ディオール 2022年クルーズコレクション
Image by: DIOR
紀元前329年に建設され、1896年に第1回近代オリンピックが開かれた歴史的な建造物。ギリシャ・アテネのパナシナイコスタジアムで、「ディオール(DIOR)」の2022年クルーズコレクションが発表された。たいまつの炎が照らす荘厳なムードのトラックをランウェイに、ギリシャ神話に登場する女神の装いと現代のスポーツウェアから抽出したアスレチック要素が融合した。
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ディオールとギリシャの関係
ディオールとギリシャの最初の繋がりはムッシュ ディオールによるオートクチュールコレクションをアクロポリスの丘のパルテノン神殿を背景に撮影した、1951年の写真が始まりとされる。ウィメンズ アーティスティック ディレクター マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)は70年前から連綿と紡ぎ出される歴史をインスピレーション源に、また文明のルーツを新たに見直すというアプローチから、ギリシャ・アテネを今シーズンの発表の地に選んだという。
ギリシャ神話の女神アテーナーに捧げられたアテネを舞台に、マリア・グラツィアはクリエイションを再解釈。現地のアーティストや職人の創造性に光を当て、ギリシャ出身の画家ジョルジョ・デ・キリコ(Giorgio de Chirico)の作品からもインスピレーションを得た。
コレクションのインスピレーション源となったコラージュ動画
女神のドレープを現代のドレスに
カラーパレットは、大理石や古代の彫像を連想させるオフホワイトからベージュの色調をベースに、陰影のブラック、上品なゴールド、そして透き通るような鮮やかさのギリシャブルーがメイン。
メゾンのコードのひとつでありマリア・グラツィアがこれまでも提案してきたペプロス(長衣)のドレープや、カリアティード(女像柱)を連想させるシルエットのドレスが多く登場したが、今回はより現代的な解釈が取り入れられた。テクニカルな素材で仕立てたり、斬新なカットワークやフードがデザインされていたり、多様な手法でアップデートしている。
足元はスニーカー
中盤で目立ったのは、マリア・グラツィアが大切にしている身体性をフォーマルとスポーツの融合によって表現したカラフルでアクティブなスタイル。イタリア人アーティストのピエトロ・ルッフォ(Pietro Ruffo)がアスリートの肉体を再解釈したドローイングが、鮮やかなプリントで施されている。
終盤は、清らかなホワイトをベースとしたイブニングドレス。長いトレーンや白鳥を模したデザインなど詩的で優美なドレススタイルに、足元にスニーカーを合わせているのが今シーズンの特徴だ。スニーカーはホワイトとゴールドの配色で、アクセサリーの一部となっている。
ボストンバッグやイヤホン用アクセサリー
バッグの新作として、スポーティーな印象のボストンバッグを提案。アクセサリーはゴールドやパールが多く、AirPodsに装着するイヤリングといったユニークなピースにも注目したい。
Image by: ©Aggeliki Kalamara
歌と花火、圧巻の演出
なお、今回のコレクション映像は事前に撮影されたものではなく、一部観客を招いてフィジカルでショーを開催しライブ配信した。オーケストラの生演奏とギリシャ系アメリカ人のシンガーソングライターIoanna Gikaの歌声が総大理石のスタジアムに響き、フィナーレでは花火が打ち上がる圧巻の演出。聖地アテネとメゾンの歴史をつなぐショーとなった。
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