ロンドンの曇り空
Image by: Erina Kubo
こちらロンドン。天気は今日も曇りです。
こちらの曇りは何というか、雲がとても分厚くて、「今日お前には絶対に太陽を見せてやらないぞ」と言うような凄みを感じます。ただその分太陽が出た時に、人々が公園に集まり日光浴をしている姿は微笑ましく、ピクニックの口実になるのは良いことかもしれません。しかし思った以上にグレーな空は人を陰鬱な気分にさせることを、こちらに来てしみじみ実感しております。
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そんなどんよりとした天気でも、暖かいマイスイートホームがあれば、少しは気分も晴れるでしょう...。というわけで今回は、ロンドンの賃貸事情と、移住後2ヶ月半の心境についてお話しします。
今ロンドンで人気のエリア
ロンドンの賃貸は基本的にシェアをすることが多く、一人暮らしをしている人は私の周りにはほとんどいません。また、ロンドンはゾーンで分かれており、1が最も都心部で、数字が大きくなるにつれて郊外になります。今クリエイターやファッション関係者に人気なのはビクトリアパークやロンドンフィールズがあるイーストロンドンのエリアで、「Goodbye Horses」(Goodbyeと言いながらワイングラスや壁画などあらゆるところに馬が描いてある素敵なワインバー)や「Miga」(モダンな店内で美味しい韓国の家庭料理が食べられる。絶対に美味しいものを作る顔のお父さんと、いつもイッセイ ミヤケを着ている清潔でキュートな男性定員さんに注目)、「Pophams」(パンが美味しいコーヒー屋さん。現地のおしゃれな人たちの給水所)など、最近人気の飲食店もこのエリアに多いです。
Goodbye Horses イラストがとても可愛い
Image by: Erina Kubo
賃貸の価格
賃貸の価格はガス・光熱費や税金を含めて、700〜1000ポンドが若者には最もメジャーな価格帯で、日本円にして今のレートだと約14万円〜20万円です。シェアだと考えると東京より割高な感じ。しかしロンドンの家は基本的にfurnished(家具付き)のことが多く、スーツケースひとつで引越しが出来るため、色々な物件に住んでみることが出来るのは魅力のひとつかもしれません。
家の探し方
家探しをするやり方としてはいくつかありますが、一番メジャーなのは「spare room」や「mixB」を使うやり方です。spare roomは現地の人からの募集が多く、mixBは日本人からの募集が多いです。自分の言語スキルや状況に応じて使い分けるのが正解かもしれません。
また、すでにロンドンに知り合いがいる場合には、空き部屋情報がないかどうか聞いてみるのが一番良いと思います。みんな部屋探しに苦労しているので、情報交換が盛んで、インスタグラムのストーリーでは空き部屋の情報がよくシェアされているため、知り合い伝いでサイトに載らない良物件に出会えることがあります。
意外と見落としがちな、個人的に物件でチェックすべきだと思うポイント1位はシャワーの水圧。ロンドンは古い物件が多く、「せせらぎ?」というくらい、水圧が極端に弱い場合があるので、入居前に確認しましょう!
毎週末どこかしらでマーケットが開催されています。この日は変な鳥の置物をゲット
Image by: Erina Kubo
Image by: Erina Kubo
移住後2ヶ月半。ケチャップ事件からの立ち直りと気付き
住む環境って本当に大事ですよね。環境により関わる人が変わったことで、自分の中にも変化があった気がします。
家族が日本にいる状況で、異国の地に住むことは自分の中でも大きな決断で、最初はホームシックに苦しめられていました。大学生でロンドンに短期留学した時は、とにかく楽しい!しかなくて、目に映るもの全てが新鮮で仕方がなく、羽が生えて毎日1cm地面から浮遊して過ごしているような日々だったのに。社会人経験を積んでからの海外生活は、どこか寄る辺が無いような、目的がなければならないような、そんな気持ちにさせられます。「なんでこの土地にいるんだっけ」と、鼠色の空を見上げながら歩いていたら、ケチャップの割れた瓶を蹴ってしまい(なぜ落ちていたのか今だにわからない)、左足がケチャップまみれになってかなりしょんぼりしたこともありました。今はそんな時期も過ぎて開き直り、「目の前の仕事を頑張っていたら、まあ何とかなるだろう」と、新しい環境とこれから新しく出会える人がいることに胸を膨らませています。
私は今ある夫婦とシェアをして暮らしているのですが、今まで全く知らなかった人たちと生活するのは人生初めての経験で、とても面白いです。家族と住むことや一人暮らしをすることよりも何となく背筋が伸びる感じがして、凝った料理を作ってみたり(庶民派の皮を被って実は割と工程が多いことに気づき、作っている途中で呆然とし始めたキンパ)、ジャージではなくてお気に入りのパジャマ(深いグリーンのコットン生地)を着てみたりします。毎朝出かける前に小さな会話をしたり、同居人が流している、今まで聞いていなかった音楽に耳を傾けて、自分がそれを好きになったりすることも楽しいです(Big thief の Paul という曲だった)。
「どこにいるかだけじゃなくて、誰といるかってすごく大切なことだよね」と、最近電話をした、ロンドンに来る過程でたくさん助けてくれた昔からの友人が言っていました。これからどの土地に住んでいても、自分と縁があって一緒にいてくれて、その時の感情や思想を交換し合える人たちを精いっぱい大切にしたい。そのことが結果的に自分を良い方向に変えてくれたらいいな、とロンドンの曇り空の下、暖かい家の中で考えています。
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