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人に教えたくなるフレグランスの話:vol.10 Bedin ジェンダーをつなぎ、物語を紡ぎ出す「37℃美容液キャンドル」

Image by: 夢無子

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人に教えたくなるフレグランスの話:vol.10 Bedin ジェンダーをつなぎ、物語を紡ぎ出す「37℃美容液キャンドル」

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 フレグランスの魅力とは、単に“匂い”だけじゃない。どんな思いがどのような香料やボトルに託されているのか…そんな奥深さを解き明かすフレグランス連載。

 第10回は、セクシャルウェルネスブランドとして誕生した「ベディン(Bedin)」のデビュー作をご紹介。春眠を誘う、至福の美容液キャンドルを。

感度の高い著名人たちが既にリピーターとなっており、卸先のリステアでは即ソールドアウト、SNSでもバズが起きている。「37℃美容液キャンドル フェロモン」(税込1万4080円)

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 2024年2月14日、バレンタインデーに誕生したセクシュアルウェルネスブランド「ベディン(Bedin)」。ブランド名は、オノ・ヨーコとジョン・レノン(John Lennon)が1969年のハネムーンの際に行った平和のためのパフォーマンス「ベッド・イン」に由来。性を通してカラダだけでなくメンタルも健やかにすることを願い、他にはないプロダクトをリリースすべく、女性2人が立ち上げたブランドだ。

 記念すべき第1弾にしてブランドの定番シグネチャーアイテムとなるのはガラスの器の3本芯キャンドルの姿をした美容液。つまり、キャンドルとして使うのは正しくない。3本の芯すべてに火を灯し、3分間置いたのちに火を消し、溶けたロウをそのまま美容液として全身にマッサージしながら伸び広げる、というのが正しい使い方だ。

バニラ豆由来の天然温感成分配合で心地よい温もりが持続

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 ロウの正体は米ぬかエキスや豆乳発酵液など97%が自然由来成分。人肌に温められた美容液で全身をなめらかに整えながら、「フェロモン」という名のバニラムスクの甘やかな香りに包まれる。ひとりで使ってもパートナーと使っても、幸せな気持ちに満たされること間違いなし。

 ところで、なぜセクシャルウェルネスブランドなのか?なぜ3本芯の美容液キャンドルなのか?これには、ブランドの創業者で作家のLiLyの生き様が大きく関わっている。ここからは彼女が語った言葉だけでブランドの詳細を紹介したい。成り立ちの裏側を知れば、このブランドがもっと好きになるはずだ。

右:創業者のLiLy。1981年生まれ。上智大学在学中から女性誌で連載を執筆し、2006年に「おとこのつうしんぼ」(講談社)でデビュー。2007年に上梓した小説処女作「11センチのピンヒール」(小学館)もベストセラーに。左:ベディンでプロダクト開発を担当する共同創業者のsaki

 「小学生くらいからずっと作家になりたくて。日記を書くのがすごく好きで、毎日思考を整理しないと気持ち悪くて眠れないという子供だったんです。両親が、親になってからも現役で愛し合っていたというか、激しい夫婦喧嘩をする中で育ったんですけど、普段は賢い人たちなのに、小学生から見ても理不尽なことで喧嘩するじゃないですか、熱量の高いカップルというものは。だから男女ってどうしたら仲良くなれるんだろうっていうことを、よく泣きながら文章を書くことで思考していて。だから恋愛エッセイでデビューというのもたまたまのようで必然。キャンドルもカップルのためのもの。計算したわけじゃないんですけど、よくよく考えたら全部それですね。誰にも読まれたくないから鍵付きの日記帳に書いていたんですけど、二十歳過ぎたら鍵が外れてそのまま仕事になったという流れです」

