吉井雄一
Image by: FASHIONSNAP
音楽からインスピレーションを得ることが多いのですが、ここ最近気になっているのが「チルウェーブ」という流れ。エレクトリックなんだけどアコースティック、すごくソフトでオーガニックなんだけど反逆性を感じる。僕にとってはこれが現代のパンクの解釈なんですね。わかりやすくいうと多幸感があるんです。ロックを気取ることは一番チープでイージーな表現で、多幸感を表現していくことの方が難解で難しい。それで今回「ザ・コンテンポラリー・フィックス」をリニューアルするときにも、日常のなかでハッピーであるということを大事にしました。ショップの理想は時代によって変わるものですが、これが2010年の今の僕の理想形です。
「パリヤ」復活、青山の地への思い

東京はとても感度が高い街。ただ最近ちょっと悲しいなと思うのは、今の時代インディペンデントで続けて行くのが非常に難しいということです。息の続かなくなってきている人も多く、特に青山は今、崩壊しかけています。その中で何か楽しいことをしないと。矢印を外に、街に向けたお店をつくりたいという思いがあります。
2年前、「ザ・コンテンポラリー・フィックス」のオープンにともなって「パリヤ」を閉店したというあのときの判断を、実はとても反省していました。でも今回のリニューアルで同じ場所に「パリヤ」を復活させたことで、赤ちゃん連れなどファッションに興味のある人ない人関係なく、たくさんの方が来てくれています。中には以前のポイントカードをそのまま持っている方もいて・・・嬉しいですよね。この「パリヤ」は、ある意味「ザ・コンテンポラリー・フィックス」の幅を広げるオリジナルブランド。そういった事をお客様に気付かされて、とてもしっくりきたんです。僕のオリジナルブランドは服である必要はないと思っています。素晴らしいデザイナーを知っているので、服を作る領域に入っていくつもりは今のところはありません。
東京ファッションシーンをインディペンデントに変えていく
バイイングでは、基本的には食べるものと同じでフレッシュであるかということを常に見ています。フレッシュでモダンでクリーンで、計算された軽さが表現されているかがバイイングのキーポイント。時代に合っているか。そして作っている人が映し出されているかがクリエーションだと思っています。

しかし全体的に停滞感を感じてはいますね。今の東京、若い世代がファッションを目指さなくなってきている。感度のいい人ほどそう。本当は若い世代がもっと育たないといけないのに。そんな中で、頑張っている新進デザイナー達を発見したら、なんとかサポートして盛り上げようとしています。
しかし今日は、新しくて良いデザイナーがなかなかフィーチャーされない現状がある。それを判断するべきキャリアのある人たちの判断力が、鈍っていたり、遅かったりというのが停滞の一つの要因なのではと思っています。つまらなくしているのは社会情勢ではなくて、実はファッションの中の人たちだったりという現状を、インディペンデントに変えて行きたいんです。そのためには、きちんと若手と向き合い、10%でもきらめくものがあったら、それ以上にしてあげられるようにサポートして伸ばしてあげないといけません。人は注目されることで輝いていく。いいものをフィーチャーすることに精一杯注ぎ込みたいと思っています。
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