Image by: DIOR
「ディオール(DIOR)」が紡いできた歴史と伝統、サヴォアフェールと革新性などメゾンのエスプリを香りに昇華させたフレグランスコレクション「ラ コレクシオン プリヴェ クリスチャン ディオール」から2月7日、新作「ボア タリスマン」が誕生する。創作を手がけたのはもちろん、ディオール パフューム クリエイション ディレクターのフランシス・クルジャン(Francis Kurkdjian)。“木のお守り”というなんとも魅力的なネーミングの新作フレグランスについて語ってもらった。

◾️フランシス・クルジャン:1995年、「ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)」初のメンズフレグランス「ルマル」を手がけ、弱冠25歳でデビュー。その後数々のデザイナーズフレグランスを手がけ、2008年に芸術文化勲章”シュバリエ”を受勲、2009年には自身のブランド「メゾン フランシス クルジャン(Maison Francis Kurkdjian)」を創業。2017年にLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン グループの傘下に入り、2021年10月、ディオール パフューム クリエイション ディレクターに就任。
ADVERTISING
「フレグランスの創作はファッション同様、新作ローンチのスケジュールが決まっていて、それに向かってテーマ探しをします。デザイナーがアイデアをスケッチするように、調香師は気になる言葉や名前、テーマなどをノートに書き留め、そんな作業の中から形作っていきます。ムッシュ ディオールが迷信深いことはよく知られていますが、実は僕も似たところがあり、今回はそれを調香のテーマにしたら面白いかも、とひらめいたんです」
ムッシュ ディオールが大切にしていたラッキーチャームといえば、「スズラン」「四つ葉のクローバー」「スター」。今なおデザインモチーフとしてさまざまに登場するが、クルジャンが目をつけたのは「木」だ。

「1955年にアメリカの放送局CBSが撮影したフィルムに、ムッシュ ディオールがいつも肌身離さず持ち歩いているラッキーチャームを取り出している映像があって、その中に幸運を祈って一日に何度も触れるという小さな木のかけらが出てくるんです。一方、僕のラッキーチャームは一粒の角砂糖。まだ調香師として駆け出しの頃、仲のいいアシスタントが『大事なミーティングの時は砂糖のかけらを持っているといいよ』と教えてくれて、それ以来、僕のラッキーチャームに。そこで、ムッシュの“木”と僕の“砂糖”をかけ合わせたら、何か新しい香りができるんじゃないか、と思ったわけです」
ムッシュが持ち歩いていた木のかけらの種類は特定されていないため、デザイン画のスケッチに使用していた鉛筆に発想を広げ、クルジャンはシダーウッドを選択。角砂糖のイメージはバニラへとつなげ、シダーとバニラを軸とした新たな香りが誕生することとなる。
と書くと、濃密で甘ったるいグルマンノートを想像する人がいるかもしれない。しかしここにクルジャン特有の洗練された感性が光る。

「ラ コレクシオン プリヴェ クリスチャン ディオール オードゥ パルファン ボア タリスマン」(50mL 2万5300円、100mL 4万5100円、200mL 6万3140円)
「実はバニラについては、抽出方法の異なる3種類を組み合わせているんです。まずバニラの鞘をアルコールに数カ月間浸して抽出するアルコール浸漬法、鞘も含めて香りを丸ごと引き出すことができる超臨界二酸化炭素抽出法、そして誰もがバニラだと感じる合成香料バニリン。この3種を組み合わせることによってバニラのいろいろなファセットが引き出され、さらにシダーウッドと合わせることで、よりリッチな仕上がりになっています」
やや官能的で穏やかな香り立ちが病みつきになる、新時代のグルマンノート。ぜひあなたの肌で体感してほしい。ちなみにフランスでは古来「悪いことが起こらないよう木に触ると良い」という迷信があるという。そして「身の回りに木がない場合は頭をたたくと、木に触ったのと同じ意味になるんだよ」とクルジャン。だからムッシュは木のかけらを常にポケットに入れていたのだろうと推察されるが、これからは「ボア タリスマン」がラッキーチャームとなって、ほっとするような温もりであなたを包み込んでくれるはずだ。

なお、「ボア タリスマン」の発売と同時に「ラ コレクシオン プリヴェ クリスチャン ディオール」がリローンチする。香りはそのままに、サイズを50mL、100mL、200mLの3サイズ展開に刷新。そして、トワル ドゥ ジュイやハウンドトゥース、カナージュといったメゾンを象徴するデザインコードを施した「クチュール キャップ」全15種がラインナップ。さらに、同様にデザインされたフレグランス専用ケースやトランクも登場する。自分仕様にコーディネイト可能なコレクションの数々、ぜひチェックして。
最終更新日:
ビューティ・ジャーナリスト
大学卒業後、航空会社、化粧品会社AD/PR勤務を経て編集者に転身。VOGUE、marie claire、Harper’s BAZAARにてビューティを担当し、2023年独立。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修了、経営管理修士(MBA)。専門職学位論文のテーマは「化粧品ビジネスにおけるラグジュアリーブランド戦略の考察—プロダクトにみるラグジュアリー構成因子—」。
■ディオール:公式オンライン ブティック
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【インタビュー・対談】の過去記事
RELATED ARTICLE
関連記事
READ ALSO
あわせて読みたい
JOB OPPOTUNITIES
最新の求人情報(求人一覧)
RANKING TOP 10
アクセスランキング