 「フェムテックの先のセクシャルウェルネスをやりたい、というのがあったんです。ずっと小説でやっていたことをプロダクトに落とし込んだというだけなのかもしれない。オトナの女性のための官能小説を2冊シリーズで出しつつ、女の子のための性教育の小説もセットで連載していたので。性教育の知識と賢さをベースに、女性だってセックスを主導的に楽しむことを啓蒙したい。っていうと硬いけれど、私はただただロマンチックな恋愛が大好きなだけかもしれない(笑)。中学生の頃に3回劇場に観に行った映画『ロミオとジュリエット』から大のキャンドル好きなので。性はまだまだタブー視されるけれど、もっともっと恋を楽しんで、大好きなパートナーとどこまでも甘くベッドで愛し合える世界こそが平和だと私は本気で思っています。このブランドでそのお手伝いができたら、とても幸せです」

ガラス作家の河内あさことのコラボレーションによるデビュー記念限定品。「ガラスアート ドーム&コンポートセット」(同14万800円 ※キャンドルは別売り)

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 「コスメ開発を手がけているパートナーのsakiは、私がノートに書いたものを実写化するプロ。私が想像していた以上のコスメを仕上げてくる、まるで魔法使いみたいな人です。それこそ、今あるガラスの形をスケッチしてsakiに見せた場所はディズニーシーでした!娘同士も仲良しで、彼女たちが親の同伴なしでディズニーに行きたいというので、私たちはシー内の離れたカフェで10時間打ち合わせをしていたんです。これもたまたまですが、運気が良くて夢が叶うロマンチックな場所から生まれた自信作です(笑)」

 「今までの小説同様『対極の共存』をブランドテーマにしているので、『フェロモン』の対極にあたる次のキャンドルも準備中です。3つの炎というのにも意味があります。例えば『男』と『女』が左右にあるとすれば、真ん中は『物語』が宿る場所。私は元々黒白つけたくてたまらなくて生きづらい性格なのですが、世の中のほとんどはグレーだし、対極があるから真ん中に世界が生まれるので炎は3つ。ブランドを通してアーティストとのコラボレーションも予定していて、次はベッドで羽織るシャツを販売予定なのですが、ベディンはアパレルブランドではないし、デザイナーでもない私は絶対にデザインには手も口も出さない。餅は餅屋。専門外の領域は決して侵さずにプロフェッショナルだけで作っていくというのをモットーにしています。世界観や物語づくりは小説家の私、コスメ開発は美容を専門にしているsakiと、ブランド内でも徹底しています」

 「セックスのリスクはやはり常に女性のほうが大きいけれど、女性にも性欲はあるわけで、“男性の性欲の被害者”ではなく、女性だって対等に“セックスの主導権”を握れたらって思っています。そのためには正しい知識が大切なので性教育にも力を入れていきたいです。ただ、主導権が大事だからといって大々的にそれを叫ぶのも色気がないから、相手に気づかれないように水面下で勝手に握っていればいいとも思っていて。したたかさとは賢さで、賢さとは色気で、本当の意味でセクシーなオトナの女性像を小説でも描くのが大好きなんです。性欲って、男女ともに取り扱い注意の危険なエネルギーでもあるから、それをポジティブに昇華させてプラスに使えたらいいなとずっと思ってきた答えが、このキャンドルです。ひとりで使うのもオススメです。心と身体が同時に満たされ、やがては美容にも直結してますから。美容と健康のセクシャルウェルネスブランドとしたのは、今それが流行っているからじゃなくて、性のエネルギーこそが美容と健康にも直結していると確信しているから。性欲をタブー視するのではなく、美しい体験へと昇華させて、もっともっと気持ちよくパートナーとの愛も自分自身への愛も深めて生きていこう!ってベディンを通して伝えていきたいんです。それぞれの寝室から、幸せな革命を起こしていきます!」

ビューティ・ジャーナリスト

木津由美子

大学卒業後、航空会社、化粧品会社AD/PR勤務を経て編集者に転身。VOGUE、marie claire、Harper’s BAZAARにてビューティを担当し、2023年独立。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修了、経営管理修士(MBA)。専門職学位論文のテーマは「化粧品ビジネスにおけるラグジュアリーブランド戦略の考察—プロダクトにみるラグジュアリー構成因子—」。

■問い合わせ先
Bedin:公式サイト

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