サリナ
Image by: 横堀良男
東南アジアの最新情報を綴るコラム「ジャラン ジャラン アジア」。1年間の3分の2以上を東南アジア諸国で過ごし、契約バイヤーのほか、ポップアップショップ、展示会出展、ファッションショーの代理店などを行う横堀良男氏が現地の情報をレポートします。
(文・横堀良男)
1966年にインドネシア初の百貨店としてオープンした「サリナ(Sarina)」に行ってきました。歴史があり、インドネシアで百貨店と言えばまずサリナが頭に浮かぶため、日本で言う三越伊勢丹のような立ち位置です。実は2年ほどリニューアル工事をしていて、今年の3月に営業を再開しました。
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最近、SNSでやたらとサリナで撮られた写真を見かけるので、「みんな百貨店でいったい何をしているの?」と思っていました。
この百貨店、聞くと初めてのものが多く、インドネシア初の高層ビルで、エスカレーターの導入もこのビルが国内初なんだそうです。ちなみに、日本の大林組とインドネシアの国営企業によって建てられました。そして、インドネシア初のエスカレーターは日本の日立製で、今も動いています。日本の企業ってすごいな!と改めて感動しました。
そういえば、ジャカルタ高級モールの1つ「プラザ スナヤン(Plaza Senayan)」も鹿島建設なんです。実は日本とインドネシアの繋がりはあらゆるところにあって、深いのかもしれないですね。
サリナ デパートの中を歩き回りながら、いくつか動画で撮影してみたので見てみてください。
先日ご紹介した今一番流行っているショッピングモール「アシュタ(Ashta)」とはある意味、真逆の方向性です。新しくトレンディなものというより、伝統的なものやインドネシアの地方工芸品などインドネシアっぽいもので溢れています。また、内装もインドネシアを意識したデザインになっています。確かに、この内装だったら、みんな写真を撮りたくなるでしょうね!
それにしても、下の階から上の階まで、インドネシアに所縁のある商品がたくさん揃っています。インドネシア伝統のろうけつ染めの柄生地のバティック、インドネシア版の絣素材のイカット、手染めの素材やラタン素材で編まれたカゴバッグなど、東から西に長いインドネシアのあらゆる地方の工芸品が並んでいます。
動画の商品群を見て、どうお感じになりましたか?「えー、欲しいかも」「いくらくらい?」と興味を持っていただける人が多ければ良いのですが、もしかすると特に興味がないという人も多いかもしれませんね。まあ、他国の文化や工芸品ですから......。
少し考えてもらいたいのですが、自国の工芸品を自国で売ることと、他国に輸出することでは、また違う視点が必要になります。日本も自国の工芸品などを他国に輸出したい、そう考えている事案が近年増え続けています。サリナ デパートに足を運んでみて、商品にどのような説明や付加価値があれば、自分は買うのだろうか?と考えてみると、日本の工芸品を世界に輸出していく良いきっかけになるかもしれません。
東京都江東区出身。高校在学中からアパレル業界で働き始め、 その後、アッシュ・ペー・フランス株式会社に入社。27歳で若手ブランドの営業代行業、showroom SIDEを設立、代表に就任。 32歳で海外進出、現在は1年間の3分の2以上を東南アジア諸国で過ごし、契約バイヤーとして活動。 日本からアジア・アジアから日本のポップアップショップ、展示会出展、ファッションショーの代理店も行う。
■コラム「ジャラン ジャラン アジア」バックナンバー
・vol.1:そうだ、東南アジアで生きていこう。借金抱えて自分探しの旅
・vol.2:高級モールは世代交代?ジャカルタのアシュタはなぜ成功したのか
・vol.3:なぜ東南アジアでは合同展示会が少ないのか
・vol.4:イスラム教徒のファッションは?人気の新興3ブランドも紹介
・vol.5:シンガポールのストリート事情、人気のブランド紹介
・vol.6:業界人はここに行くべき!シンガポールのおすすめスポット
・vol.7:実は進んでる?フィリピン マニラのファッション事情
・vol.8:夏休みに東南アジアに行く方法
【最新話はこちら】
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