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ファッション史上「再現不可能」と言われた5つの技術の今は?

(右上から時計周りに)ロシアンレザーを使用した財布、復刻した高砂染生地で新たに仕立てられた着物、サフィレット、マリアノ・フォルチュニィが製作したドレス「デルフォス 」

Image by: (右上から時計周りに)The Great English Outdoors、エモズティラボ、惑星座、Fortuny

2018.06.17 Sun. - 21:00 JST

(右上から時計周りに)ロシアンレザーを使用した財布、復刻した高砂染生地で新たに仕立てられた着物、サフィレット、マリアノ・フォルチュニィが製作したドレス「デルフォス 」

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ファッション史上「再現不可能」と言われた5つの技術の今は?

(右上から時計周りに)ロシアンレザーを使用した財布、復刻した高砂染生地で新たに仕立てられた着物、サフィレット、マリアノ・フォルチュニィが製作したドレス「デルフォス 」

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2018.06.17 Sun. - 21:00 JST

 新たに生まれる技術もあれば、失われる技術もある。長きに渡るファッションの歴史の中で、時代や社会の変化によって消失した技術があった。再現されたものから謎に包まれたものまで、5つの技術を紹介する。

ロシア帝国が誇る伝説のレザー

 17世紀から20世紀の間にロシアだけで生産されていた「ロシアンレザー」。ロシア帝国において貴重な高級輸出品として重宝されたものだったが、1917年のロシア革命期に革のなめし方などの製法が消失。日本国内では「ロシアンカーフ」と呼ばれているが、素材はトナカイとの説が最有力とされている。現在も時折流通するが、実は200年以上前に沈没したデンマーク国籍のキャサリナ・ヴォン・フレンズバーグ号から引き上げられたものだ。1786年にロシアのサンクトペテルブルクを出航した同船は、プリマス湾で嵐に襲われ海底へと沈んだが、1973年に地元のダイバーが発見。船内から回収されたロシアンレザーが市場に出回っているとされている。長期に渡って海底に眠っていたことで状態が悪いものが多く、革製品に使用できる量には限りがあり、その希少性と経緯から多くの愛好家から垂涎の的となっている。

 「再現が不可能」と言われていた技術だが、2016年に「LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン グループ」がロシアンレザーの再現に成功したと発表。続く17年には「エルメス(HERMÈS)」が技術を再現してバッグなどを製作し、多くのロシアンレザーファンを驚かせた。しかし完全な復元は不可能だという専門家の説もあり、現在もその製法については議論が残っている。

藩とともに消えていった染物

 江戸時代に現在の兵庫県に当たる姫路藩で誕生した染物「高砂染(たかさごぞめ)」。多様な色彩と、高砂神社にある相生の松模様に吉祥紋を重ねたデザインが特徴で、幕府や朝廷にも献上されていた由緒ある品だった。だが、江戸時代には藩のお抱え品として愛された高砂染も明治時代に姫路藩が消滅したことで、技術の維持が困難な状況になっていく。染料も藍一色で染められるようになるなど時代の流れとともに高砂染の特色が薄れていき、昭和初期には原型の姿からはかけ離れたものに変化していった。また、高砂染めの染め型自体も戦時下で焼失してしまったという。

 現在は、高砂市にあるエモズティラボが高砂染二大創業家の協力のもと技術の復元を研究。今年4月には、復元した高砂染の着物を発表している。

レシピはあるが作れなかったプリーツ

 スペイン生まれのデザイナー、マリアノ・フォルチュニィ(Mariano Fortuny)が1907年に制作した「デルフォス(Delphos)」と呼ばれるドレスは、その制作技術が長らく解明できないままだった。古代ギリシャの衣装が着想源となり、特殊なプリーツの技術はマリアノが発案し特許を取得。特許資料として残っていたが、書類を紐解いても不明な点が多く「レシピはあるが再現できない」という状況が続いていた。

 しかし、過去にマリアノが設立したイタリアのテキスタイルハウス「フォルチュニィ」が、発明から100年が経った2017年にプリーツの復元に成功。同年には、パリのガリエラ美術館で復元したドレスが展示された。

再現不可能なガラス宝石

 チェコで1860年〜1930年頃に製造されたガラス宝石の「サフィレット」は、角度によってブラウンやブルーの輝きを放つ。その美しさから装身具として重宝されていたが、やがて製法が失われてしまった。ガラスに金を混ぜるため採算が取れなくなった、もしくはヒ素を混ぜて作るという危険な工程に問題があったなど、製造されなくなった理由は諸説ある。極めて希少性が高くコレクターも存在するが、当時の詳細な製法を知る術は見つかっておらず、現在も議論されている。

江戸時代の幻の染色法

 江戸時代の襦袢や間着に使われていた染色技法の紅板締め(べにいたじめ)。浮世絵の衣装にも紅板締めと思われる下着が描かれていた。模様を彫った板に生地を挟んで染める技法で、鮮やかな赤地に桜や菊などの図柄が白く浮かび上がるのが特徴。明治初期には盛んに生産されていたが、型染めが主流になったことで徐々に衰退し、昭和初期には生産が途絶えた。その技法には不明な点が多く、幻の染色法とも言われている。長らく姿を消していた紅板締めだったが、2007年に復元に成功。たかさき紅の会の代表で染色家の吉村晴子氏が、色や布の挟み具合などを長く研究し復活させた。

 時代の移り変わりと共に失われていった製法も、現代のテクノロジーの発展と共に解明され、再現されはじめている。まだコストや製品への転用など改善の余地が大きいものが多いが、再び多くの人が手に取れる時が来るかもしれない。

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