いよいよ、開幕まで残り2日に迫った日本国際博覧会「大阪・関西万博」(2025年4月13日〜10月13日)。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、世界中から160を超える国と国際機関が参加する大規模な博覧会ですが、そもそも、万博では何が楽しめるのでしょうか。そんな疑問を持つ読者に向けて、実際に会場に足を運んだ編集者が、会場に着いたらまず訪れるべきファッション好きが楽しめるスポットを独断と偏見で厳選! 展示やパビリオンなどの体験編と、ここでしか出会えないライセンスグッズなどのお土産編に分けて紹介します。
体験編
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大阪市の人工島「夢洲」に建設された万博会場の総面積は、約155ヘクタール。東京ドーム約33個分、東京ディズニーランドにして約3個分相当と、ぐるっと一周するだけでも一苦労。そんなボリューム満点のコンテンツの中から、特に必見の4つのパビリオンと展示を紹介します。
世界最大の木造建築にギネス認定、全周2kmの「大屋根リング」











大屋根リング
Image by: FASHIONSNAP
会場に到着すると、まず目に飛び込んでくるのが「大屋根リング」。建築家の藤本壮介氏がプロデュースした建築は、会場全体を取り囲むような設計で「多様でありながら、ひとつ」という会場デザインの理念を表す、同万博のシンボルとなっています。日本の神社仏閣などに使用されてきた伝統的な貫接合に、現代の工法を加えて建築された同建築は「最大の木造建築物」として、ギネス世界記録にも認定されました。エスカレーターで屋根上の舗道「スカイウォーク」に登れば、会場全体を見渡しながら、全周2kmをぐるっと散歩することができます。また、屋根下に設置されたベンチは、雨風や日差しを遮断しながら休憩できる絶好のスポットです。
Video by FASHIONSNAP
LVMHが卓越した職人技を紹介する「フランスパビリオン」
160を超える国と地域、国際機関が参加する今回の万博。限られた時間の中、どの国のパビリオンに参加するべきか迷ってしまうかもしれませんが、ファッション好きならば、まずはフランスパビリオンに向かってください。フランスパビリオンには、メインパートナーとしてLVMHが参画し、同社を代表する5つのメゾンが出展。「メイド・イン・フランス」の価値を体感できる展示を通して、フランスが誇るサヴォアフェールとアール・ド・ヴィーヴルの精神を発信します。




















ルイ・ヴィトンの展示
Image by: LVMH
「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」と「ディオール(DIOR)」の展示は、万博の期間と同様、半年間常設されます。ルイ・ヴィトンは、建築家の重松象平氏とコラボレーションし、「日本への愛」と「時を超えるクラフツマンシップへの愛」にオマージュを捧げた展示を用意。メゾンのアイコニックなトランク84個を配したライブラリーには、アトリエの音を再解釈したサウンドトラックが響き、アーティストの真鍋大度氏が手掛けた映像作品も放映されます。ディオールは、職人技と手仕事へのオマージュとして、トリコロールカラーの「バー」ジャケットやアンフォラ ボトル、約400点の白いトワルや、3Dプリントで再解釈されたフレグランスボトルを並べたインスタレーションを用意し、タイムレスなエレガンスを表現。アーティスト高木由利子氏の作品や、デザイナーの吉岡徳仁氏によるメダリオンチェア、建築家の妹島和世氏が手掛けた「レディ ディオール」などを通して、メゾンと日本のつながりを讃えます。








蒔絵を施したトリオンフ
Image by: LVMH
「セリーヌ(CELINE)」は開幕から5月11日まで、「ショーメ(CHAUMET)」は9月1日から10月13日までの期間限定で展示を披露。セリーヌは、石川県輪島市を拠点に、伝統的な漆器を制作するアーティスト集団の彦十蒔絵とコラボレーションしたメゾンのアイコニックなシンボル「トリオンフ」を展示します。ショーメは、空間全体を煌めきで演出した没入型の展示を実施予定。麦の穂やミツバチ、ミツバチの巣(ハニカム)などのモチーフとともに、メゾンが培ってきた自然の美しさと生命力への賛辞を表します。ちなみに、同館で味わうことができるビストロは、「モエ・ヘネシー(Moët Hennessy)」がプロデュースしています。
ジェンダーを超えた公平な未来へ導く「ウーマンズパビリオン」
続いて紹介するのが、夢洲駅からほど近い東ゲートゾーンに設置された「ウーマンズパビリオン in collaboration with Cartie」。その名の通り、「カルティエ(Cartie)」とのコラボレーションによって実現したプロジェクトです。コンセプトは「When women thrive, humanity thrives ~ともに生き、ともに輝く未来へ~」。社会における女性の役割とともに、ジェンダーを超えて誰もが公平であることを望む、持続可能な未来の構築を目指し、建築やコンテンツ、対話など多角的な展示を行います。





