ルイ・ヴィトン 2022年クルーズコレクション
Image by: LOUIS VUITTON
ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquière)が手掛ける「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が発表したウィメンズの2022年クルーズコレクションは、パリ郊外のアックス・マジャール(大都市軸)が舞台となった。イスラエルの彫刻家ダニ・カラヴァンが手掛けたランドスケープで、約3キロにおよぶ直線のランウェイをグラフィカルなスタイルが彩った。
パリ北西のニュータウンの一つであるセルジー=ポントワーズに位置し、カラヴァンが美しいユートピアとして構想したというアックス・マジャール(Axe Majeur)。環境と人の融合を図るため1980年にスタートしたというプロジェクトで、遠く離れたパリの中心部に向かって続くように作られた一本の軸線と景観を、大都市軸と位置付けている。
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ジェスキエールは「私にはこの軸線が、別の場所に繋がる連続した扉のように見え、他の時代や場所への入口のように感じます」と捉える。
2022年クルーズコレクションのファーストルックは、アックス・マジャールの象徴的な歩道橋に用いられている色と連動するレッドのコート。序盤は、スカートや肩などが丸みを帯びた彫刻のようなフォルムとスポーティーなディテールが組み合わされ、どこか近未来のムード。ブルー、グリーン、イエローといった鮮やかなカラーが続いた。
中盤に登場したのは、トップスをキャンバスのようにしてSFと日常の世界を組み合わせた絵柄のプリント。抽象的な柄のジャカード素材、マーチングバンドのユニフォームを連想させるデザインも目を引いた。ビジューを全面に施したセットアップや、鮮やかなファー、リボンやカラフルなチェーンのモチーフといった、楽観的なミックススタイルが特徴だ。
バッグの新作は、鮮やかなチェーンストラップがポイントのツイストバッグやトランククラッチ、SINCE 1854のビッグショルダー、マルチカラーのレザーを編み込んだデザインなど。足元もカラフルなブーツが多く提案された。
約7分半のショー映像には、水面を歩くようなギミックが挟み込まれたり、鏡張りの地面に青空が映る舞台を歩くといった超現実的な演出も。ラストシーンでは、一人のモデルが一直線に伸びる道の遥か彼方の景色に眼差しを向ける。壮大なランドスケープと調和したショーについて、コレクションノートの最後には以下の一文が綴られていた。
この旅に必要なのは、最も美しいパスポート──これまで同様に、制約とは無縁の自由なクリエイションです。
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