資生堂傘下のスキンケアブランド「ドランク エレファント(DRUNK ELEPHANT)」が、2021年10月に日本に上陸してから1年半が経った。日本では資生堂の販売網を生かし、イセタン ミラーやフルーツギャザリング、@cosme TOKYO店といったセミセルフ店舗に常設ストアを構えるほか、三越伊勢丹オンラインストア「ミーコ(meeco)」、阪急百貨店公式オンラインストア「HANKYU BEAUTY ONLINE」でも取り扱う。さらに各地でポップアップを開催するなど認知拡大の施策を続ける。
同社の中期経営戦略「SHIFT 2025 and Beyond」における積極投資の対象となる強化ブランドのひとつとして期待が寄せられているドランク エレファントの、日本での現在地とこれからについて、ブランド担当者に話を聞いた。
■ドランク エレファント
創業者のティファニー・マスターソン(Tiffany Masterson)が2013年にスタート。ティファニー自身の肌トラブルの経験に基づき、アルコール(エタノール)やシリコーン、紫外線吸収剤、エッセンシャルオイル、香料・染料、界面活性剤といった成分を排除し、アイテムごとにpHレベルを調整することで肌への刺激を抑え、本来の皮脂膜機能をサポートする成分を最適なバランスで配合している。アメリカではSNSを介したユーザーとの積極的なコミュニケーションで広まり、セフォラでベストセラーを獲得するなど人気を集める。2019年から資生堂傘下。
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ーまずは、ドランク エレファントについて教えてください。
創業者のティファニーはずっと肌の悩みを抱えていて、あらゆるものを試したけれどベストなものが見つからず、調査していくうちに自分の肌には合わない成分があることを発見しましたが、それらは一般的にはさまざまなメリットがあるので多くの化粧品に入っていることがわかったそうです。そこで自分の肌に合うものを自分で作るしかないと試しに開発してみたところ、ティファニー自身が化粧品を使って初めてハッピーになれた、と言います。きっと同じ悩みを抱えている人がいるはずだから、その人たちにもハッピーになってもらいたいと考え、ドランク エレファントが誕生しました。
ーどんなところが魅力でしょうか。
一番は創業者ティファニーの精神に基づいた独自性です。アルコール(エタノール)、シリコーン、紫外線吸収剤、エッセンシャルオイル、香料・染料、界面活性剤といった成分を排除し、本当に必要なものだけを配合した、一般的な化粧品からすると“引き算”した処方になっています。肌の刺激になりにくい処方にもこだわっているので、結果的に年齢や性別、人種を問わず多くの方にとって安心してお使いいだけます。さらに、一部のアイテムを除いて、自由に混ぜて使えるスキンケアメソッド“手のひらスムージー”も特徴です。それぞれのアイテムを構成する分子の大きさを考慮して適切に配合したからこそできることで、私たちは“バイオコンパチブル”と呼んでいますが、ユニークな視点だと思います。どんなブランドにも似ていないからこそ、市場の多様化につながりますし、お客さまの選択肢が広がれば、これまで肌に合うものが見つからなかった方にも寄り添うことができるでしょう。
ー率直な疑問なのですが、混ぜて使うとどんなメリットがあるのでしょうか。
まずは時短です。日本のお客さまは、ていねいなスキンケアステップの習慣が成熟していますが、忙しい毎日の中で、なかなか充分な時間を取れないこともありますよね。ドランク エレファントでは、セラムやクリームなど複数を混ぜて一回塗れば完了するため、朝晩のスキンケア時間を短縮できます。そして、混ぜて一回分の使用量を作ることになるので、各アイテムの一回ごとの使用量は少なめでも大丈夫なんです。ですから結果的にコストパフォーマンスも良くなります。
ブランドを代表するアイテム
プロティニ ポリペプチド クリーム
ー日本での展開から1年半が経ちましたが、反響はいかがですか?
元々ブランドを知ってくださった方々が日本上陸を喜んでくださり、またアメリカで人気のブランドということで興味を持ってくださったりと、少しずつお客さまは増えてきています。ただ、現状に満足している訳ではなく、これまでを踏まえて発信の工夫が必要だと感じています。ブランドの可能性に対してもっと多くの方に知っていただく努力が必要なのは確かです。
ー課題とはなんでしょうか。
日本のスキンケア市場のセオリーではどんな特別な成分が入っていて、効果実証やエビデンスをどれだけ伝えられるかが重要ですが、ドランク エレファントの魅力は“引き算”ですからその真逆。“引く価値”は加える価値よりも伝えるのが難しい。それから、“スムージー”もまだなじみのないメソッドだと思うので、地道に発信していかなければなりません。
ー具体的にどんなことをしていきますか?
メッセージを実直に伝えていく必要があり、その点はTwitterを軸に製品の魅力や“スムージー”の方法、それらを使うとどんなハッピーなことがあるのか、積極的に投稿していきます。Twitterは熱量が高いコミュニティが形成しやすい利点があって、お客さまとのコミュニケーションも深めていきたいですね。
さらに今年は初の試みとして、Twitterでのライブ配信「ドランク フェス」を開催しました。全3回で、各回のゲストに長谷川ミラさん、佐田真由美さん、前田敦子さんを迎え、それぞれのライフスタイルやハッピーな出来事など、美しさの秘訣を教えていただきました。各回アーカイヴ配信も含めると50万人以上の方が視聴してくださって盛況だったので、次回についても検討したいですね。
ーこれまで各地でポップアップイベントを開催してきましたが、今年の計画は?
もちろん他のイベントも検討しているところです。今回のドランクフェスとは別の切り口と発信方法で、ドランク エレファントならではのハッピーをお届けできるような体験を提供したいと考えています。
ポップアップイベントも引き続きお取引先さまと組んで、いろんなところで行えたらと思っています。直近では5月17日から23日までジェイアール名古屋タカシマヤで開催します。やはり私たちのブランドは使ってみるとクセになるような独自の魅力があり、より良い形で製品に出合っていただくための体験の場は継続的に展開していきたいです。
ー日本の売り上げ規模の目標を教えてください。
具体的な数字はお答えできませんが、日本をアメリカに次ぐ市場に育てるのが目標です。日本の美容市場の中で、ドランク エレファントが大切にしている“引く価値”やスキンケアを通じたハッピーな生活、既存のスキンケア概念からの解放などのメッセージが話題になるくらいのインパクトを生み出したいですね。
■ドランク エレファント:公式サイト
■ドランク in 名古屋
開催期間:5月17日(水)〜5月23日(火)
場所:ジェイアール名古屋タカシマヤ 3階 特設会場
時間:10:00〜20:00
【特別企画】美容家・瀬戸麻実 1日店長
日程:5月20日(土)、5月21日(日)
参加方法:予約サイトから先着順で応募受付(各日20名)
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