Image by: FASHIONSNAP
クリエイションの枠にとらわれない作品を制作し続ける国内外の若手マルチアーティストにフィーチャーする連載「テルミアバウッチュ!(Tell me about you!/あなたのことを教えて!)」。第6回は、陶芸家のホンジョ・ヤン(Hongjo Yang)さんをピックアップ。ショートインタビューから彼のクリエイションを紹介します。
目次
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ホンジョ・ヤンを紐解く5つの質問
名前:ホンジョ・ヤン(Hongjo Yang)
拠点:韓国
陶芸家として活動。幼少期を韓国で過ごし、高校ではファッションを専攻したのち、大学在学中に海外の様々な国を旅する。現在は、韓国を拠点に陶芸ブランド「HairyBirdBox」を立ち上げる。
公式インスタグラム
作品の原点は?
ホンジョ・ヤン
留学後、韓国に帰国して一般企業に勤めました。
当時、会社員としての生活を楽しんでいた瞬間もありましたが、最終的に自分が憧れ、追い求めていたものとは異なり、組織の一員であることにストレスも抱えていたんです。
そんな時、もともと趣味で勉強を始めた陶芸を続けるうちにプロとなり、今に至ります。
代表作その1「Sweating Vase」
ホンジョ・ヤン
汗をかくこと、髪が生えること、人格を持つことなどは、生き物の無意識の生理活性、つまり生物に由来することだと考えられています。
この考えに基づいて制作された作品のひとつが「Sweating Vase」。様々な身体に多種多様なかたちで、汗の滴が表現されることが特徴です。
代表作その2「Lost Shoes」
ホンジョ・ヤン
Lost Shoesのコンセプトは「かつて誰かに愛されながらも、今は失われてしまった靴や、所有者のいない靴を、様々な場所に移動させて見つけてもらうこと」です。
靴のデザインは、発見された場所や前の持ち主に似ていることを意識しながら表現しており、あらゆる異素材でそれぞれのストーリーにあったユニークな形を作り出しています。
いまのクリエイションシーンについて思うことは?
ホンジョ・ヤン
韓国では、アートがますます盛んです。単に作品を購入するだけではなく、クリエイターになることの不安感が消えつつあります。人気のあるアート作品を参考に制作を始めたり、日常生活の中に気軽に作品を取り入れたりと、多種多様にアートに参加することで、時には秀逸で、興味深く、新しいアイデアを生み出しています。
ホンジョ・ヤン
一方、クリエイティブは簡単なようで難しいものです。アイデアの争奪戦は激しいものがあります。せっかく考えたアイデアが一瞬で砕け散ってしまったり、他者が簡単に扱うことで、価値が急落したりすることもあります。しかし、それは今になって起きたことではありません。なので、いままでと変わらず、クリエイターは常に新しいアイデアを出し、クリエイティブシーンにおいて確固たるシグネチャーを打ち立てることが重要だと感じています。
今後チャレンジしたいことは?
ホンジョ・ヤン
私の活動や作品について、もっと国内外で知ってもらいたいと思っています。だから今年は、作品を紹介する機会や、展覧会を開催する機会をたくさん作ろうと思っています。
そして、他分野のプロたちと知識を共有しながら、より楽しい仕事をしていきたいです。
1991年生まれ。国内外のファッションデザイナー、フォトグラファー、アーティストなどを幅広い分野で特集・取材。これまでの寄稿媒体に、FASHIONSNAP.COM、GINZA、HOMMEgirls、i-D JAPAN、SPUR、STUDIO VOICE、SSENSE、TOKION、VOGUE JAPANなどがある。2019年3月にはアダチプレス出版による書籍『“複雑なタイトルをここに” 』の共同翻訳・編集を行う。2022年にはDISEL ART GALLERYの展示キュレーションを担当。同年「Gucci Bamboo 1947」にて日本人アーティストniko itoをコーディネーションする。
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