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密着 1月29日:ヘアメイクの打ち合わせを通じて見えてくるイメージ
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「(午前)2時に目が覚めて、始発でアトリエに来たんです」。1月29日、パリから帰国して数時間後、Kokiの姿はすでに新宿区のアトリエにあった。
舞台はパリから東京へ。パリで得た新鮮なインスピレーションが最後のピースとなってコレクション制作を加速させる。
パリではセールスに集中し、帰ってきた朝に滞っていた日本での仕事を終えた。パリでの展示会に合わせてショーピース以外のサンプルは揃っている。それでも、現時点でのショーの準備の進捗は「3割」だという。ショー開催まであと14日。コレクションはどのように「ショー」になっていくのか。
そのイメージを具体的な言葉にすることはあえて避けている。「制作を重ねる中で気がつくこともあるので、現時点ではクリアになっていない方が、“綺麗な言葉”になっていくのかなと」。
前回はショーピースに振り切った構成だったが、今回はリアルなコッキも表現したい。「来てくれたお客さんに忘れられない夜を届けたいという気持ちもあります、“それなり”のショーには絶対にしたくない」とKoKiは話す。

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20時。前回のショーから継続してヘアメイクを担当しているヘアアーティストの河村慎也(mod's hair)が、1stサンプルを持ってアトリエにやってくる。事前にKokiから河村に伝えた抽象的なキーワードが河村の手によってどう咀嚼されるのか、1stサンプルを起点にすり合わせを行う。

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河村がダンボールから取り出したサンプルは、ヴィンテージの黒いレースを組み合わせたスカーフのような形状で、ドゥーラグのように目深に頭部を覆い巻き付ける。吟味しながらコッキメンバーとの対話を通してアイデアを拡張していく。

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安易に全ての要素を盛り込んだ華美さも、カジュアルさも、メタリックな素材感や覆面が記号的に与えるパンク的な要素も、求めるイメージとはズレる。
帽子のように頭に被さるものというよりは、ヘアと組み合わせた見せ方もできるのかもしれない。試着を経て、「立体的ではない=マスク」に対する違和感をすり合わせる。マスク型になると複数ルックが並んだ際の造形のリズム感が崩れる。かといってレースで丸みをある造形を作ると既視感を抱かせそうだ。

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iPadにラフを描きながらアイデアを作っていく。
当日は会場が薄暗くなる、ならばあまりにもおどろおどろしいものではなく、若干のポップさやキッチュさを取り入れたい。黒ではない色を検討するため、コッキのアトリエで保存しているヴィンテージレースを取り出す。以前パリのアンティークマーケットで購入したものだ。

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やはり元々検討していたような、透け感や軽やかさのあるレースの方が良いかもしれない。方向性を定めつつ、ディスカッションを経てイメージを膨らませる河村。当日までにこの後数回のミーティングを重ね、本番に向けてデザインを完成させていく。

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