。
Fuyuko Tsuji
セントラル・セント・マーティンズ出身。モード誌の編集者、通信社のニュース記者を経て、フリーランスのファッションエディター/ライターとして独立。ファッション以外では、現代アートやフィギュアスケートについての記事執筆もこなす。
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