ウーマンズパビリオンの外観。建築家の永山祐子氏によって手掛けられたパビリオンは、2020年ドバイ万博の日本館で採用されたファサードを再利用しています。
Image by: Victor Picon ©Cartier
同パビリオンのメインコンテンツが、3人の女性を主人公としたストーリーとともに展開する、没入型のキュレーション「THREE PATHWAYS」。日本を代表する作家 吉本ばなな氏、詩人でアクティビストのエミ・マフムード氏、環境保護活動家のシエ・バスティーダ氏の3人のショートフィルムが流れたあと、3人の中から1人の部屋を選ぶことで、それぞれのこれまでの人生を追体験できるインスタレーションが楽しめます。ちなみに、ショートフィルムを制作したのは、映画監督の河瀬直美氏。








「THREE PATHWAYS」で流れるショートムービーを手がけたのは、映画監督の河瀬直美氏。登場する女性は、左から吉本ばなな氏、エミ・マフムード氏、シエ・バスティーダ氏。
Image by: Victor Picon ©Cartier
そのほか、世界中の男女平等の現状について、各国のデータに基づいて表現したインスタレーション「PUZZLE BOX」や、世界で活躍する14人の活動家のメッセージに触れることができる体験型の展示「YOUR HAND」なども用意。日本からは、タレントの黒柳徹子氏や、メイクアップアーティストで僧侶の西村宏堂氏、社会起業家の細井愛茉氏、寿司職人の三好史恵氏が参加。それぞれの声を通して、未来へのメッセージを届けてくれます。
“未来の自分”に出会える「大阪ヘルスケアパビリオン」
万博ならではの最新テクノロジーが集結した「大阪ヘルスケアパビリオン」では、「リボーン(REBORN)」をテーマに、25年後の未来の都市生活をイメージした体験を用意しています。中でも、おすすめなのが「リボーン体験ルート」。プリクラ機のような「カラダ測定ポッド」に入り、自分の髪や肌年齢、視覚、脳、筋骨格などの数値を測ると、25年後の自分のアバターが形成され、専用のリストバンドを装着することで、アバターと一緒に展示を楽しむことができます。ちなみに、アバターの衣装を手掛けたのは、「ハトラ(HATRA)」のデザイナー長見佳祐氏。自分のアバターがどんな衣装に身を包むのか、必見です。











大阪ヘルスケアパビリオンの外観
Image by: FASHIONSNAP
測定ポッドで計測したデータに基づき、今の自分に必要な栄養を補完できるサプリを提供してくれるフードスタンドをはじめ、「未来では洋服ではなくロボットを着用しているかもしれない」という発想をもとに、VR体験を通して自分にピッタリのロボットスーツを提案してくれるアトラクションも。25年後の未来に思いを馳せながら、さまざまなテクノロジーを体感できるスポットです。リボーン体験ルートの参加には予約や公式アプリの事前登録が必須なので、詳しくは公式サイトをチェックしてください。
同館のエレベーター「ミライのライド」では、25年後に存在しているかもしれない「空飛ぶバス」をイメージした映像を放映。 Video by FASHIONSNAP
お土産編
万博では、会場でしか手に入らないお土産も見どころの一つ。オフィシャルショップには、バリエーション豊かな「ミャクミャク」のマスコットやお菓子などが所狭しと並んでいますが、今回は、ファッション好きならぜひチェックしてほしい2つのショップと、そこで出会える限定アイテムをピックアップします。
アーバンリサーチが手掛ける「アーバン博」
大阪に拠点を持つファッション企業・アーバンリサーチは、会場西側のセービングゾーンに、限定アイテムを取り扱う期間限定店「アーバン博」を出店。テーマは「未来につながる“すごい”をシェア」。他のオフィシャルストアでは手に入らない、同店ならではのアイテムとして、「カンペール(CAMPER)」とのコラボレーションによる雑貨や、アーバンリサーチの社員100人の声の振動を柄にしてデザインし、商品化するプロジェクト「一〇〇 VOICES」による鯉口シャツといった限定アイテムをラインナップ。変わり種のお土産を求めている人は訪れるべきスポットです。











「一〇〇 VOICES」の鯉口シャツ(1万6500円)
Image by: FASHIONSNAP
ファッションブランドとの限定コラボに出会える「大丸松坂屋百貨店」
夢洲駅からすぐの東ゲートのそばにオフィシャルストアを出店している大丸松坂屋では、百貨店ならではのファッションブランドとのコラボアイテムをラインナップしています。開幕時には、「ミントデザインズ(mintdesigns)」「ジェラート ピケ(gelato pique)」「ジャーナル スタンダード レリューム(JOURNAL STANDARD relume)」の3ブランドとのコラボレーションを展開。それぞれのブランドが持つスタイルとミャクミャクをかけ合わせた独自のアイテムを揃えます。














ミントデザインズとのコラボTシャツ
Image by: FASHIONSNAP
最終更新日:
■EXPO 2025 大阪・関西万博
会期:2025年4月13日(日)〜10月13日(月)
会場:大阪府大阪市夢洲
公式サイト
■会場へのアクセス
最寄駅は、Osaka Metro中央線の夢洲(ゆめしま)駅。会場ゲートは駅の目の前なので、迷うことなくアクセスできます。また、大阪周辺の主要駅や大阪国際空港、関西国際空港からはシャトルバスが運行しています。シャトルバスは公式サイトから予約可能です。
■シャトルバス発着駅
新大阪駅、大阪駅、中之島駅、なんば駅、天王寺駅、上本町駅、堺・堺東駅、桜島駅、尼崎駅
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